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Vol.34 (2009/02/23)  映画「地球のステージ ありがとうの物語」


「女子アナ☆試写室」の映画レビュー、今回はこちらの映画です。 
単館上映のドキュメンタリー映画で、
大々的にロードショーされている作品でないにもかかわらず、
2月2日付け「シネマぴあ・満足度ランキング」では、『マンマ・ミーア』に次いで
2位となっていました。(『マンマ・ミーア』のレビューはこちら

毎日を、一瞬一瞬を、大切に全力で生きよう。
そう自分に誓う、気持ちの突き動かされる映画だと感じました。
お時間あったら、↓こちらのレビュー、読んでみてくださいね。



『地球のステージ ありがとうの物語』

今回ご紹介する『地球のステージ ありがとうの物語』は、
紛争に傷つき、貧困に喘ぎながら、それでも逞しく生きる子供たちの姿を映し出す、
ドキュメンタリー映画です。
パレスチナ、カンボジア、東ティモール、クロアチア、フィリピン…
世界中のそれぞれの場で必死に暮らす少年少女たちに、
この映画を通して、私たちは出会うことができます。

試写で絶賛され、
国連難民高等弁務官駐日事務所、日本ユニセフ協会、
PTA全国協議会などの推薦を受けたこの映画。
推薦人には、作家の立松和平、C・Wニコルらも推薦人になっています。

しかしどうでしょう。
このような冒頭紹介は、もしかすると、
「尊さやボランティアを安易に謳った、
道徳をかざす類の映画なのでは?」
そんな印象を与えてしまうのかもしれません。
かくいう私も実際に映画を観てみるまで、
「お願いだから偽善的な後ろめたさを感じさせるものではありませんように」
などと、傲慢にも不安と隣り合わせにいたのも事実で。
穿った見方を携えていなかったといえば、嘘になります。

なぜ、ここでこの映画を取り上げたのでしょう。
それはもう、それこそそうした先入観を、
この映画が、裏切っていてくれたからです。
それも、至極真っ当に、しかも淡々と。

難しいことは言えない。
けれど、とにかく脳裏に焼きついたのは、
あまりにも可愛いらしくてたまらない、子供たちの表情でした。

東ティモールで家を焼かれた兄弟、両親に置き去りにされたフィリピンの兄妹。
幼くても働き、食事を分け合い、
兄弟が力を合わせて生きる、ひたすら生きていく姿を、
淡々と、しかし俯瞰ではなく、彼ら一人一人に灯りをともして描くのです。


東ティモール避難民キャンプの女の子

カンボジアの、地雷で左腕を失った少年の生き方の模索、
パレスチナの子供たちの暮らし、
ひと括りのニュースとしてではなく、そこには生活がある。
生きていかなくてはならない。


カンボジア 地雷地帯に暮らす子どもたち

丹念な長期の取材の賜物でしょう。
カメラは、彼らの、隣にいるのです。
だから、私たちも、隣で、子供たちに出会うことができる。


カンボジア リアムの妹

4歳くらいの幼い子供たちまでが、
ゴミ溜めからお金に換えられそうなものを必死で探し、
物を運び仕事をする姿に、「かわいそう」などとはとても言えない。
それこそ違う。
でも、
では、どうしたらいい?
言葉にならない思いが突き上げる。
自分の生活に、居たたまれなさを感じ、
そんな風に思いながら明日になったら忘れる、
ということだけはやめろ自分!

これだけは言える。
必死で生きる彼らの姿、
必死に毎日と戦いながら、あんなにも可愛らしい彼らの表情。
それらを、
知って生きるのと、
知らないで生きるのとでは、
きっと違うはず。

笑顔を見れば見るほど涙が出、
必死の涙には、頷き、手を握りしめながらぎゅっと微笑んでしまう。

大々的にロードショーとなる映画ではないけれど、
こうした映画こそ、一人でも多くの人が観られたら、と思いました。
形を変える影、声に応ずる響き。
まさに「影響」を、あしたに残す映画だと感じました。


 <補足情報>

『地球のステージ ありがとうの物語』、
残念ながら「ポレポレ東中野」での上映が、
2月20日をもって一旦終了となっています。
「名古屋シネマスコ―レ」で、3月14日から2週間上映されるとのこと。
「ポレポレ東中野」での再上映も、時期を改め可能性があるようです。 
各地での自主上映の募集も行っているようですので、
諸々の情報は、公式HPをご参照ください。

『地球のステージ ありがとうの物語』
 └ http://officeraft-qua.co.jp/e-stage.html



※配給/「地球のステージ ありがとうの物語」事務局 2006/日本


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◇近況報告            

相変わらずの話ばかりで恐縮ですが、
本当、よく歩いています。
ナレーション収録が多いので、
テレビ朝日のある六本木から、
赤坂近辺へのスタジオ移動が
頻繁にあるのですね。
で、そもそもタクシーは、
スケジュールが余程タイトなとき以外、
選択肢にないわけです。
地下鉄ですと、
大抵乗り換え続きで結局時間がかかったり。
となれば、「ほいじゃ歩いちゃえ走っちゃえ!」と。
赤坂の急激な坂をしょっちゅう行き来していたら、
すっかり体力がついてしまったような。
交通費の節約にもなって体力もついて、「散歩的」♪な安らぎもあって、
「一石三鳥」だと感じています。てくてく。
   
 
    
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