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4月4日 中国のアナウンサー事情

1年前の2月末、北京。
中国のアナウンサーを育てる大学にお邪魔してきました。

短期滞在(15日以内)であれば、ビザが必要なくなった中国行き。
極端に言えば、その日ふと思い立っても行けるようになったわけです。

果たして、また来てしまいました。

アナウンサーになるための学部に潜入
こちらの大学には、マスメディアに興味のある学生が集まっていて、
『アナウンス学部』なるものも存在します。



メディアの大学


中国のCCTVなどの有名テレビ局や、地方局のアナウンサーのほとんどは、
ここから輩出されるのだとか。
日本にも、テレビ朝日アスクのようにアナウンサーを育てる学校はありますが、
4年制の大学というのは、なかなか類をみないですよね。



社食にはトマトスープなどに入った麺類も。


彼女(彼)らは、大学の敷地内にある寮に住んでいて、
早朝6:00くらいから起きて、中庭や運動場で発声練習するんですって!
頭が下がります。
地方から来ている人も多く、1年生は、
普通語(プートンホァー。日本で言う共通語)との発音の違いに苦労していました。
要するに、宮崎訛りが出てしまう私と同じようなことです。
こちらは現役キャスターのための朗読の授業。



現役キャスターたちのための朗読講座


テキストをテープに撮って、全員で聞き直しています。
就職活動を行うアナウンス学部の学生のために、ブロマイドを集めて製本もしているそうです。
中国のアナウンサーは背の高い人がいいのだとか。
・・・日本人で良かったぁ。
ところで、中国の人に、どうして日本では悪いニュースばかり伝えるんだと聞かれました。
日本で見るような「今朝○○で事故が起きました」などのニュースも
中国風に伝えると「人民軍が救出活動を行った」のような形になるそうで、
それがいいニュースかどうかは別として、とにかく、主語が違うようです。

臭い豆腐
中国江南料理のお店で、初めて出会った食べ物があります。
その名も、臭豆腐(チョウトウフ)。はっきり言って、臭いです。



臭豆腐


私が食べたのは、厚揚げ風に揚げたもの。甘辛いたれに漬けて食べます。
茹でたものもあるそうで、それはもっと臭いそうです。耐えられません。
でも食べているうちにはまってきて、
結局、お皿に盛られた豆腐の3分の2を平らげてしまいました。



もう残りわずかです


そして次の朝、おなかを壊しました。
臭豆腐との因果関係は分かりませんが、初めての方は食べ過ぎには注意したほうがいいかもしれません。

オリンピックに向けて
2008年のオリンピック開催に向けて、
北京市内は、徐々にインフラの整備が進められていました。
あるホテルは改修工事を始め、
交通の抜け道になるという道路は拡張工事が行われています。



拡張工事のため大木も移動


古き良き胡同(フートン)の住宅地が、拡張のためにごっそりと取り壊され、
石造りの壁がえぐられた向こうに、部屋の階段が剥き出しになっている様は、
力まかせのようで、痛々しくも見えました。
何かしようとトップが決めれば、一党独裁体制ですから、すぐに実行に移せる。
強硬な手段を使うことで意思決定が早くなるという側面もあるのでしょう。

競技会場も、すでに着工していました。
空港近くに、広大な、本当に広大な敷地があって、
きれいに整地された土の上に、
陸上競技場のフィールドと、その奥には、プールの基盤が作られていました。
中国人の運転手さん曰く「まだ全然できていないよ」(2005年2月時点)ということでしたが。

北京の景山公園や、後海を散歩して、
胡同(フートン)といわれる下町の住宅を改造した、お洒落なバーで一杯。
排気ガスと埃とで美味しくない北京の空気も、緑のある場所なら心地よく感じます。


公園

初めて中国に行ったのは、5年前の夏。
船で上海に入り、リュックを背負って蘇州、北京、大同、フフホト…と列車で回りました。
ショックだったのはトイレの違い。
大理石をふんだんに使っているものでも、
やっぱり水が流れる溝を共有するスタイルだし、ドアも低くて丸見えだし、
文化の違いにはいちいち驚かされましたが、
今では都心では公衆トイレも壁の高い個室になっているようです。
それから、蘇州で会った中国人の女学生のことも忘れられません。
高い値段をふっかけてくる白タクの男性たちを怒鳴りつけ、
無償で、丸一日、蘇州を案内してくれたんです。
初めて会ったのに。

13億人いれば、いろんな人がいますね。

今度はどんな出会いがあるんだろうと、また行ってしまうのです。
   
 
    
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