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Vol. 2 9月18日 『竜馬の妻とその夫と愛人』


今回は、『竜馬の妻とその夫と愛人』をご紹介。

上映前、ふむふむとパンフレットをめくりながら、二人のコラボレーション(このコトバ、
最近よく聞きます)作品を想像してみる。私の中では、三谷監督=「ラヂオの時間」、
市川監督=「つぐみ」。どちらも大好きな映画だが、それぞれのテイストが全く違う。
テンポの良いコメディと、情景や心情をしっとりと描く作品。タイプの異なる二人から、
どのような映画が生まれるのか?ゾクゾク
しながら試写室の椅子に座った。

物語は、明治時代。坂本竜馬が暗殺されてから13年後のこと。
竜馬のかつての同志たちは、今や政府の高官や軍の幹部に出世していた。
そのうちの一人である菅野覚兵衛(中井喜一)は、竜馬の十三回忌を催すべく、竜馬の妻・おりょう(鈴木京香)を訪ねる。しかし、おりょうには竜馬といた頃の輝きはなかった。みすぼらしい男・西村松兵衛(木梨憲武)と再婚し、おんぼろ長屋で貧乏生活を送っている。おまけに、竜馬そっくりの愛人・虎蔵(江口洋介)と駆け落ちを企てていた。

竜馬が愛した女。
竜馬を愛した男。
竜馬を愛した女を愛した男。
竜馬を愛した女が愛した男。

亡き竜馬をめぐり、男女4人のすれ違いと勘違いの大騒動が始まった…。

パンフレットの表紙には、こう書いてある。
「監督、泣けるコメディに仕上がりましたね。」(三谷)
「いえいえ、これは笑えるラブストーリーです。」(市川)

三谷幸喜氏のコメディタッチと、市川準氏の情感溢れる眼差しが、見事に溶けていた。
水と油どころか、コーヒーと粉末クリーム!?ううむ、全く違和感なく「泣けるコメディ」
はたまた「笑えるラブストーリー」として描かれていた。アボカドにおしょうゆをかけて食べたら思いのほか美味しかった時のような、新しい発見にゾクゾクした。

 

この映画の根底にあるのは、坂本竜馬の「オトコマエ」感。大きな夢を抱き、それを追い求める人。情に厚く、愛した女を命がけで大切にする人。こんな男に、誰もが惹かれないわけがない。事実、登場人物の皆が竜馬を愛していた。彼は、薩摩と長州だけでなく、全くカラーの異なる二人の監督すら統合してしまうほどの魅力を持っていたということか。

■作品データ/『竜馬の妻とその夫と愛人』■
監督:市川準
原作・脚本:三谷幸喜
出演:鈴木京香、木梨憲武、中井貴一、江口洋介、トータス松本、
配給:東宝/2002年/日本

※9月、全国東宝洋画系にてロードショー

監督・市川準と脚本家・三谷幸喜の何とも気になる組み合わせ+豪華なキャストが話題の亡き竜馬をめぐる男女4人のスクランブル・ラブコメディ『竜馬の妻とその夫と愛人』について、アボカドとしょうゆの出会いのような、
と評した村上アナ。
勿論、アボガドがあの方・・・ですよね?

『竜馬の妻とその夫と愛人』公式サイト
http://www.ryoma.so-net.ne.jp/

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