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8月26日 現場はとってもエキサイティング

 
事件取材は、現場に行ってみなければ何が起こるか解りません。それが醍醐味でもあり、また、難しさでもあります。

未だ解決を見ない元英国航空スチュワーデス“ルーシー・ブラックマンさん失踪事件”。私達は、発生直後にこの事件を取材しました。


この事件、謎に包まれているだけに、取材も大変に難行しました。

英国大使館を通して、来日中の肉親の単独インタビューが取れたのが、放送の2日前。しかしこれだけでは新しい情報は出てきません。

次に、私達は、彼女が勤めていた六本木のクラブに潜入。一人のホステスと仲良くなり、彼女の電話インタビューが取れたのが、放送の前日。

さらに、猛暑の中、現場周辺を3日間歩き回り、失踪する直前の彼女の重要な目撃証言が取れたのも放送の前日でした。

こうして、直前になって集まった様々な情報をもとに、前日の深夜になって、ようやくディレクターが編集作業に入りました。そして編集が上がったのが、放送当日の昼の3時過ぎ。その後、大慌てで、MA作業(BGMを付けたり、インタビューを受けた人の声を変える作業)に入りました。

しかし、事件の性格上、声変えをしなければならない人が多すぎて、このMA作業に予想以上の時間がかかり、その作業が終わったのが、なんと放送の7分前。しかも、このMAのスタジオがテレビ朝日の放送センターから車で10分ほど時間のかかる場所だったのです。

この緊急事態のなか、MAスタジオの前で、別のディレクターがバイクで待機。大急ぎで出来上がったVTRを抱え、テレビ朝日の放送センターへ急行。放送センター玄関では、待機していたADがそのVTRを受け取り、放送サブスタジオへ走りこみ、放送30秒前にようやくVTRが間に合ったのです。

スタジオでVTR到着を待っていた私も、その経過を聞きつつ、冷や汗をたらしながらなんとか放送を乗り切ることができました。

しかし、オンエアされたものに関しては、他のどの取材チームにも負けない胸を張れるものでした。そして、放送後スタッフと一緒に飲んだビールは、最高の味でした。

現場では、こんなエキサイティングな日々が私を待っています。こんな私は、やはり幸せものだと、ビールを飲みながらつくづく感じました。

 
現場にGO!
  現場記者として日本中を駆け回るアナウンサーたち。現場ではテレビに映らない様々なハプニングやアクシデントが続出。一体何が現場であったのか?
スーパーJチャンネルのコーナー「迷宮の扉」で、事件を追いながら日本全国を駆け回っている山口豊アナウンサーが事件の裏側をお伝えします。
 
 
    
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