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7月20日 真鍋劇場は続く


7月の人事異動でアナウンス部の真鍋先輩が
アナウンス部を離れることになりました。
自分が念願かなってプロレス班に入ることになった時、
先輩としていろいろなことを教えてくれたのは
真鍋さんでした。

真鍋さんといえば・・・やはり大仁田厚とのストーリーを
忘れることはできません。首を絞められ水をかけられ

 

散々な目にあいながらも奇妙な友情を築き上げ


ついに実況を担当することになるという「大仁田劇場」と
後に呼ばれる一連の事件です。

まだ私が見習いで、初めてプロレス中継のスタッフルームに
入った時のことです。
中継後のスタッフルームには闘いを終えた男たちの
程よい達成感と安堵感が漂っていました。

和気あいあいと今日の試合や実況のことを語り合っています。
そんな中、プロデューサーが声を上げました。

「みんな今日はお疲れさん。いい中継だったと思う。
次回も今日のようにいい中継になるように頑張ろう!!
あ、そうだ。真鍋は次回も着替えのスーツ一式持って来ておくようにな

その声を受けて真鍋さんを見ると、
その日も真鍋さんは大仁田選手から水をかけられずぶぬれでした。
「はい」
とだけ応えた真鍋さんを見て、正直驚いたのを覚えています。

「えっ、あの毎回ずぶ濡れにされたり破られたりしている真鍋さんのスーツって
自前なんだ・・・」
事実、真鍋さんと大仁田選手にはあとにも先にも面識さえなく



その後ずいぶん経ってから雑誌上で対談が実現しました

試合後にインタビューに行くとなぜか毎回あのように食らわされていたのでした。


しかし、泣き言ひとついわず真鍋さんは大仁田選手に真摯に
マイクを向け続けたのです。

それからも来る日も来る日も大仁田選手にやられ続けたのを
覚えている方も多いでしょう。しかしその耐える真鍋さんの
表情がファンの心をつかみ、大仁田戦の実況を担当させてくれと
直訴してプロデューサーの心を動かし、あの横浜アリーナ数万人による
「大・真鍋コール」へとつながっていくのです。


アナウンサーが全ての観客から大声援を受けることなど
過去からさかのぼって現在に至るまでないことなのです。

根底に流れるのは真鍋さんの誠実さ、生真面目さ。
常に相手に正面から向き合い、どんな場面でも全力で
立ち向かう。だからこそ人は真鍋さんに対して心を開くのであり
本気で向かい合うのだと。


電流爆破実験・・・ありましたねぇ

真鍋さんはアナウンス部を離れますが、彼の実況は残ります。
先輩たちが積み重ねてきた素晴らしい歴史の上に
自分たちがこれからどれだけ積み上げることができるのか。

古きを温め新しきを知る。
プロレス実況にも温故知新があります。

真鍋さん、新しい現場でもその誠実なひたむきさ全開で
頑張ってください。いつも心に闘魂を
これからの真鍋劇場を楽しみにしております。

FROMワールドプロレスリング班一同

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