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  Reported by 宇賀なつみ


少しずつ、秋が深まり、いよいよ上着がないと肌寒いくらいになってきました。
秋の夜長には、美味しい秋スイーツを・・・というのも、もちろん素敵ですが、
暑くも寒くもないこの時期は、読書に最適です!!

「あまり本を読まない」という人の話もよく聞きますが、
それは、あまりにも勿体ないと思います!!
でも、自分にピッタリの1冊を見つけるのはなかなか難しいんですよね・・・。

そこで!! 小説好きで、家にも大量の本があるという、大西洋平アナウンサー!!
特別な1冊を教えてください。

 


大西洋平アナ

読書の秋…
なるほど。
これまでの人生で秋といえば“食欲”がぶっちぎりで筆頭だった私ですが、
ここはひとつ、とっておきの1冊をご紹介しましょう。

それが、こちら!!

「Missing」 作:本多孝好

大学生の頃に読んだのですが、一気に読破。その後も何度も繰り返し読んでいます。

「Missing」は短編集。
「祈灯」は事故で妹を亡くした“幽霊ちゃん”が、それ以来、死んだのは姉のほうであって、自分を妹だと思い込んで生きているお話。
そして「瑠璃」は瑠璃色の瞳を持つ4歳年上の従姉妹ルコと、しもべのように付き添う“僕”の物語。人と違う生き方を望んでいたはずのルコは、ある時、自分がごく普通の人間だと気づいてしまいます。その姿が、またなんとも切ない…
その他にも「眠りの海」「蝉の証」「彼の棲む場所」の全部で5つのストーリーが入っています。

ジャンルでいうと、ミステリーに分類されることが多いのですが、
殺人事件が起こり、名探偵が登場、
最後は大広間で「犯人はあなたです」となり一件落着…なんていう話は全くありません。
謎を解き明かすこと物語もあれば、一生解けない(解かないという方が正しいかもしれません)謎を含んだ話もあります。

どの物語にも共通するテーマは「死」
その人が生きていたという証。それが残された人たちの心にどんな形で残っているのか。
作中で老婆が語る台詞がとても印象的でした。

「一年に一度でいい。一分でも、一秒だっていい。自分が死んだあと、生きていた日の自分を生きている誰かに思い出してほしいと願うのは、そんなに贅沢なことなのかい?」

どうしょうもなく切なくて、悲しくて、寂しい…
でも、そんな話が、透き通るような透明感に包まれた文章や、時にシニカルで、時に温かい会話で描かれることにより、心にスッと染みてきます。

秋の夜長に、ちょっぴり刺激的な部分もありますが、
一人で静かに読みたい、そんな1冊です。

 


その小説、今すぐ読みたくなりました。

それにしても、好きな本の話をすると、
その人の新たな一面が見られるような気がして楽しいですね。

私も、お気に入りの本は、何度も読み返すので、
「今まで読んだ本は、作者・出版社・本のサイズや種類に関わらず、
読んだ順番に本棚に並べる」と決めています。
後から振り返ると、
――― この時期はやたら恋愛小説ばっかりだなぁ・・・
――― ここで急にこの作家さんが好きになったんだよねぇ・・・
と、その時の自分の好みがよくわかりますし、目当ての本を探すのも、楽チンです。

一生かけても、本屋さんにある本全てを読むことはできないと思います。
だからこそ、その出会いは運命!!
「表紙がかわいいから」「友人に勧められたから」
「たまたま目に入ったから」・・・きっかけはなんでも良いんです。
これは面白かったという1冊に出会うと、急に本が好きになれるはずです。

私も、人生を豊かにするために、
そして、言葉のセンスを磨くために、これからも本を読もうと思います。
皆さんも、秋の夜長に、読書しましょう!!



大好きな3冊と・・・
 

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<このコーナーは清水俊輔と、3年目の竹内由恵本間智恵八木麻紗子
2年目の板倉朋希三上大樹宇賀なつみ加藤真輝子が担当しています。>
 
    
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