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7月18日   進藤潤耶の全英オープンゴルフ日記D
伝説継承の裏側で…

 
「伝説継承の裏側で…」

 ゴルフの故郷で行われている、今年の全英オープン。大会2日目を終えて、いよいよ決勝ラウンドに残る精鋭たちが絞られました。これまで134回の歴史を積み重ねてきたTHE OPEN。その歴史に今日もまた、新しい1ページが記されることになりました。

 中継をご覧になった皆様はすでにお分かりでしょうが、今日のテーマは「伝説継承」。生きる伝説といっても過言ではないジャック・ニクラウス、最後の舞台。彼が選んだのはやはりセント・アンドリュースでした。大ギャラリーを引き連れ、行く先々で起こるスタンディングオベーション、そして大歓声。人々が彼に持っている敬意、ゴルフの国に生まれた人たちのゴルフを愛する気持ちが、画面を通して強烈に伝わってきました。18番のスウィルカン・ブリッジでの記念撮影から最後のバーディーフィニッシュも、彼だからこそ絵になるのかなあと思いながら見つめていました。

 そしてもう一人、今日の舞台に欠かせなかったのはやはりタイガーです。ニクラウスの引退メジャーにことごとく優勝で花を添えてきた彼は、この2日目も安定感抜群。トータル11アンダーで単独首位をしっかりと守りました。今大会で、もしかするとジャック引退メジャーは彼がすべて優勝をかざるという、いわゆる「ジャック グランドスラム」を達成するかもしれません。まさにタイガーこそがジャック・ニクラウスの伝説を継承するに値するといわれるのは、こうしたところからもきているんです。そういえば、ジャックは5ポンド札になりましたが、何十年か後には、タイガーも?お札に登場するかもしれませんね。

ジャック記念紙幣

 さて、今日はこうした中継に、裏側ということでもうひとつ付け加えてお伝えします。写真をみて、これがなんだか分かるでしょうか?これは放送席にあるモニターなんです。みなさん、実況・解説はどうやって喋っているか不思議に思ったことはありませんか?実は、放送席にはいくつもモニターがあって、これら全てを見ながら放送は進められているんです。真ん中にある一番大きなモニターがオンエア、いわゆる皆さんが実際にご覧になる映像と全く同じ映像が映っています。その右にあるのはリーディング。常に上位の選手の順位が映し出されています。さらに右側にはBBC(こちらの放送局)のモニター。ちなみにイヤホンをとおして英語の中継を片耳で聞きつつ、情報収集をしたりしています。あと、このモニターから次にどんな映像が映し出されそうなのか予測したりもします。ついでに一番左側にはテレビ電話の映像モニター。これには東京でつけられたテロップ(情報が書いてある貼り絵のようなもの)も映るため、今、視聴者の皆さんにむけてどんな情報が伝わっているのか私たちも確認するようにしています。今回はこれだけのモニターですが、国内で中継するときはさらに多くのモニターを置いて中継することもあります。

これがモニター群

 いずれにしても、本当に多くの人たちによって、そして本当に多くの機材によってゴルフ中継は行われているんです。皆の力の結集でいい中継を届けられるよう、あと2日、ラストスパートです。

第134回全英オープンゴルフ 放送予定
第1日 7月14日(木) 23:10−28:00
第2日 7月15日(金) 23:10−28:00
第3日 7月16日(土) 23:00−27:00(最終組ホールアウトまで放送延長予定)
最終日 7月17日(日) 21:00−26:30(優勝決定まで放送延長予定)
   
 
    
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