これまでの放送

2019年10月27日

今回のTVタックルは

自然災害で危険度増大!?
台風15号、19号でわかった
首都圏の危険なスポットSP



今年8月、国交省や地方自治体が実施したインフラ老朽化点検で全国の橋や歩道橋などが「5年以内の修繕が必要」と判定された。
そこで生活に身近な首都圏の橋・歩道橋・電柱、水道、首都高から専門家が選んだ首都圏の老朽化が進むスポットを発表。どこが危ないのか?
専門家が自ら現地で徹底調査!TVタックル独自の目線で徹底討論!


■老朽が進む“危険な橋”の実態!


台風19号による被害を大きく受けた、河川にかかる橋…
千曲川の堤防が崩れた影響で、長野県上田市の鉄橋の一部が落下。
栃木県佐野市では中橋をはじめ3つの橋が濁流などで被害を受けた。
どの橋も完成してから50年以上経過しているという。
専門家が注目するのはそんな橋の老朽化だという。



コンクリートの耐久性などに詳しい法政大学デザイン工学部教授の溝渕利明氏が老朽化が気になる橋が、千葉県君津市にあるという。
台風19号に襲われた7日後、訪れてみると…



1960年竣工の千葉県君津市にある正平(しょうへい)橋。
よく見てみると、至る所でコンクリートが剥がれ、鉄筋が露出している部分が。
橋の下の部分にも、鉄筋が露出している場所が。この状態が続くと非常に危険だという。
鉄筋は経年劣化によって錆びると太さを増し、錆びて太くなった分だけコンクリートを押し出し、破壊してしまうという。



そんな老朽化が進んでいる橋は都内にもあると、溝渕氏は言う。
隅田川に最初にかけられたのが千住大橋。現在のアーチ式の橋が架けられたのは、92年前の1927年。所々で腐食が進んでいる。
1932年完成の両国橋は、橋の下に来てみると、こちらも所々で錆びている部分がよく目立つ。
隅田川の橋は、90年程前に架けられたものが多いという。
大丈夫なのだろうか?



「心配なのは、台風や地震などが来た時。古い橋ですとどうしても耐震的には昔の設計で作られてますから、そういう点で不安はあります。」
と溝渕氏は言う。



今年のような大型台風の襲来、そして地震と自然災害によって危険度が増す可能性がある老朽化した橋。

老朽化した橋。50年以上経ってもなぜ架け替えないのか?
スタジオでそのポイントを専門家が徹底解説!


■検証!ここも危険! 歩道橋・電柱・水道管も老朽

9月日本列島に甚大な被害を及ぼした台風15号。
中でも、電柱の倒壊・損傷は、千葉県を中心に約2000本にものぼった。
そもそも、電柱の多くはコンクリート製で、中身は中空構造になっており、コンクリートの中に鋼材を入れて、強度を上げている。
なぜ、台風15号では、約2000本もの電柱が倒壊・損傷したのか?



通常、鉄塔や電柱は、風速40mの強風に耐えるよう、作られている。
ところが、台風15号では、千葉県で最大瞬間風速57.5mを記録。
想定以上の強風で、電柱や鉄塔の被害が拡大したのではないか?
と溝渕氏は見ている。



コンクリート製の電柱の耐用年数は、50年ほどとされる。
古くなった電柱は、橋桁と同じく、中の鋼材が錆びて膨張、コンクリートを破壊していく。
ライフラインの要であり、有事の際には大型停電を引き起こす恐れのある電柱の老朽化、一体どうすればいいのか?



1970年前後に大量設置された歩道橋も50年以上経過しているものが多く、老朽化が進んでいるという。
国土交通省発表の道路メンテナンス年報で、最低ランクの「緊急措置をする必要がある」と位置付けられてた亀戸駅前の歩道橋。設置されたのは1970年。



橋脚の根元部分にサビが…。錆びた部分は、削れて細くなっている。
このまま錆の腐食により橋脚が細くなっていくと、根元から倒壊する可能性も十分考えられるという。
溝渕氏は、地震が起きた場合、歩道橋の橋脚が傾き、その反動で階段が落ちる可能性があると指摘した。
歩道橋の老朽化対策はどうするのか?果たして、どこまで安全なのか?



老朽インフラ問題は、水道管でも…。
近年、全国各地で水道管破裂による事故が頻発。去年7月、東京・北区にある商店街で水道管が破裂。
原因は、約50年前に設置された水道管に、穴が空いていたこと。
破損の原因は、老朽化とみられている。



水道管の多くは、1970年代に整備されてきたもので、今、一気に老朽化の波が押し寄せていると、水問題に詳しいジャーナリストの橋本氏は警鐘を鳴らす。
水道管は経年変化によって、内側に錆がどんどん溜まっていき50年経過すると水の通り道が細くなってしまう。
水道管の老朽化について、東京都水道局に対策を伺うと…
現在は、首都直下地震の切迫性が指摘される中、耐震化を重点的に推進しているという。



日々深刻化する、電柱・歩道橋・水道管の老朽化問題。
改善するには、一体どうすればいいのか?


■検証!首都高速道路の老朽化ポイント!

1995年、甚大な被害をもたらした関西地方を襲った阪神・淡路大震災。
中でも阪神高速道路の倒壊は、多くの人々に衝撃を与えた。
その危険性は東京にも…
1964年の東京オリンピック開催に合わせ、羽田空港と都心部をつなぐことを最優先にして作られた首都高速道路が今、老朽化の危機を迎えている。



現在使われている首都高速道路のうち、開通から50年以上経過した路線は、およそ15パーセント、47.2キロにも及ぶ。
50年以上経過した首都高速道路は、大きな地震には、耐えられないと渡辺氏はいう。



都心環状線を見てみると…コンクリートのヒビ割れ。壁一面に補修の跡。
高速道路上には、いたるところに老朽化を示す片鱗が。



首都高速・1号羽田線は、1964年の東京オリンオリンピックに合わせて開通し、すでに55年が経過している。



いたるところに補修の跡が…。確かに老朽化は進んでいるようだ。
首都高速道路は、日、点検を行い、修繕工事や造り替え工事を進めているという。
果たして、大きな地震には耐えられるのか!?
首都高速道路株式会社の対策は!?



阪神・淡路大震災のあと、首都高速道路は、すべての鉄筋コンクリート製の橋脚に、鋼鉄製の板を巻いて補強。地震に対し、万全の対策をとっているという。
しかし、これに対し渡辺氏は「これは応急処置なんです。抜本的な解決になっていない。」という。


首都高の工事は応急処置に過ぎない!?
スタジオで、専門家が首都高の危険性を警告!?
ゲストを交え徹底討論!

  • <ゲスト>
  • 東国原英夫
  • 岩下尚史    作家
  • 溝渕利明    法政大学デザイン工学部教授
  • 橋本淳司    水ジャーナリスト
  • 渡辺 実    防災・危機管理ジャーナリスト
  • 菅野朋子    弁護士

  • ※敬称略