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10月1日 目黒のさんま

今年もこの季節がやってきました♪
秋になるとがぜん注目を浴びるのが「さんま」
「さんま」といえば、落語「目黒のさんま」が有名ですよね。

目黒駅の周辺では毎年、2つのさんま祭りが開催されます。
地元の商店街が主になって行われる「目黒のさんま祭り」と
目黒区や教育委員会が主催する「目黒のSUNまつり」です。

去年初めて「目黒のさんま祭り」の取材に行って、その勢いに圧倒されたばかりでしたが、今年はもうひとつの「目黒のSUNまつり」に足を運んできました。
この祭りでは、目黒区と友好都市協定を結んでいる宮城県気仙沼市からさんまを提供されています。

去年の震災では、祭りが開催できるか危ぶまれたそうですが、なんとか開催にこぎつけました。
震災直後に目黒区からはボランティアが派遣され、食料や暖房器具、義援金なども送られたということで、気仙沼市としては、より感謝の気持ちを込めてこの祭りに臨むようになったということです。

まず会場近くに着いて驚くのが、目黒川の橋の上を通ってまだまだ続く長〜い行列。
そして、遠くからでも漂ってくるさんまを焼く煙!
これは大変な光景だぁ・・・

ようやくさんまを焼く会場までたどり着いた人に話を聞いてみると、皆さん3時間ほど待ってようやくここまで来ました、とのこと。
それなら家で100円のさんまを買ってきて焼いたほうがいいや、なんて思ってしまいそうですが…、それでも年に1回振る舞われるこのさんまを食べるのが楽しみなんだとおっしゃっていました。

長い網の上にズラリと並んださんま。 
気仙沼からも80人ほどのボランティアスタッフが来ていて、お客さんと向かい合いながら、手際よく焼きあげていきます。



大変な暑さの中、猛烈に立ち込める煙は目に染みて涙が出てしまうほどでしたが、焼いている間、目黒の人達と交わす10分ほどの会話を大切にしているのが伝わってきました。
目黒と気仙沼。場所は離れていても、励ましあい、それに感謝をして、さんまを通して人々が笑顔になれる年に1度の機会。
気仙沼の皆さんの煙にも負けない笑顔をみるにつけて、心がじわっと温かくなりました。

震災から1年半が過ぎて少しずつ記憶が薄れてきている現実があります。
「被災地への関心が薄れ、忘れられるのが怖い」とおっしゃっている方がいました。
関心を持ち続けることも被災地への支援につながります。
気仙沼の方と触れ合うことで、改めて震災のことを振り返る機会にもなりました。


   
 
 
    
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