7月の人事異動でアナウンス部の真鍋先輩が
アナウンス部を離れることになりました。
自分が念願かなってプロレス班に入ることになった時、
先輩としていろいろなことを教えてくれたのは
真鍋さんでした。
真鍋さんといえば・・・やはり大仁田厚とのストーリーを
忘れることはできません。首を絞められ水をかけられ
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散々な目にあいながらも奇妙な友情を築き上げ |
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ついに実況を担当することになるという「大仁田劇場」と
後に呼ばれる一連の事件です。
まだ私が見習いで、初めてプロレス中継のスタッフルームに
入った時のことです。
中継後のスタッフルームには闘いを終えた男たちの
程よい達成感と安堵感が漂っていました。
和気あいあいと今日の試合や実況のことを語り合っています。
そんな中、プロデューサーが声を上げました。
「みんな今日はお疲れさん。いい中継だったと思う。
次回も今日のようにいい中継になるように頑張ろう!!
あ、そうだ。真鍋は次回も着替えのスーツ一式持って来ておくようにな」
その声を受けて真鍋さんを見ると、
その日も真鍋さんは大仁田選手から水をかけられずぶぬれでした。
「はい」
とだけ応えた真鍋さんを見て、正直驚いたのを覚えています。
「えっ、あの毎回ずぶ濡れにされたり破られたりしている真鍋さんのスーツって
自前なんだ・・・」
事実、真鍋さんと大仁田選手にはあとにも先にも面識さえなく |

その後ずいぶん経ってから雑誌上で対談が実現しました |
試合後にインタビューに行くとなぜか毎回あのように食らわされていたのでした。 |
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しかし、泣き言ひとついわず真鍋さんは大仁田選手に真摯に
マイクを向け続けたのです。
それからも来る日も来る日も大仁田選手にやられ続けたのを
覚えている方も多いでしょう。しかしその耐える真鍋さんの
表情がファンの心をつかみ、大仁田戦の実況を担当させてくれと
直訴してプロデューサーの心を動かし、あの横浜アリーナ数万人による
「大・真鍋コール」へとつながっていくのです。 |
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アナウンサーが全ての観客から大声援を受けることなど
過去からさかのぼって現在に至るまでないことなのです。
根底に流れるのは真鍋さんの誠実さ、生真面目さ。
常に相手に正面から向き合い、どんな場面でも全力で
立ち向かう。だからこそ人は真鍋さんに対して心を開くのであり
本気で向かい合うのだと。 |

電流爆破実験・・・ありましたねぇ |
真鍋さんはアナウンス部を離れますが、彼の実況は残ります。
先輩たちが積み重ねてきた素晴らしい歴史の上に
自分たちがこれからどれだけ積み上げることができるのか。
古きを温め新しきを知る。
プロレス実況にも温故知新があります。
真鍋さん、新しい現場でもその誠実なひたむきさ全開で
頑張ってください。いつも心に闘魂を
これからの真鍋劇場を楽しみにしております。
FROMワールドプロレスリング班一同 |
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