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6月16日 ワールドプロレスリング・実況三銃士の闘魂コラム#

 
先日行われた東京ドーム大会は全試合終了後かつて味わったことのない
異様な空気に包まれていました。K−1VSプロレスと銘打たれたこの大会は
セミファイナルに”K−1最強日本人”武蔵VS
”新日本の若武者”柴田勝頼の異種格闘技戦、
そしてメインイベントには”K−1の野獣にしてIWGP王者”ボブ・サップVS
”新日本の選ばれし神の子”中邑真輔の試合が組まれていました。

結果は皆さんごらんの通り、柴田選手は武蔵選手のハイキックの前に
10カウントのゴングを聞きKO負け
中邑選手はボブ・サップのビーストボム2連発で3カウントを奪われ
はっきり言ってK−1の完勝に終わったのです。

2ラウンド、武蔵のハイキックに敗れた柴田勝頼 中邑、サップからベルト奪還ならず

「絶対プロレスが勝ってくれるはず」
その思いでスタンドを埋めた5万人のファンは声も出ません。
失意のうちに家路を急ぐ人並みなのですが、なんとなく
「あれだけやられたら負けてもしょうがないか」みたいな
空気が漂っているのです。こんな空気初めてです。
納得、というかあきらめ、というかそんな空気。
確かに立ち技有利な今回の異種格闘技ルールだったし
ボブ・サップ選手も桁外れの強さでした。だからかもしれませんが
「スゴイものを見た」満足感が漂っていたのです。

しかし僕は確かに感じました。「このままでは絶対に終わらない!!」
というリベンジに燃える執念の空気のようなものを。
ファン一人一人が唇をかみしめ「次こそ勝ってくれるはずだ」
と祈りに似た感情の炎をくすぶらせていることを。
プロレスラーは負けても立ち上がり、勝つまでの過程で最も
光り輝くと言われています。東京ドームのお客さんは
また試合会場に足を運び選手に声援を送るはずです。
それがプロレス、一番すげえのはプロレスと
僕が信じるのはそこなのです。

   
 
    
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