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1月18日   ワールドプロレスリング実況四銃士の闘魂コラム#100
〜1・4 東京ドームで見た皆既日食〜

2007年、新日本のリングに
VOODOO-MURDER:S(ブードゥーマーダーズ)がやってきた。
全日本プロレスを拠点に極悪の限りを尽くし、
日本マット界を荒らす最凶ヒール軍団で、
今、日本で最も悪い奴らと言われている。
彼らはこの1年余りの間に全日本、ノア、ハッスルと
プロレス・メジャー団体のリングを次々侵食し、その名を轟かせてきた。
どこまでも悪を貫きながらも、
去年のプロレス大賞では最優秀タッグチーム賞を受賞するなど
実力派軍団でもある。

そんな彼らが
新日本プロレス、全日本プロレス創立35周年記念と銘打たれた
新春のビックイベントに我が物顔で現れたのだ。
向けられた矛先は新日本プロレス現場監督・長州力。

引き金は去年12月2日の新日本・京都大会にあった。
突如として新日本マットに現れたVOODOO-MURDER:Sは、
新日本のリングのど真ん中で長州力を名指しして宣戦布告!
革命戦士と呼ばれた日本マット界の御大・長州力の首を狙い、
新日本のリングを荒らす。
大胆な行動に打って出るという彼ららしいやり方で
新日本にくさびを打ち込んだのだった。

そして迎えた2007年1・4 東京ドーム。

長州力、飯塚高史、中西学、山本尚史が
VOODOO-MURDER:Sを迎え撃つ形となった。
VOODOO-MURDER:Sは、ボスのTARU、諏訪魔、RO’Zに、
かつて全日本時代の旧友、現・新日本の
ジャイアント・バーナードを加えた4人。
売られた喧嘩を買った格好となった長州力率いる新日本本隊の4人は、
新日本のリングに土足で踏み込んできた外敵に対し、
怒れる長州力がTARUにリキラリアットを見舞った!
1度ではなく、2度、3度と・・・
さすがに「キレてないですよ」とは言わせない程のド迫力!
大胆不敵なVOODOO-MURDER:Sを征伐、
返り討ちにするかと思われたのだが・・・。
4対4の8人タッグマッチは、終始乱戦模様を呈していたが、
結果的には山本尚史が捕まり
諏訪魔のバックドロップホールドで沈められてしまった・・・。

そんな中、この試合を実況した私・櫻井も
VOODOO-MURDER:Sの洗礼を浴びた。
入場時にいつもTARUが会場中に撒き散らす「TARU水」が
放送席にも飛び散り、実況用ノートが水浸しに!
お隣の特別ゲスト・高山善廣選手もその例外ではなかった。
乗っけから冷や汗を掻かされると、
途中には「日本一の悪い奴ら」と実況した私の発言が気に障ったらしく、
放送席に襲い掛かり、頭からペットボトルの水をぶっ掛けられた!!

「いいか!よく聞け、俺たちは日本一じゃなくて、
世界一の悪だ!言い直せ!」

とTARU。
私は、素直に言い直した(苦笑)。
直後にハンディカメラが私の表情を映したが、
あまりの衝撃に動揺し、全くリアクションができなかった・・・。
不覚でした。

彼らの暴挙はそれだけに留まらなかった。
試合後の記者会見、インタビュアーだった
中村昭治アナも餌食となってしまったのだ。
会見場で諏訪魔に羽交い絞めにされて衣装を引き千切られた上、
頭上からTARUに大量の水をぶっ掛けられたのである。
その様子は某プロレス誌にも掲載されたほどだった・・・。
会見では、両軍ともに
団体の垣根を越えた抗争に発展することを匂わせていた。
今後の展開、動向から目が離せない。

かくして、VOODOO-MURDER:Sの企みは遂行されたのだった。
長州力の首を狩るという大命題こそ果たせなかったが、
残したインパクトは凄まじかった。
新日本プロレスをも侵食するVOODOO-MURDER:Sの黒い影、
それはまるで初春に上る太陽を覆い尽くす皆既日食のようであった。


諏訪魔は、東京ドームでも変わることなく悪行三昧!
   
 
    
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