能登半島地震の支援ライブ、さだ、泉谷、こうせつ、森山、スタレビ、山崎らが…
2024/04/19
シンガー・ソングライターのさだまさし(72)の呼びかけで、泉谷しげる(75)、南こうせつ(75)、森山良子(76)、サンドウィッチマンらが19日、愛知・名古屋国際会議場センリュリーホールで、能登半島地震の被災地支援コンサート「がんばれ能登 緊急支援チャリティーコンサート」を行った。
コンサートでの収益金は、さだが設立した「公益財団法人・風に立つライオン基金」を通じて被災地への支援金として届けられる。
さだと泉谷は、長崎・雲仙普賢岳の大噴火(91年)以来、北海道南西沖地震で大津波の被害を受けた奥尻島の救援(93年)、阪神・淡路大地震(95年)、そして東日本大震災(2011年)や熊本地震(2016年)など、災害が起こるたびに被災地支援を呼びかけてきた。
泉谷がメガホンを携え全国各地で「日本を救え!」と繰り広げてきたゲリラライブは、今でも記憶に新しいが、特に、東日本大震災以降は2人で被災地を回ることが多く、お互いに「ライフワークのようになっていた」と話す。そんな中、今回の支援コンサートも行われることになった。最近では台湾東部沖地震や今月17日には愛媛・高知でも震度6弱の地震が起こっている。それだけに「お互いに助け合い支え合っていかなければならない」と泉谷は言う。
2人は、2015年9月の「関東・東北豪雨」で鬼怒川が決壊し、甚大な被害を受けた茨城県常総市でも、災害から1カ月後に避難所を慰問してミニライブを行ってきた。それから9年。今回の能登半島地震では15日に被災地である珠洲市や能登町、穴水町を半崎美子、相川七瀬らとともに訪れ、義援金や各所の神社での奉納ライブを繰り広げてきた。
「がんばれ能登 緊急支援チャリティーコンサート」の開催前に、さだらが取材に応じた。
「災害にあたっては、悲しいほど無力感に襲われる」と言うさだは「音楽家に出来ることはとても少ない。ただ、2カ月ぐらいたつと、本当に音楽が必要だなって思うようになってくるんですね。しかも、被災地にとって一番つらいのは、忘れ去られてしまうことなんです」と、周囲に呼びかけたという。
その結果、こうせつや森山をはじめ、スターダスト☆レビュー、サンドウィッチマンも賛同。山崎まさよしも駆けつけるなど、総勢10組が一堂に介してのスペシャル・コンサートを繰り広げた。
さだは「心ある素晴らしい仲間たちとともに、災害に苦しんでおられる方々へ、忘れないよ。ちゃんと応援しているよって言うサインは送り続けていきたい」と力強く語っていた。
また、こうせつは「今、コンサートをやることは意義がある。災害が起きた時は本当に何も出来ないけど、でも、そこで止まっている場合じゃない。大変だけど、こうやって歌を届けることでみんなの心が満たされ、明日からも生きていこうなと言う気持ちにもなる」と訴えていた。
一方、泉谷は「とにかく、地震バカヤロー!って言いたい気分だよね」とした上で「この前、さだと能登に行ったように、俺たちが自ら行くことで、安全になったことをアピールすることも重要なんだよ。俺たちが、率先しなければダメ。俺は今年、9月には珠洲市から呼ばれているし、そこで無料ライブをやる」と意欲をみせた。さらに森山も「集まったみんなで、被災地の方々に元気を感じてもらえれば最高だと思っている」と話していた。
山崎の「セロリ」で幕を開けたステージは、その後、さだが「道化師のソネット」、南こうせつが「神田川」、スターダスト☆レビューが「木蘭の涙」、さらにはさだと吉田正美のグレープが「精霊流し」、そして泉谷が「春夏秋冬」、森山良子が「今」などを熱唱、最後は出演者全員で「翼をください」と「上を向いて歩こう」を歌い上げた。