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3月26日   ワールドプロレスリング実況四銃士の闘魂コラム#108
〜3・6、新日旗揚げ35周年を迎えて〜

2007年3月6日、
新日本プロレス旗揚げ35周年を迎え、
後楽園ホールで行われた旗揚げ記念日の興行には
数多くのファンが詰め掛けました。
老若男女、幅広い層の方々がスタンドを埋めていました。
会場に設置された大型のモニターに
旗揚げ当時のアントニオ猪木、山本小鉄、木戸修、藤波辰巳、
レフリーのユセフ・トルコらの姿が映し出されると
会場にいる全員が視線を注ぎ、
アントニオ猪木対カール・ゴッチ戦を始め、
これまで紡がれてきた新日本プロレス闘いの歴史が次々流れ、
気がつくと実況を前に私も仲間のアナウンサーたちと共に
釘付けになっていました。
レスラーたちの圧倒的な存在感と躍動する姿、
そこに熱視線を注いで喜怒哀楽で応える大観衆・・・。
そして、その傍らにある実況アナウンサーの声。
五感を刺激して止まないシーンが続きました。

試合に先駆け行われたセレモニーの席上で、
功労者の一人としてプレゼンターの蝶野選手から
表彰を受けた山本小鉄氏が
「? amKOTETSU」と自己紹介した場面では
大いに笑わせて頂きましたが、
何だかそこにある景色にプロレスの奥深さを改めて感じていました。

その日行われた試合でも、
プロレス界の革命戦士・長州力は長州力であり続け、
マスクマンの原点とも言うべき
マシン軍団の一人スーパーストロングマシン、
平成維新軍を形成して一世を風靡した越中詩郎と小原道由、
闘魂三銃士として時代の先頭に立ってきた
軍団抗争のスペシャリスト蝶野正洋、
練習の虫として今も昔も忠実にストロングスタイルを継承する飯塚高史、
平成不況の只中で前へ前への推進力となってきた
永田裕志、中西学、天山広吉の第三世代、
といった古き良きプロレスの時代を知る彼らの闘いぶりは
決して色褪せることなく、後楽園ホールの
セルリアンブルーのマット上にあったからです。

そして今の時代を生き、これからの未来を切り開いていく
棚橋弘至、中邑真輔、真壁、矢野、石井、
伝統の第一試合を闘った裕次郎と平澤、
さらに、新日本35年の歴史を語る上で欠かすことのできない
ジュニア・ヘビー級のレスラーたち。
獣神サンダーライガー、金本浩二、タイガーマスク、
邪道・外道、稔、井上、田口、ミラコレ・・・
はたまた、闘いのグレードをワールドワイドなものにしてくれる
外国勢ジャイアント・バーナード、トラヴィス・トムコ。

戦後、高度経済成長期に生まれた日本のプロレスは、
お爺ちゃん、お父さんたち団塊世代のひとつの活力となってきましたが、
それは次の世代にも受け継がれ、
その次の世代にも受け継がれてここまできているんだなと
感慨に浸りながら担当の試合を実況し、他の試合も観ていました。
レスラーも観客も実況するアナウンサーも。
その空間が受け継がれてきているんだな〜と。
もちろん、人気の流行り廃りもありますし、
プロレスを故意に美化しているわけではありませんが、
歴史や伝統が継承されていくモデルケースのひとつとして、
近代日本社会の縮図として興味深い、
奥深い要素が満載だと感じるんですよね。
プロレス担当になってまもなく1周年、
いやいやまだまだ1周年ですが、その奥深さに迫る実況が
できるようになりたいと決意新たにする一日でした。

何だか勝手な感想文?日記?になってしまいましたが(苦笑)。。。


35周年を迎えた新日本プロレスのライオンマークと、
IWGP王者・棚橋弘至。
   
 
    
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