これまでの放送

2019年2月3日

今回のTVタックルは

水道管老朽化&民営化ど~する!?
ニッポンの“水”に迫る危機SP



高度経済成長期に設置された水道管は一斉に更新時期を迎えたが、
更新には莫大な費用がかかり、なかなか進まない。
昨年12月には、自治体が所有する水道施設の運営権だけを民間に
委託できる水道法の改正が行われたが、水質低下などの国民の不安は払拭されていない。
安全な日本の水を守るにはどうすべきか?総力取材!

市民激怒!?“水道民営化”の是非は?
先月13日浜松市では水道民営化に反対するデモが200人規模で行われた。



実は、浜松市は全国初となる上水道事業への「コンセッション方式」を進めていたのだが、これはいわゆる“水道の民営化”になると去年6月から
反対運動が巻き起こっている。

「コンセッション方式」とは…



自治体に水道施設の所有権は残しつつ
水道料金の徴収や浄水施設などの運営権を民間事業者に譲渡するというもの。
コンセッション方式は、自治体と民間企業の連携であり完全な民営化ではない。
民間企業の経営上のノウハウや技術的能力を活用することにより
質の高い公共サービスの提供が可能になるという。



しか~し…浜松の市民団体代表は、「民間企業では、不透明な料金値上げや、水質の低下がおこる」と大反対。
さらに、市民が心配するのが、外国企業の参入。
すでに、浜松市の下水道運営の一部をフランスのヴェオリア・グループなどが共同で設立した会社に委託。



「水と人の未来を語るウェブマガジン「アクアスフィア」編集長で
水ジャーナリスト 橋本 淳司氏は、水道民営化に大反対!

安くて安全なニッポンの水道料金。
水道事業民営化で高品質や低価格を維持できるのか!?
水道民営化の是非を、徹底討論!



“命の水”が崩壊の危機!?水道管“老朽化”問題
近年、全国各地で水道管破裂事故が相次いでいる。
水道管の破損などによる水漏れ事故は、年間約2万2000件も発生。
中でも、深刻な問題なのが“水道管老朽化”による事故。



今後、首都直下型地震、南海トラフ地震への対応が迫られる中、
“命を支えるインフラ”水道が抱える問題点について、
橋本氏が水道事業の3つの問題点を指摘。

問題(1)老朽化対策の遅れ



水道管は、国内総延長は約67万㎞、地球の約16周分に相当するが、
その内 約15%の約10万kmが老朽化に直面。



しかし更新率は年間1%も満たないのが実情。
厚労省によると全てを更新するのに130年かかるとの見通し。

問題(2)「自治体が財政難」



水道管の交換費用は、都市部では「1km=1億円」とも言われる。
通常、水道管の修繕費用は水道料金収入で賄われているが、
「少子高齢化による人口減少」「節水機器の普及」で料金収入が減少。
費用捻出が困難に。2040年までに値上げが必要になる自治体は、
全体の9割との試算も…

問題(3)「人材不足で漏水事故多発!?」



コスト削減などで地域事情に詳しい専門の水道職員が、この40年間で40%も減少。
水道施設の維持・管理が懸念される。

課題が山積みの水道管老朽化問題。解決への糸口は!?



競争激化の水ビジネス…中国“水爆買い”問題
先日、年間の飲料販売量で初めて水がコーヒーを抜き、トップに!
ミネラルウォーターの国内生産、輸入の推移は1987年約9万キロリットルから
2017年では約360万キロリットルと40倍にもなり、市場は右肩上がりに拡大。



国産・輸入品を含めると1000銘柄もあるといわれるミネラルウォーター。
実は今、日本から飲料水の中国向けの輸出が急増!
訪日客の間で人気が高まったことが要因とも言われているが、
水ジャーナリストの橋本氏は、
中国の工業化による水質汚染が社会問題になっていることも要因だという。



飲料水として日本の綺麗な湧き水を輸出するだけならいいが、
最も懸念されるのが…水源地の爆買い!?



過去には、北海道を中心とした森林が、
水源目当てで買われているという噂が報じられた。
林野庁の調査によると、外国資本による森林買収は、約5789ヘクタール。
山手線の内側9割の広さに相当する土地が、買収されている。
森林には水源地もあるのだが…



日本の水を守るために、
外資による国土買収をどうすべきか?



  • <ゲスト>
  • 東国原英夫

  • 犬山紙子    イラストエッセイスト

  • 野口 健    アルピニスト・日本水フォーラム評議員

  • 石井晴夫    東洋大学教授
  • 橋本淳司    水ジャーナリスト
  • 池谷 豊    浜松市の水道民営化を考える市民ネットワーク

  • ※敬称略