前の記事を読む 次の記事を読む  

トップ > パーソナルトップ > プロフィールトップ > エッセイバックナンバー
 
 
2月21日 てら散歩  「東海道五十三次」広重のあの絵の場所を訪ねる


18 江尻



江尻(安藤広重)    
 
清水港(静岡市清水区日の出町)

江尻の宿は今の静岡市清水区にありました。
広重は手前に宿のシルエット、その先に清水港、そして右側から突き出ている三保の松原さらに駿河湾を描いています。タイトルは「三保遠望」 そこで同じような角度で清水港から撮影したのが右上の写真。
この場所に到着したときには、日が沈みかけていました。



清水港夕景


19 府中



府中(安藤広重)   
 
安倍川(静岡市葵区弥勒)

府中の宿は今の静岡市の中心街・葵区、かつての駿府城の城下町の一角にありました。
広重は宿場町を過ぎたところ、安倍川の渡しの様子を描いています。
こちら側からは蓮台と呼ばれる輿(こし)に乗った女性達が、向こう岸からは
荷を背負った馬が人足に引かれて来ています。この川も、幕府の安全保障の理由から橋が架けられていませんでした。



安倍川橋   
 
東海道新幹線


後ろは徳願寺山


20 丸子



鞠子(安藤広重)   
 
丁字屋(静岡市駿河区丸子)

丸子のタイトルは、「鞠子(まりこ) 名物茶店」 
店の前中央に名ぶつとろろ汁の立て看板、右側の障子には御茶漬 酒さかな 、左側にも御ちゃつけの文字が…店の中では二人の旅人が名物自然薯(じねんじょ)のとろろ汁と酒を楽しんでいて、赤ちゃんをおぶっている店員の女性も見えます。左側の道には蓑(みの)と菅笠(すげがさ)をぶらさげた棒を担いだ農民もいます。とってものどかな風景です。
今も同じ場所に絵と同じような茅葺き屋根の店が営業をしていました。 1596年(慶長元年)創業の「元祖 丁字屋」 松尾芭蕉の俳句や十返舎一九の「東海道中膝栗毛」(弥次さん喜多さんの話ですね)にも登場する歴史ある店です。


梅若菜 丸子の宿の とろろ汁    松尾芭蕉



松尾芭蕉の句碑

丸子の宿は、今普通の民家が建ち並ぶ町です。歴史を残すために本陣や問屋場跡はどの宿場にもありましたが、ここではそれぞれの家にかつてその位置にあった旅籠の名前が書かれた木の札が掛けられていました。町全体が立体地図になっているような工夫ですね。


丸子宿

名札がかかっている

丸子宿問屋場跡


かつて藤屋があった場所
 
丸子宿脇本陣跡
   
 
    
前の記事を読む 次の記事を読む  

トップ > パーソナルトップ > プロフィールトップ > エッセイバックナンバー