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Vol. 9  「サバサンド」  (2003/01/09)

一通の手製ポストカードが届いていました。
トルコで知り合った友達からです。
そこには、港に停泊する小船と、船内で一心不乱にサバを焼く
おじさんが写っていました。

学生時代に旅したイスタンブール。
ガラタ橋のたもとで、サバのサンドイッチが売られていました。
通称「サバサン」です。

港に浮かぶサバサンド船。
大きな鉄板に並ぶ、水揚げしたばかりのたくさんのサバ。
まるごと一匹をフランスパンに挟み、
お好みで、生の玉ねぎとレモン汁を少々。

滞在中は、毎朝ガラタ橋まで通っていました。
サバサンを売るおじさんとは、すっかり仲良しに。
トルコ語もままらならず、私はいつも
"Big one! big one!"
言葉が通じたのか気持ちが通じたのか、
おじさんはいつも、特大のサバを選んでくれました。

私が帰国した後、残った友達におじさんは片言の英語で
こう言ったそうです。
"Where is your friend? It's big one!"

特大のサバは、待ちくたびれてちょっと焦げていたのかな。
あのおじさんは、元気なのかな。
あれから、3年が経ちます。
   
 
 
    
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