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2021/05/19 ABEMAの世界

入社2年目の佐々木一真です!
今回からアナウンス部ch.のメンバーに加わります。
よろしくお願いします!

今回のテーマは『ABEMAの世界』です!

テレビ朝日とサイバーエージェントが共同事業として
2016年に始めたAbema TV(現:ABEMA)

「テレビ」と「ラジオ」を兼営している放送局は全国各地にありますが、
「テレビ」と「インターネットTV」のスタジオが同じ社屋にある
放送局はとても珍しいのでないでしょうか。

そこで今回はABEMAの番組を担当するアナウンサーに
ABEMAの魅力や、ネットメディアならではの苦労を聞いてきました!

まずは、朝7時から放送している
ABEMA Morning(通称:アベモ二)

月~水曜日を担当しているのは
並木万里菜アナウンサーです。


佐々木

アベモ二はどんな番組ですか?


並木アナ

アベモニは「顔が見えるラジオ」のような番組です。
テーマを設けて視聴者の方からのコメントを募集し、番組の最後に紹介するコーナーがあるのですが、コメントを通して見ている皆さんと一緒に同じ瞬間を過ごせるので一体感が生まれるところが魅力です。

『今日も一日頑張ろう~!』と思っていただけるような会話ができたらと思っています。
私自身、毎週10番組ほど聴くくらいのラジオ好きなので、
早朝ラジオだと思って楽しんでいます!


佐々木

視聴者と一緒に番組を作っていくというのは
コメント機能があるABEMAならではかもしれませんね。
並木さんが、今後アベモ二で挑戦してみたいことや企画はありますか?


並木アナ

SDGsに関する企画をやってみたいと思っています。
ABEMAユーザーは若年層が多く、その若い世代を中心にいまSDGsの意識が高まっているなぁと感じます。
SDGsの広まりで、植物性の食品や環境に優しいものが最近身の回りに増えてきていると感じます。選択肢がたくさんあることに気づいたら
見かけたときに手に取ってみようかなと思うこともあるかもしれませんよね。
私自身ドキュメンタリー映画がきっかけで2年前からビーガンに興味があります。
視聴者の皆さんとSDGsについて一緒に学び、考え、行動していくことを目指せる企画にチャレンジしていきたいです。


佐々木

確かにSDGs…って最近よく見聞きするけれど、実際何をしたらいいんだろう?
と思ってしまう人多いと思います。
並木さんプロデュースのSDGs特集楽しみにしています!

続いて
ABEMA NEWS!

火曜日と木曜日を担当しているのは
矢島悠子アナウンサーです。


佐々木

4月から午後のABEMA NEWSが変わったと聞きました!


矢島アナ

これまでは定時ニュースをひとりで伝えるスタイルだったのですが、
4月からは、アベマキャスターの楪さんもしくは辻さんと一緒にフリートークをしながらお伝えするスタイルに変わりました。
今はドキドキとわくわくで、あっという間に時間が過ぎていく感じです。


佐々木

フリートークをしながらニュースを伝えると聞くとラジオに近いのかなと思ったのですが
地上波の番組と意識的に変えているところはありますか?


矢島アナ

地上波は「短い時間に端的にしゃべる」ことが多いですが
ABEMAの番組だと長時間「ながら聞き」「ながら見」している方も多いと思うので
聞いていて疲れないようなしゃべり方を意識しています。

声を張り上げるような、いわゆるアナウンサーらしいしゃべりをやめることを
目指してます。ただ、長年訓練されているので、つい張ってしまうのよね……
張らないって、簡単そうで実は結構難しいです。ただいま絶賛「張らない」訓練中です!


佐々木

新人アナウンサー研修では、とにかく声を出せ!と教わったので張らない声でニュースを読むのはかなり難しそうです。
これからどんな番組にしていきたいですか?


矢島アナ

担当する時間は午後2時~午後5時すぎという、不思議な時間なんですよね。
「どんな人が見ているんだろう」と想像してもちょっと絞り切れない。
考えてみるとこの時間帯って何かやっていたことが一段落するような時間だと思います。
コーヒー片手に、ひと休みしている人のお供になるような……
ゆるゆるしていて、ときどきためになるそんな時間を目指しています。

ぽけ~っとした時に皆さんもABEMAのアイコンをポチっとしてみてください!

続いては、月~金曜日の夜9時から放送している
ABEMA Prime(通称:アベプラ)

アベプラといえばカンニング竹山さんや
2ちゃんねるの創設者である ひろゆきさんなど

個性豊かな日替わりMC陣に加え、
日々様々なゲストが登場し、
激しい討論に発展することも珍しくありません。

私も、アシスタントの代役を
1日だけ担当したことがあるのですが
トークのテンポがとても速く
会話についていくだけで
必死だったことをよく覚えています……。

そのABEMA Primeの司会・進行を担当しているのが
平石直之アナウンサーです。

今回、平石アナのとある1日に密着し、
放送に向けてどんな準備をしているのか
取材してきました。

午後5時半
スタッフルームで打ち合わせが始まりました。


郭プロデューサーと平石アナ


佐々木

アベプラの打ち合わせや準備にはどんな特徴がありますか?


平石アナ

一般的なニュース番組の打ち合わせは「どれをそぎ落とすか」が中心で、内容をぎゅっとまとめる方向に進みます。
ただアベプラは、全てのことを一旦広げて考えてみたうえで、番組の方向性を定めますし、実際には本番で蓋を開けてみるまで、議論がどう転んでいくのか分かりません。
そのため、自分がコメントするところだけわかっていればいいというわけにはいかず、
あらかじめ幅広く確認しておかなければならないので、
事前の打ち合わせや準備は大変ですね。


佐々木

確かに平石さんの前には、机いっぱいに資料が広がっています。
膨大な量の資料ですが……これはいつから準備をしているんですか?


平石アナ

基本的には、放送が終わった瞬間から翌日の放送に向けた準備が始まります。
帰宅する前に翌日の資料や出演予定のゲストの本などを受けとりますので、
帰宅しながら準備に取り掛かります。
逆に言うとそうしないとこの量をこなしきれないんですよ。
特に平日は、準備→本番→準備と絶え間なく続いていく感じですね。


佐々木

翌日のオンエアまで丸1日もないのに
ゲストの本まで読んでいるんですか!?


平石アナ

まず出演者やゲストの本を予め読んでおくことは相手の方への最低限のリスペクトだと思っています。進行の中でさりげなく「本にもこう書いてありましたけど……」と添えると相手も気分よく話してくれます。
それから本は既にアウトプットされているものなので
本にあったフレーズをそのまま抽出して、進行をする途中に添えていくと話の論点や主張が格段に分かりやすくなります。
スタッフに「本があるなら本を貸して」とお願いするほど、
事前に本を読んでおくのはとても重要な準備ですね。


佐々木

なるほど……
どんなに議論がヒートアップしても、全く取り乱すことなく進行する平石さんは事前にこんなにも入念な準備をしていたんですね。

打ち合わせが終わると平石アナは社内の食堂へ。
食堂の本日のスイーツ(プリン)を食べ終えると
スマホを取り出して何かを始めました。


佐々木

平石さん、何をしているんですか?


平石アナ

オンエア前に、必ず自分のTwitterを更新しています。
Twitterはアベプラを担当したことをきっかけに始めました。
これまで地上波では漠然とした「集団」で見えていた視聴者がTwitterを使うことで「応援してくださる方」「是々非々でご意見・ご感想をくださる方」「私を嫌いな方」など1人1人が解像度高く見えるようになりました。

今でも放送中からお叱りを含めて様々な声が直接私のもとに届きますが、
『自分はどう見られているのか』を客観視する貴重なツールです。

自分で「あの時割って入って話を進めたのは良かったんだろうか」と判断がつかないこともあるのですが、
Twitterのリアクションがあると、あの進行は正解だったんだなとか、
逆にあそこはもう少し話を聞くべきだったなとか反省することができます。
今では私自身にとって欠かせないものになっていますね。

午後9時 オンエアが始まりました。


今日も現役国会議員がゲストとして参加し
白熱した展開に。


リアルタイムでどんどんコメントが寄せられます。

午後11時 オンエアが終わり
平石アナがアナウンス部に帰ってきました。


佐々木

お疲れ様でした!


平石アナ

お疲れ様でした!
今日も本当に難しかったです(笑)。
オンエアが終わったら、よく自分の放送を見返していますよ。


佐々木

平石さんは、今年でアベプラを担当して3年目ですが
手応えは感じていますか?


平石アナ

手応えを感じるようになってきました。
年々自分の中でも面白さが増してきている気がします。

アナウンサーになって今年で25年目で、
取材・中継・MCと一通りのことは経験してきて
この年になってキャパオーバーになることは減ってきました。
けれどアベプラは出演者も毎日入れ替わるし準備も膨大で
今でもいつもキャパオーバーです(笑)。
ただその分、かなりやりがいも感じていますよ。


佐々木

ズバリ!アベプラの魅力とはどんなところでしょうか?


平石アナ

アベプラは毎日2時間の生放送ですが
番組の構成はとてもシンプルで、1つのニュースや特集を大きく構えます。
これは地上波のニュース番組と大きく違うところでもあります。

幅広く網羅してお伝えすることは地上波に任せて
「狭くても良いので、大事なポイントをとことん深くやる」というのが番組内での共通認識です。
だから出演者やゲストには、言いたいことを思う存分話してもらいます。
そうして本音と本音がぶつかり合ったことで生まれる化学反応こそアベプラの醍醐味ですね。


佐々木

私自身もアベプラを見ていて、教育問題や貧困、金融リテラシー
メディアの役割の検証など、斬新なテーマ設定が多いなと感じていました。
これまで考えたこともなかったようなことがメインテーマになっていることもあります。

ただ、どうしても放送尺は限られているので、深堀りした結果時間切れになってしまい、
「議論は白熱したけど中途半端なところで終わってしまったな」と不完全燃焼になることはありませんか?


平石アナ

それはあります。でもそれでいいと思っていますし、時間が足りなければまたそのテーマでやればいいくらいの気持ちでやっています。

それにアベプラは
「両者はどうして分かり合うことができないんだろう」
「どうして今なお解決できていなんだろう」
ということを
みんなで見つめ、考える番組にしたいと思っているので、
そもそも分かりやすい解説を時間内にまとめることを目指していないんですよ。

目指しているのは番組が終わった後に
「なるほど、その立場から見るとそう見えているのか、だからこういう意見なんだ」と
自分の中の考えが変わったり、新しい気づきが得られたりする内容ですね。

見ている人の価値観が変わるような番組って、
とても存在意義が大きいのかなと思います。


佐々木

なるほど。
ニュース番組というと「分かりやすい解説」を追求するイメージがありますが
アベプラの場合は「新しい視点見つけるきっかけになる」という全く違う目標に向かって、番組が作られているんですね。
バックグラウンドを知ると、今後より番組を楽しめそうな気がします。

最後に平石さんの今の目標を聞かせてください。


平石アナ

「アベプラだから見たい」と思ってもらえる人を増やすことですね。
アベプラはこれまでになかったスタイルのニュース番組だと思うので
その魅力をもっとたくさんの人に知ってもらって、見てほしいなと思います。

スマホやタブレットがあればどこでも見られますし、
過去の番組を見る場合は再生スピードを変えて、1.5倍速で見ることもできます。
電車に乗っている隙間時間でも、十分楽しめると思います。

あとは「アベプラに平石あり」と思われるような存在になりたいですね。

「平石のアベプラであの人を呼んで議論してほしい」
「平石とあの人がトークしたらどんなものになるんだろう」

期待してもらえるようになりたいです。


佐々木

ありがとうございました!
平石さんのアベプラ、これからも楽しみにしています!

今回はABEMAの3つの番組について取り上げましたが
他にも多くの番組にテレビ朝日のアナウンサーが
携わっています。

ABEMAはアプリをインストールすれば
誰でも無料で見ることができます。

皆さんも
地上波とは一味異なるABEMAの世界を体験してみては
いかがでしょうか?