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8月30日 プレイバック・報道ステーション企画その7
『清水宏保が外側から始めてみたオリンピック・スピードスケート』

今年3月5日、帯広で清水宏保さんが正式に引退記者会見をしました。
過去4回のオリンピックに出場し、1998年の長野で500m金、1000m銅、2002年ソルトレークシティー500m銀のメダルを獲得してきた日本のエース。

記者会見では、途中、涙をこらえながら、
「長島や加藤の活躍を見ながら、自分がやってきたことは間違いじゃなかった・・」と語ったその表情が印象的でした。

そのニュースとともにお伝えした、報道ステーションの特集「清水宏保が見たバンクーバーオリンピック、スピードスケート」をプレイバックしてみましょう。

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プレイバック・報道ステーション企画その7
『清水宏保が外側から始めてみたオリンピック・スピードスケート』




これまで19歳のときから4度のオリンピックに出場してきた清水さんですが、
開会式をしっかりと見るのは今回が初めてでした。長野オリンピックのときも旗手を務めましたが、入場行進が終わってすぐに宿舎に戻っていたからです。
開会式の独特の雰囲気の中で、清水さんは興奮気味でした。

清水:「感動して涙が出そう!美帆ちゃん、どの辺にいるんですかね、」

最年少、15歳でオリンピックに出場している木美帆さんの姿を見つけてはしゃぐ清水さんは少年のようでした。

初めて客観的に外側から見るオリンピック、
清水さんはトップアスリートでしか知りえない世界を私たちに教えてくれました。



小平:「やっぱり悔しいのが、悔しいのと」

500mのレースを終えて、ミックスゾーンでは、ただ涙にくれる初出場の23歳、小平奈緒選手。

今シーズン、500mではワールドカップで表彰台にも乗り、日本新記録もマークした小平奈緒さんですが、レース結果は、まさかの12位でした。


  

  

  


清水:「いやあ、オリンピックで実力をだすのって、本当に難しいですね。」

小平さんの惨敗の原因は何だったのでしょうか。
それはオリンピックならではのものでした。
清水さんは偶然、日本食レストランで小平選手と結城匡啓コーチに遭遇し、話をするチャンスを得たのです。



 


結城:「オリンピックのメダルに対する、なんていうかな、自分の中に住んでいる魔物みたいなものにたぶん初めてであったと思うんですよ。」

小平:「そうなんですよ」

小平さんのひとつ前の組、ワールドカップランキング2位の王北星が38秒48でゴール。決して速いタイムではありません。


 


結城:「たぶんいけると思ったとおもいます」
小平:「メダルがちらついちゃったんですよ。」

小平さんのスケーティングがその瞬間にがらりと変わってしまったのです。
一回目のレースが38秒84、二回目が38秒80
結果は12位。
惨敗でした。

結城:「ぜんぜん体重乗る場所、別人になって出てきたんで、びっくりしました」


  


500mの二日後、
念入りにフォームの修正を行い、1000mに臨みます。
いつものシャープなスケーティングに戻って、タイムは1分16秒80で5位に入賞。
メダルまでは、わずか100分の8秒差でした。

さらに、あまりレース経験のない1500mでも潜在能力を発揮し、1分58秒20で
本人の予想を上回る5位に入賞と大きな成果を挙げたのです。


  

  

  

清水:「オリンピックで5位になった奴が、次のオリンピックでいい成績が出るっていうジンクスが、あるらしくて、」
「もうちょっとで表彰台に乗れるって言う先が見えてるから、目標設定も練習内容も設定しやすいよね」
小平:「よりいっそうがんばれる」

清水さん自身が、リレハンメルオリンピックで5位になった4年後、長野で金メダルを手にしているだけに、その言葉には重みがあります。

小平:「すごく貴重な体験ができたというか、絶対4年後につながるんだろうなっていう感じはあります。」


  

  

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