最終日 Round4

    サンデーバックナインの最終3ホールでドラマ
    宮里藍はラストラウンドでもアンダーならず
    最終日もドナルド・トランプ米国大統領に見守られて行われた「全米女子オープン」のファイナルラウンド。優勝争いは、最終の3ホールに凝縮された。
     
    首位発進のフォン シャンシャン(中国)が序盤から足踏みする中、2位タイスタートのアマチュア、チェ ヘジン(韓国)が前半で2バーディを奪いトップに立ってサンデーバックナインに突入。ところが、首位タイで迎えた16番パー3で、ティショットを池に落としダブルボギー。それでも最終ホールでバーディを奪い、通算9アンダーの単独2位フィニッシュ。17歳の活躍に大会は大いに沸いた。
     
    3打差の4位タイから出たパク ソンヒョン(韓国)がこの日だけで5アンダーの猛攻。7番ではセカンドをピン横1.5メートルにつけバーディ。通算11アンダーでチェらを振り切り、メジャー初優勝を果たした。昨年は初出場で惜しくも1打足りずにプレーオフ進出を逃したパク。見事にリベンジを果たした。
     
    挽回が期待された宮里藍は、この日もグリーン上で苦戦。スコアを二つ落とし、通算4オーバー、41位タイで最後の全米の舞台を終えた。6打差から首位を追いかけた野村敏京は、スタートでバーディを奪うも、その後停滞。後半は我慢ならず42の大たたきで通算2オーバー、33位タイに終わった。葭葉ルミもこの日4オーバー、通算8オーバー、51位タイで2度目の舞台は厳しい結果となった。
    宮里藍にとっての全米女子オープンという大会の意義
    今季での引退を表明している宮里藍はこれが最後の米国開催のメジャー。この日は2バーディ、4ボギーの74でラウンド。スコアを二つ落し、通算4オーバー、41位タイで大会を終えた。最後までグリーン上で苦しんだ4日間になってしまった。「2番で早々にバーディが来たので出だしはすごくいい流れだったんですけど、やっぱり要所でパットで苦戦した」。ショットの感触がよかっただけに悔しい結果だが、「ツアーも年々年々レベルが上がってきている中で、最後の年に4日間戦えたのはよかったと思います」と、11回目の全米女子オープンを終えた率直な気持ちを口にした。
    この大会の魅力は「何をおいても歴史のある試合は雰囲気がある」。最後の舞台を終え、若いプレーヤーたちへのメッセージは、「色んな人がたくさんの経験をつんで必ず通る道だと思うので、若い選手もプレーできるチャンスがあればスポットだとしても挑戦した方がいいのではないかと思います」。また、「メンタル、体力、技術。全ての技量を問われる試合。いろんな経験をさせてもらったと思います」と、世界一の称号を懸けたこの大会の意義を感慨深げに語った。
    次なるメジャー、全英リコー女子オープンに向けては「パッティングありきかなと思うんですけど、ショットがすごくいいのでリンクスのコースはライン出しが重要ですし、ショットはこのままいきたいなと」。残りメジャーは欧州で行われる全英と9月のエビアン選手権。パッティングのフィーリングを取り戻し、残り二つのメジャーでは優勝を狙う。
    韓国勢の台頭の裏で米国勢の衰退が顕著に
    優勝したパク ソンヒョン、アマチュアとして優勝争いを演じたチェ ヘジン、二人を含めトップ10には8人の韓国勢が入った。その強さは今や世界中のツアーをこれまで以上に席巻しているが、その裏で、今大会は特に米国勢の衰退が顕著になった。21人が予選通過を果たしながらも、最終的にトップ10フィニッシュは0。これは全米女子オープン史上初のこと。日本勢も含め、打倒韓国勢の構図がより一層強くできあがることになる。