小さい頃から、声に出して本を読むのが大好きでした。
国語の教科書を母に読んでみせたり、
物語を読み聞かせてくれる某ラジオ番組にはまったり。
毎日ラジオの時間が来るのが待ち遠しく、
流れてくる声に聞き入りながら想像の世界に思いをめぐらせていました。
語り手が息を殺せば、私も一緒に息を潜め、
語り手が嬉しそうな声を上げれば、私も小躍りして喜ぶ。
物語の中の光景が、まるで絵本のように目の前に広がって、
ハラハラドキドキしていました。
聴いている方々の頭の中に絵を描くような表現者になりたい。
今回そんな思いで臨んだ題材は、新美南吉さんの『手袋を買いに』。
狐のお母さんと子どもの、温かい物語です。
何度も何度も繰り返し読んでいたこの本を、
いざ声に出して読んでみて・・・あの世界観を共有することができたかな。
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