アナウンス部ch

  1. top
  2. アナウンス部ch.
  3. バックナンバー

2021/12/15 外国語を学ぶということ

今年も早いもので、
もう12月も半ばですね。

“Joyeux Noël”
“Feliz Natal”
これは、それぞれフランス語とポルトガル語で
“Merry Christmas”です。
世界には数多くの言語が存在していて、
似ているものもあれば、まったく違うものもあり、
それぞれの表現があります。
そして、その言語を話す人達がいて、
そこには各々の文化があると考えると、
外国語を学び、コミュニケーションの幅が広がることは
目の前の世界が広がることなんだと改めて感じます。

今回は、アナウンス部の中で、
“留学”をして、
日本とは違う環境に身を置き、
外国語を学んだアナウンサーに取材しました。

まずは、フランス語を学んだ、
久保田直子アナウンサーです。

久保田アナは何故、フランス語を学ぼうと思ったのでしょうか。


久保田アナ

小学生の頃、ブラジルからの留学生が我が家にホームステイしていました。
いつかは自分も!という思いがあり、高校生でロータリークラブの留学プログラムに応募。
数多くの留学先(アメリカ本土・ハワイ・フィンランド・デンマーク・インド・ニュージーランド・タイ・ブラジル・ドイツ・スペイン・メキシコ)から希望の国を選べる中、
「チーズ・パンが美味しくて、フランス語の響きが格好良いから!」という、
今考えると……おそろしく単純な理由でフランスを選びました。若さゆえ!?



留学先フランスリヨン

フランスのチーズとパン、種類も沢山あって、凄くおいしいですよね(笑)
言葉を学ぶために外国に行くうえで、
食べ物が合う合わないは、その土地での生活に大きく関わってくると思います。

英語は学校でも授業がありますが、
フランス語は自分で勉強しない限り、あまり触れない言語ですよね。
留学前はどのように準備していたのでしょう。


久保田アナ

0からのスタートだったので、まずは文法から!
フランス語の塾に半年間通い、本当に基礎の基礎だけ勉強していきました。
(それだけで、よく留学したな‥)

では、現地に行ってみて、「言語」という意味で
どんな難しさがあったのか聞いてみました。


久保田アナ

とにかくまず単語がわからない!
フランス語は特に、男性名詞と女性名詞があって、
その名詞につく冠詞や形容詞なども変わってくる……
もうチンプンカンプンですよ。
あと発音!微妙な違いがあるのですが、日本人の私にとっては同じに聞こえる……
正しい発音ができないと、相手に全く伝わらない!
例えばeuとou。どちらもカタカナ表記で「ウ」。
繊細な口の動きで違いを出さなければいけません(勘弁してよ……)


ブラジル人留学生クラウディアと久保田アナ


久保田アナ

1年の留学期間のうち、
半年間は午前中に語学学校、午後から現地の高校に通っていました。
でも、とにかくまったく聞き取れない、話せない毎日。(そりゃそうだ!)

朝は聞き取れないけれど、ラジオのニュースを聞きながら朝ごはんを食べ
語学学校と高校で耳にした新しい単語は、聞こえたままカタカナ表記でメモ。
ホームステイ先に帰宅後、
ホストファミリーに教えてもらい、寝る前に自分なりの辞書を作っていました。
「Ça veut dire quoi ?(これはどういう意味?)
「Qu'est-ce que c'est?(これは何?)」

↑この言葉、毎日どれだけ繰り返したことでしょう!
翌日、覚えたばかりのことばを使っていましたね。

一番効果を感じたのは、人のモノマネ!
留学仲間と、語学学校や高校の先生のものまねを飽きもせずまぁよくやっていました。
あとは、クラスの友達の前でテレビCMのモノマネなどを披露して笑ってもらうことから、
皆の会話に入れてもらいました。
一緒に行動してくれて、その発音はもっとこうした方がいいよなど、
アドバイスをくれた同級生には感謝!です。
あだ名もつけてもらいました。
「なおこ」という響きがココナッツ「noix de coco(ノア ドゥ ココ)」に似ていたようで「ナオコッコ」と呼ばれていました。



留学時のメモやノート

久保田アナのあだ名、凄くかわいいですね!
久保田アナの話を聞いて、
私もベルギーの高校の先生に、
「今日覚えた言葉を明日使いなさい。そうすれば覚えられるから」
と教わったことを思い出しました。

続いて、
ポルトガル語を操ることができる、
駒見直音アナウンサーにも
話を聞きました。

まず、ポルトガル語を勉強しようと思ったきっかけは?


駒見アナ

「言語を選んだ」というよりも、
「ブラジルに行きたかった(留学したかった)から」
必然的にポルトガル語がついてきた感じです!(笑)
実は、私は久保田アナと同じ機関を利用して留学しました!
勝手に久保田アナに親近感を抱いています(笑)
では、そもそも、なぜ留学先にブラジルを選んだかというと
「周りの人が留学先として選ばない場所に行きたい」
という思いがあったからです!(笑)

確かに、身の回りで「ブラジルに単身で留学していた」
という話はあまり聞いたことがありません!
勇気のある行動ですね!
留学前の準備を聞くと……


駒見アナ

「ポルトガル語を覚えてから出発したいな」と思っていたのですが、
教えてくれる方が周りにおらず……。
"bom dia(おはようございます)"だけを覚えてブラジルに渡りました。
今思えば、かなり無謀なことをしていました。

ブラジルに実際に行ってみて、どうでしたか?


駒見アナ

初めの3ヶ月は全くポルトガル語を話すことができずに苦労しました。
何も覚えずにブラジルの地を踏んだ私ですが、
いざ到着して英語でコミュニケーションを取ろうとすると……
全く通じないではありませんか?!
流石に、「これはまずい……。これから一年どう生活しよう。」と思いましたね。
そんな時、ホストマザーが子供用の絵本をプレゼントしてくれて、
そこに出てくる簡単な単語を一つ一つ覚えていきました。
そうすると徐々にコミュニケーションが取れるようになり、
友達の輪が広がっていきました!


現地の学校での駒見アナ

日本で教育を受けた人にとっては
一番なじみのある外国語の英語がそんなに通じないなんて、
想像しただけで、血の気が引いてきそうです。
ホストマザーの優しさが伝わってきました!

留学の中で、
どうすればコミュニケーションをとれるようになるだろうかと試行錯誤し、
言葉を身に付けていった2人。
外国に行くという行動と、その努力の先で、
何を得たのか聞いてみました。


久保田アナ

留学中は、ホームステイ先や高校で、
精一杯の力をふり絞って自分の想いを伝えようとしていました。
そのため、今でもフランス語を話そうとすると、
とても感情豊かで、リアクション大き目、精一杯な熱い自分がでてきます。
無謀にも1人でフランスに飛び込んだ、ココロが自由な自分!
どんなに大人になっても、アナウンサーになっても影響されない、もう一人の自分がいる。
なんだかフシギな感覚です。
私がフランス語で話しているところを見たら、皆さんちょっと笑ってしまうかな……

そんな留学経験があるからこそ、
コンビニエンスストアなどで笑顔で精一杯働く海外の方を見ると
「日本語お上手ですね!すごい!」と話しかけてしまうことがあります。

あとは、ホストファミリーや留学先の友人ですね!
フランス語が話せない私に、
ゆっくりとわかりやすく話しかけてくれた皆さんとの繋がりは
一生モノです!



ホストファミリー



現地の高校の友達


駒見アナ

ズバリ、"サンバとの出会い"です!!
帰国して1年後、大学入学を迎えました。
それまで剣道を10年近くやってきましたが、
「大学では新たなことを始めたい」と思っていました。
そんな時に新歓イベントでサンバサークルと出会い、いざ見学しに行くと……
体の芯にまで響く打楽器の演奏と、
華やかな衣装を見に纏ったダンサー達のパフォーマンスに魅了され、
正に雷に打たれたような衝撃を受けました。
いざ入部すると、
ポルトガル語が話せたということもあり、
メインボーカルとして活動させてもらうことになりました!
仲間達と共に大会優勝を目指して歩んできた道は、
かけがえのない思い出として私の心に刻まれています。


サンバのボーカルを務める駒見アナ

久保田アナも駒見アナも
言語を学ぶために行動することで、
その後の人生にとって大切なものを得ていました!

では、今の仕事においてはどうでしょうか。
久保田アナはフランス語が活かされた経験があります!


久保田アナ

チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」の取材でパリに行かせてもらい、
現地の職人の方からお話しを聞くことができました。
リオデジャネイロオリンピック・東京オリンピックでフランス語圏の記者の方々とは
ほんのすこ~しですが、コミュニケーションをとることができました。英語がほとんど話せないので、これは助かりました。

駒見アナは今年入社したばかり。
これからどんな仕事に繋げていきたいですか?


駒見アナ

ポルトガル語圏として有名なのは、ポルトガルとブラジルですよね!
そして、この2カ国と言えば……
やはりサッカーなのではないでしょうか!!(あくまでも個人的見解です。笑)
もし可能であれば、
世界的に活躍されているクリスティアーノ・ロナウド選手やネイマール選手に
インタビューしたいです。
まずはサッカーのルール、そしてポルトガル語を勉強し直します(笑)。


ハロウィーンでしょうか?(笑)

もし駒見アナが2人にインタビューする機会があったら、
私も欧州サッカーのサポーターとしてその2人に会ってみたい!!
横で見学したいです(笑)

フランス語とポルトガル語で
この時期に使えそうなものを聞きました。
“Merry Christmas”が終わったら、“A happy new year”ですね


久保田アナ

Bonne année !


駒見アナ

Feliz ano novo!

学生の方は冬休み、
働いている方は年末年始でお休みになりますよね。
そんな時、海外ドラマなどでは
「have a nice holiday, take care」(良いお休みを!気を付けて)
なんて聞きませんか?


久保田アナ

Bonnes vacances
Prends soin de toi.


駒見アナ

Tenha um bom feriado!
Se cuide.

外国語を学ぶこと、
習得するまでは
長く、時には険しい道のりかもしれません。
その中で、
人とのつながりが生まれたり、
思いがけない自分を見つけたり、
言葉を話せるようになるだけでなく、
かけがえのないものを得る事ができるんですね。