担当者
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佐藤ちひろ
こんにちは!
毎週土曜日11時から放送している
バスケットボールを応援する番組
「バスケ☆FIVE」を担当している佐藤ちひろです。
多くのバスケ選手を取材していく中で、
試合の日に身体を最高のコンディションに整えることが、
本当に難しいということを実感しています。
そんな選手たちが戦う姿には、とても素敵な魅力があります!
そんな素敵な選手たちの魅力を十分に伝えるために、
アナウンサーも試合の日に合わせて
入念な準備をしていることをご存知でしょうか?
今回は、アナウンサー3名に、
“絶対に負けられない戦い”に向けて行ったコンディションづくりについて
話を聞いていきます!
まずは、三谷紬アナウンサー
三谷アナにとって“負けられない戦い”は、どの試合でしたか?
2022年12月2日に行われた
サッカーワールドカップ第3戦
日本対スペインの戦いです。
スペインに逆転勝利した試合ですね!!
逆転のシュートが決まった時は興奮して、
思わずガッツポーズして、「よしっ!」って叫んでいました(笑)。
サッカーワールドカップ第3戦
日本対スペインの試合は本当に感動的でした!
さて、三谷アナはこの試合に向けて
どんな準備をしたのでしょうか?
日本代表の選手たちはもちろんのこと、
誰がスタメンになってもおかしくないスペインの選手を
とにかく念入りに勉強しました。
スタジオでお伝えする上で「私が知らない」というのは
もってのほかだと思ったので、時間の許す限り、
とにかく選手と戦術の勉強に全力を尽くしました。
そうですよね。
スポーツの現場では、予想外の試合展開になることが多く、
どんな出来事にも臨機応変に対応していくことが求められます。
周到な準備が、
アナウンスの質を向上させる上で
非常に重要なのですね。
次は、三谷アナがこの大事な一戦のために準備した持ち物を教えてください!
勉強のために自分で作成した資料と
ワールドカップ公式の雑誌は、
全ての試合で欠かさずスタジオに持ち込んでいました。
この一戦のために準備した持ち物としては、
「対戦相手を食う!」という意味合いを込めて、
スペイン料理を持ち込みました(笑)。
お~!!勝利の験担ぎ!
豪快な一口ですね!!
この時はどんな気持ちでしたか?
また、オンエア前のルーティンがあれば教えてください。
ドイツに勝ち、コスタリカに負けた日本。
決勝トーナメント進出には勝つしか道はありませんでした。
だからこそ、私も日本代表の一員かのような気迫と、
勝利を信じる気持ちを持って臨みました。
オンエア前のルーティンとしては、
スタジオの緊張感を和らげるために早めに入って、
出演者の方と雑談をするようにしていました。
オンエア前からスタジオメンバーとの関係性を構築することで、
本番で円滑なスタジオ進行ができます!
出演者のお人柄を知っていると、
オンエア中にどういう話を伺えば良いのかが分かるので会話がはずみますよね!
オンエア前の雑談が、オンエア中に生きてきて、
円滑な進行に繋がった経験が、わたしにもあります!
ところで、わたしはオンエア前は緊張でご飯が喉を通りません。
大事な一戦に臨む三谷アナも緊張していたと思うのですが、
しっかり食べられましたか?
繰り返しになってしまいますが、「スペインを食う!」ということで
スペイン料理の代名詞“イカ墨パエリア”を
お腹いっぱい食べました!!!(笑)。
第1戦、ドイツ戦の時にプレッツェルを食べて日本が勝ったので、
ある種の験担ぎです。
試合直前に食べることに意義があると感じていたので、
事前に時間指定でデリバリーをお願いして、
スタジオに入る直前に食べました(笑)。
スタジオに入る直前でもお腹いっぱい食べられるなんてすごいです!!
わたしも三谷アナの大胆さを見習います!
最後に、“負けられない戦い”に臨んだことで
学んだことを教えてください!
試合中は、実況アナウンサーが試合展開を情熱的にお伝えする、
そしてハーフタイムはスタジオ進行のアナウンサーが「頑張っている選手の情熱を伝える」ことで、試合で作られた視聴者の熱を冷まさずに、後半の試合開始に繋げる。
「それがスタジオの役割なんだ!」ということを、強く感じることができる一戦でした。
スタジオ進行のアナウンサーはある種達観し、物事を客観視することも必要ですが、
それ以上に一ファンとして情熱を持っていることが非常に大切なことだと考えています!
佐藤ちゃんもバスケワールドカップ、
その底知れないバスケ愛を爆発させてスタジオ進行、頑張ってね!
ありがとうございます!
三谷アナのサッカー愛をいたるところで感じられ、
当時はネイルの色もSAMURAI BLUEで素敵でした!
わたしも三谷アナのサッカー愛に負けないぐらい、
バスケ愛を爆発させて突き進みます!
続いては、林美沙希アナウンサー
林アナの“負けられない戦い”はいつでしたか?
2021年10月12日のサッカー日本代表のアジア最終予選、
オーストラリア戦の日です。
カタールワールドカップ出場がかかった大事な一戦で
中継に携わることになり、こちらも負けられない戦いをしていました。
この試合の勝利があったからこそ、
去年のサッカーワールドカップの盛り上がりが生まれました!
そんな重要な一戦に向けて、林アナはどのような準備をしましたか?
特別に購入したものなどはありますか?
サッカーのお仕事は新人の頃以来でしたので、
とにかく選手に関する情報や現況などを調べてノートにまとめました。
購入したのはノートくらいだったと思います。
自分で情報を調べて、ノートにまとめることって大事ですよね。
手書きで情報をまとめることで、知識が頭にしっかりインプットされて、
自信を持ってアナウンスできるようになりますよね。
大会前日はどのように過ごしていましたか?
私の場合、前日は緊張で何も手につかなくなり、
眠れなくなってしまいます……。
日中は、ジムに行ってしっかりトレーニングをした後、
作ったノートで最終確認をしてオンエアに備えました。
夜寝る前には、ルーティンのお風呂後のストレッチをした後、しっかり眠りました。
昔からの夜型が直せないので、寝る時間は遅くなってしまうのですが、
寝つきは良いです。
特に、睡眠環境が大事だと考え、マットレスと枕を良いものに変えてから、
元々良かった寝つきがさらに良くなりました(笑)。
選手たちも、
“睡眠と食事は本当に大事”
それに気づけるか気づけないかでパフォーマンスの質が全く違ってくる、
とおっしゃっていました!
私も夜型で睡眠時間が短くなりがちなので、
林アナのように睡眠の質を上げていかなきゃですね。
食事はしっかりとれましたか?
あの日は、スタジアムに向かう途中の車の中でヨモギ餅を食べました。
普段はあまり甘いものを食べないですが、
オンエア前後は甘いものが無性に食べたくなります。
甘いものを食べたくなる気持ちすごく分かります!
私の場合は、オンエア前は緊張であまり食べたいと思えないのですが、
オンエア後はその反動で、夜中でもたくさん食べすぎてしまいます(泣)。
当日はどんな気持ちで仕事に臨みましたか?
もちろん自分の緊張もありますが、主役は選手たち、試合です!
しっかり盛り上げられるよう、自分自身がまず楽しもうと思いました。
アナウンサー自身が試合を楽しむことも、
視聴者にスタジアムの熱気を伝える大切な方法ですよね。
私は、しっかり伝えなきゃと緊張するあまり、
試合を心の底から楽しめていない部分がありました。
今後は、「このスタジアムの誰よりも試合を楽しんでいる」と思えるぐらい、
楽しみながらアナウンスしたいと思います。
最後になりますが、この大事な試合に携わったことで学んだことを教えてください。
代表戦をスタジアムで見たのは初めてだったので、
緊張と興奮と楽しさと不安と様々な感情が入り乱れていました。
代表戦の本番は川平慈英さんや松木安太郎さんと一緒だったのですが、
常に場を盛り上げようとしてくださるお二人。
緊張感ある中でも、そんな状況を楽しめるくらい余裕をもつことは
大事だなと学ぶことが出来ました。
林アナでも初めての時は緊張や不安があるのですね!
皆さん初めてのことでも緊張しているようには見えないので、
私と一緒なんだと分かってホッとしました(笑)。
私も緊張感のある状況を楽しめるぐらいの度胸を身に付けなきゃなと思いました。
そして、最後は久保田直子アナウンサー
久保田アナの“負けられない戦い”はいつでしたか?
これまで、負けられない場面は沢山ありましたが、
特に2016年のリオデジャネイロオリンピック・
2020年東京オリンピックが強く印象に残っています。
東京2020オリンピック
日本は過去最多のメダルを獲得しましたね!
五輪期間中、毎日テレビをワクワクしながらつけていました!
この中継に向けて行った久保田アナの努力を教えてください!
努力なんて言えたものではないです~!!
ただ、リオの時と東京の時、大会期間に向けた過ごし方は敢えて変えました。
リオは初五輪という事もあり気合が入り過ぎて、
五輪期間に入る数か月前から「取材&準備」一色の生活。
一生懸命準備する事は必要ではあるのですが、
自分で自分を追い込み過ぎて常に緊張状態が続く状態でした。
それもあってか現地に行ってから、2日間声が出なくなってしまったのです……。
そんな経験もあり、本番で目の前の事にグッとギアを入れ集中できるように、
東京の際は準備段階で「普段通り過ごす」「しっかり休む日もつくる」事を
心掛けました。
そんな大変なハプニングがあったのですね……。
「視聴者により良いアナウンスを届けたい」という情熱を持って、
ストイックに探究することはとても素敵なことだと感じます。
しかし、自分を追い込み過ぎると、
オーバーワークにより本番で自分の本来の力を出し切れないことがある……。
本番に向けた調整の難しさですよね。
久保田アナの言うように、気合が入りすぎてしまいそうな場面では、
あえて「普段通り過ごす」「しっかり休む日もつくる」事を意識することで、
自分を追い込み過ぎないよう対策を取ることも大切なのですね。
五輪に向けて購入したものはありますか?
「リュックサック」「汗をかいても目立たない洋服」「歩き続けても疲れない靴」です。
取材、スタジオ進行、中継などが続くので、
五輪会場周辺を動き回りやすいものを選びました。
特にリュックサックは毎日背負っていたので、今も使うと思い出します。
五輪のために選り抜いた品々を身に付けていたのですね!
良いアナウンスをするには、道具に気を配ることも重要なのですね。
五輪期間を毎日一緒に過ごしたリュックサックは、一生の宝物ですね!
中継の前日はどのように過ごしましたか?
長い大会期間中、どうしても取材陣の中でも疲れなどで
ピリリッとしてしまう事があるんですよね。
そんな空気を和ませられたらいいな……と、
誰かにちょっと差し入れできる駄菓子を選んでいました。
その時間も自分の息抜きになりました!
忙しい中でも周囲への気遣いを忘れない姿は本当に素晴らしいです!
より良い番組を作るにはチームプレーが大事ですから、
良い雰囲気を作ることも、アナウンサーとして大事な役割の一つなのですね。
食事はしっかりとれていましたか?
自分が食べたい物を食べていました。
リオで声が出なくなった際に、
松岡修造さんにいただいたマヌカハニーを舐めていたら
喉の痛みが落ち着いてきたように感じたので、
東京の時もリュックの中に入れていました。
苦しいときに救いとなったアイテムは、お守りにもなりますよね。
わたしも久保田アナから教えてもらった
おすすめののど飴をいつも持ち歩いています!
調子が良くないと思ったときに舐めて、気持ちをリセットするようにしています。
中継にはどんな気持ちで臨みましたか?
東京五輪を担当するにあたり、先輩方に大事な言葉を沢山もらったんです。
「東京五輪は歴史に残る大会、余す事なく見尽くしたらいい。
会場で見る事ができるパスをもっているありがたさを感じて!」
「東京五輪を自分の感性で噛み締めて!“人生の宝”になる。
選手に真摯に向き合う事を忘れずにね」
特にこの大会は無観客で、ほとんどの方がテレビ中継で観戦するしかない状況。
パスをもらえている私はどうあるべきか、考え続ける毎日でした。
自分の中でこれだけはと決めたのは
「選手に向き合うことはもちろん。
来られなかった観客の皆さんの気持ちを考えて言葉を選び、届ける」という事。
これに尽きました。
観客の皆さんの気持ちを考えて、久保田アナは言葉を選んでいたのですね。
わたしはともすれば自分本位な言葉で、
試合の様子を伝えようとしてしまうことがあります。
今後は、もっと相手の立場や視点に注意し、
言葉を選び伝えていこうと思いました。
そして最後にこの経験から学んだことを教えてください。
「たまには休む」、「普段通り」です!
普段しない特別な事をすればするだけ、
自分を緊張させてしまうのだと気付きました。
それでも、まだまだ緊張はしますが~(笑)。
久保田アナでもやはり緊張はするのですね(笑)。
情報を一気に詰め込む方法もありますが、
普段から自分のペースを保ちつつ学びや経験を積み重ねていくことも、
良い結果につながるのかも知れませんね。
わたしも番組で100%の力を発揮できるように、
自分なりのリラックス法を見つけ、
プレッシャーを楽しめるぐらいの心の余裕を持てるよう頑張ります!
今月25日から始まるバスケワールドカップまで
あと16日!
8月25日 日本×ドイツ 日本テレビ中継
8月27日 日本×フィンランド テレビ朝日中継
8月29日 日本×オーストラリア テレビ朝日中継
わたしも中継を担当します!
沖縄で行われる熱い戦いをぜひお見逃しなく!