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5月14日 これがダヴィンチの美の角度!?

レオナルド・ダ・ヴィンチ…
彼の遺した美しい絵画は、
時代を超えて愛され、絶大な人気を保ち続けています。
その普遍的な美に吸い寄せられるようにして、
『レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想』展に行ってきました。



音声ガイドはモーニングバード羽鳥慎一さんでした。


レオナルド・ダ・ヴィンチの名前は、
彼の生まれたヴィンチ村に由来し、
ラテン語でヴィンチは柳の枝を意味するそうです。
その柳の文様は『モナ・リザ』の襟にも描かれているとか・・・。

羽鳥さんのガイドによるとダヴィンチは、
「画家は、自分を魅了する美を見たいと思えば、それを生み出す主となり創造主となる」
と話したそうです。
自分の理想とした美を、絵画の中に創り出したということなのでしょうか。

数ある絵画の中でも魅力的だったのは、日本初公開の『ほつれ髪の女』



チケットにも載っています


優しい微笑みを浮かべた口元は、どこか『モナ・リザ』にも通じる気がします。
そして、どこか気恥ずかしさを感じているような首のかしげ具合…。
実際ダヴィンチは、
「慎ましやかな女性は、頭を下げ、あるいは斜めに傾いているといった仕草がよい」
というような言葉を残しているそうで、
そういう視点で彼の作品を見てみると、
『岩窟の聖母』などは、まさにこの角度で聖母マリアが描かれているように見えました。

これがダヴィンチの理想とした美の1つなのでしょうか。
ということで…
この美を再現すべく、挑戦!
撮影に協力してくれたのは、佐々木亮太アナウンサーです。

松尾 :あの・・・この『ほつれ髪の女』と同じ角度で撮ってほしいんだけど…
佐々木:あ、なるほど。分かりました!こんな感じですかね…



佐々木:あれっ、違いますね…横すぎですね。
            これ、もしかしてもっと正面なんじゃないですか?
松尾 :えっ、ほんと?こんな感じかな。



佐々木:それでいて、もっと首を、こう、斜めに・・・
松尾 :えっ?もっと??これくらい?



佐々木:あ、これです!
松尾 :こ、この角度、結構くるしい・・・

お付き合いいただきありがとうございました。
佐々木アナウンサーに感想を聞くと・・・




佐々木:松尾さんのツラそうな顔の角度を見ていて、
            『芸術性とはやはり、非日常なのだな』と、感じました(笑)
            『考える人』も実際にやってみると、ものすごくつらい姿勢ですから・・・。

それにしても、なんでしょう、この違い・・・。
いやもちろん、『ほつれ髪の女』は元々のモデルの方が美しかったのだとは思いますよ?
でも私だってもっと慈愛に満ちたことを考えていたら表情も変わったのかもしれませんし。
なんてムキにならずに、落ち着いて考えてみると、
この顔の向き自体、現実的にはあまりない角度。
やっぱりダヴィンチの絵は、自分の理想の美を創り出したものだったのではないかと思うのです。
目の前の人物や自然を超えた、完璧な美を。
そして自らを魅了するほどに達した絵を見るときの満足感たるや、
まるで我が子のように愛おしく、永遠に傍に置いておきたい!
・・・なんてことを絵に対して感じていたのではないかと想像するのです。
想像が膨らむダヴィンチの展覧会は、いよいよ残りあと1ヶ月です!

*****
『レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想』 http://davinci2012.jp/
2012年 3月31日〜6月10日
Bunkamura ザ・ミュージアム

   
 
    
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