これまでの放送

2019年10月20日

今回のTVタックルは

“過去最強クラス”台風が首都直撃
相次ぐ激甚災害から
命を守るにはどうすれば良いのか!?



河川の氾濫、堤防の決壊、タワーマンション浸水…
甚大な被害を出した台風19号。
今回の台風で明らかとなった日本の防災の弱点を、ビートたけしと辛口出演者が大激論!



「緊急放流」で二転三転 流域の住民は困惑
ダムの水は事前に流せないのか?



台風19号の影響で全国の河川で氾濫が発生。
その中で注目されたのが“ダムの緊急放流”。
「緊急放流」とは大雨でダムに流入する水の量が多くなり、貯水できない状態に近づいた場合、流入してくる水と同じ量の水を放水すること。
これによってダムの決壊という最悪の事態を防ぎ、被害を最小限にとどめることができる。
しかし、その放流によって川の水位は上がり、結果として下流に住む人たちが危険にさらされる可能性もはらんでいる



実際に去年7月の西日本豪雨では、ダムの水を緊急放流したことによって、下流の街に濁流が押し寄せ、8人が犠牲となった

この「緊急放流」、今回は6カ所のダムで行われたが、神奈川県・相模川上流の城山ダムでは決断を巡って二転三転。
当初、12日の午後5時に行う予定として発表されたが延期され午後10時に行うと発表。
しかし…結果的には、午後9時半に急遽“緊急放流”が行われた



これには川沿いの住人も困惑。
「10時に放流だと思って風呂に入っていた。びっくりした」
さらに、放流が始まったのは、市の職員が川沿いの家々をまわり避難を呼びかけていた最中だった。


人的被害はなかったが、一歩間違えば犠牲者を出してもおかしくない状況だった“緊急放流”。
ダムの水は事前に減らしておけないのか?
水害から人々を守る方法は?



多摩川氾濫で人気エリアが被害に…
武蔵小杉でタワーマンションが浸水
住宅街に水が流れ込んだ二子玉川駅前の特殊な事情とは!?


関東を直撃した台風19号は、首都圏屈指の人気エリアにも被害をもたらした。



都心からの交通の便が良く、多くのタワーマンションが立ち並び、住みたい街ランキングで上位に名を連ねる神奈川県川崎市の武蔵小杉。
多摩川から1キロほどの距離にあるこのエリアでは、タワーマンションが浸水し、電気設備が壊れ停電。
エレベーターやトイレが使えず、住民たちは困難な生活を強いられている



また、多摩川沿いの自然豊かな環境が人気の世田谷区・二子玉川では、駅近くで川が氾濫。
住宅街の道路は冠水し、多摩川のすぐ脇に建つマンションでは、半地下部分にある歯科医院が一時天井付近まで浸水。
高価な医療機械が水浸しになり、被害額は4000万円を超えるという



実はこの冠水や浸水、多摩川にはごく一部堤防のない区間があり、そこから水が流れ込んだのが原因。



しかも堤防が無い理由は、「堤防が出来ると景観が悪くなるから」という一部住民の意見からだという。
川の近くで安全に暮らす方法は?



東京に起こりうる更なる豪雨!備えは万全か


もし今回を超える台風が東京を直撃したら何が起こるのか!?
土木の専門家・土屋信行氏はこう警鐘を鳴らす。
「荒川決壊で地下鉄の駅に水が流れ込み都内のインフラは壊滅する」



国交省はそのような未曾有の大雨によって荒川の堤防が決壊した場合、どのような被害を及ぼすのかをシミュレーションしたCG映像を作成。
その映像によると…



もし荒川上流で3日間に500ミリを超える雨が降った場合、荒川の堤防が決壊し濁流が都心部まで流れ込み、逃げ遅れた人々は水深2メートルをゆうに超える水に飲み込まれ、想定死者は4100人という大災害になる恐れがあるというのだが…



今回の台風19号では神奈川県箱根町で1日の降水量約922ミリ、東京都檜原村では約602ミリを記録。
つまり、シミュレーションVTRのような事態が、いつ起こっても不思議ではないのだ!



そんな中、総工費2300億円という巨費を投じ埼玉県東部に建設された、世界最大級の地下放水路「首都圏外郭放水路」はどうなっていたのか?



この放水路、氾濫を起こしやすい中小河川の水を集め江戸川に放流、氾濫を防ぐというものだが、2015年以来2度目の稼働となり、12日から14日の朝までに1000万トン、「サンシャシン60ビル」15杯分の水を江戸川に排出したという。
果たして首都東京の水害対策は万全なのか!?



  • <ゲスト> *五十音順
  • 江川達也    漫画家
  • 金子恵美    元衆議院議員
  • 菅野朋子    弁護士
  • 土屋信行    リバーフロント研究所・技術参与
  • 東国原英夫

  • 佐々木亮太   テレビ朝日アナウンサー

  • ※敬称略