大きななしの実を頂きました。 |
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ズッシリした巨体で存在感があります。 |
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計ってみると重さは820g。 |
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ふつうのりんごと比べると…
りんごは285gですからだいたい3倍弱の重さです。 |
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そのなしを見た矢島家の父親がおもむろに立ち上がりました。
そして居間に戻ってきた父親が手にしていたものは
ハサミ、ビニールテープ(黒)、ピンセット。
父親の表情はどこかにやり、目がキラーンとしています。
矢「おとうさん、それな…」
母「顔書くんでしょ!?やっぱりねー(笑)」
矢「顔!?」
父「…バレちゃったあ?」
母親は父が無言で立ち上がったときにわかったそうです。
そう、父親はこの大きななしに顔を書こうとしていたのでした。
ビニールテープを細く切って、父は目をらんらんとさせています。
少年のようなまなざしです。
母「昔っからこういうもの見ると顔書くんだよ(笑)」
…たしかにそうでした。
父はわたしが小さかったころ、
わたしの手の指の腹にひとつずつ違う顔を書いては笑っていたものです。
わたしが折り紙を折っていると、横に来て、
真剣に何かをしていたかと思うと本物と見紛うばかりのリアルなゴ○ブリを作って、
さりげなく家の中に置いて家族を絶叫させては笑い転げていました。
なんていたずらっ子…。
さて、話はこのなしに戻りますが、まず父はこんな顔を作りました。
まゆげが凛々しい男前な顔。
名付けて「裕次郎なし」 |
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家族も大うけ!
携帯電話での撮影会が始まりました。
気を良くした父はまだやめません。
次に父はゴミ箱にさっき捨てたばかりの分厚いダイレクトメールの赤い紙を持ち出してきました。
何を作るんだろう?
家族は固唾を呑んで見守ります。
父「どうだ!」
ほおーーーー!次は冠です。 |
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母「なし大王だ!」
こうして我が家に「なし大王」が生まれたのでした。
ご尊顔を拝し、恐悦至極に存知奉りまする。
父親は満足げに撮影会を眺めてまた手を動かし始めました。
老眼鏡までかけ始め、作業は真剣勝負になってきました。 |
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お次は…お人よしそうな顔の大王。
何を言ってもOKと言ってくれそうな顔です。 |
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この事態を、うちのいぬのぬいぐるみまで見に来ました。 |
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警戒しています。
今度はいたずらっ子になりました。
「ぐふふふふふ」なんて笑い出しそうです。
まさに父はこんな顔で大王を作っていました。 |
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ここまで作った父は満足げに寝室へ…
もう役目を終えたとばかりに寝てしまいました。
顔がつくものを放っておけないのがうちの母親です。
母「これ…被せたらどうかな」
今度は急須のふたを被せてみました。 |
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今度は「どんぐり大王」になってしまいました。
そして…中国茶器のふたを被せて「ニイハオ大王」に。 |
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顔を変えたら昔見たアニメに出てくるラーメンマンみたいです。 |
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秋の夜長、なんておばかな矢島家でしょう。
でもわたしの感受性はこうして作られてきたように思います。
このあとなし大王はわたしたちの胃も楽しませてくれました。
ありがとう、なし大王!
さようなら、なし大王! |