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7月26日 再生可能エネルギー

先日、我が家に送られてきた“お知らせ”。
電気代の明細と一緒にポストに入っていました。




7月から再生可能エネルギーの固定価格買取制度が
始まったのをご存知でしょうか。
この制度は、太陽光や風力、バイオマスなど
再生可能エネルギーによって発電された電気を
決められた価格・期間で電力会社が買い取ることを
義務づけたものです。

この制度が導入されて
「ビジネスチャンスが来た!」と意気込む方々を
先日、スーパーJチャンネルで取材しました。

福井市にある“ふくい共同市民発電所”。




市民発電所、と言っても
伺ってみると、一般的な一戸建てのおうち。
住民らが出資して太陽光パネルを共同購入し、
電力会社に売電して受け取ったお金を毎年分け合います。
自宅がマンションだったり
屋根が南を向いていなかったりして
パネルを設置できないという方も参加しています。

「金額にしたら、少しだけどね」
奇しくも今月から再稼働することになった大飯原発をはじめ
国内最多の原発を抱える福井で、
核のゴミも、もちろん二酸化炭素も出さない
太陽光で発電することに誇りを持っている―
そんな言葉が印象的でした。



2号機の名前は「にこにこ」。
現在は4号機の設置も検討中だとか。

自治体も、発電に参入しています。
群馬県太田市の「おおた太陽光発電所」。
工業団地内の広い敷地に並べられた
太陽光パネルは実に1万枚以上!



ま、まぶしい・・・

リース方式で運営しているためリース料がかかりますが
それを差し引いても
年間約1500万円の利益を見込めるとのこと。

ところで、その買い取り価格はどうやって決まるのか?
これは発電の種類や規模によって異なります。
それぞれの発電にかかるコストに、一定の利益が出るよう
上乗せして計算されているそう。
たとえば、太陽光は1キロワットあたり42円。
小規模風力は57.75円。

一方で、その買い取りにかかる費用はというと、
冒頭のチラシの話に戻りますが
8月から私たちの電気料金に上乗せされるのです。

多少コストがかかっても利益が出るから
企業や個人の参入が増える。
でもこれが一気に普及すると、
その分私たちの電気料金に上乗せされる。

早くから制度を導入したドイツやスペインでは
すでに様々な問題が生じて
買い取り価格を大幅に引き下げたという話も聞きます。

エネルギーと私たちが共存・共生していくために。
これから議論しなければならない問題は
決して少なくはないと感じています。

取り返しのつかない事故が起きてしまった日本に暮らす者として
普段使っている電気について今一度きちんと考えると同時に、
国が示すエネルギー政策や
将来的に原発依存度をどうしていくのかなど、
今後の動きを注視していきたいと思います。

そしてこの夏も、自分にできる細かな節電を
引き続き心がけます。

   
 
    
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