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Vol.49 「くじ日和」(2007/05/28)

年に一度。
今までは、“年末”ぐらいしかお目にかからなかったのですが…。
調べてみたら、ある、ある。
ドリーム、サマー、グリーン、オータム。

その他にも、ナンバーズ、ミニロト、スクラッチなど。
年齢制限こそありますが、ここ最近では、totoも―。

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「あれ、あれ下さい」と、おじいさん。
「ほら、テレビでやっていたやつ」と、次のおばあさん。
平日の午後2時。駅前の商店街。ずらりと並んだ長蛇の列。
「あれあれ、サッカーの…」
「はいはい。何枚ですか?」
さすが、店員さんは慣れていた。20分程並んで、私も5枚買う。合計1500円。
「レシートみたいだなぁ」
そう言いながら、おじいさんは大切そうにポケットにしまっている。 

話題のサッカーくじ、totoBIG。
購入希望者が殺到してシステムがパンク状態になった時、
ちょうど銀座の売り場を取材していた。
くじが買えず、溜息混じりにその場を去ったお母様たちにマイクを向けると、
「せっかくマンションを買おうと思ったのに〜」

もし当たったら、何をしますか?
定番の質問だが、最近は日常でも頻繁に話題に上る。
仕事を辞めるか辞めないか。
口外するのかしないのか。
手堅く不動産か、貯金か。
夢のような設定も、希望は妙にリアル。
“そもそも当たっていない”という暗黙の大前提を黙殺しつつ、
「やっぱり6億円って、想像がつかない…」
「6000万円でいいや。靴をお店ごと買いたい…」
「いや、6万円でも嬉しいかも…温泉行けるし」
ひとしきり皆で盛り上がった後、ふと我に返る。


話は戻って。
先日、並んで買ったtotoBIGに一等が出た。
当選番号は下記の通り。

1、0、2、1、2、1、0、2、2、1、2、2、1、2

そして、手元には。

1、0、2、1、

あれ?

1、0、2、1、2、1、

もしかして…?

1、0、2、1、2、1、0、2、

靴100足?いや、もっと?

1、0、2、1、2、1、0、2、0、0、0、0、0、0

!!!!!
無情にも、ゼロの連続。
蹴ったボールは、ゴール前で大きくカーブし現実へと消えた。


惜し…く、ない?

(「日刊ゲンダイ 週末版」5月28日発刊)
   
 
 
    
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