3月24日(水)よる8時放送
忖度が苦手で超マイペース…おまけに
割引と挨拶が大好き!という変わり者検事が
絶対に諦めない“正義”の心で人々を救う!
エリート検事・市川猿之助ら
“芝居モンスター”の強烈な個性がさく裂する
新時代の痛快検察ドラマが誕生
沢村一樹主演、検察を舞台にしたドラマスペシャル『東京地検の男』の放送が決定!
先入観をもたずに被疑者と向き合う、正義感の強い…だけどちょっぴり変わり者の検事が、1mmの違和感も見逃さず、絶対に諦めない執念で事件の真相を追い求める姿を描く本作には、沢村を筆頭に、“芝居モンスター”といえる演技派のキャスト陣が集結! 沢村の相棒となる検察事務官を矢本悠馬、沢村とは真逆のエリート検事を市川猿之助という実力派俳優が演じ、作品に厚みをもたせます。
“芝居モンスター”たちの強烈な個性がさく裂し、魅力的なキャラクターが生き生きと動き回る、幅広い世代の皆さんに楽しんでいただける新時代の検察ドラマが誕生しました。
沢村が「視聴者の皆さんに“正義”というものを感じていただき、さらにコロナの影響が続く中でも『諦めないで頑張ろう』『夢をもって生きていこう』というメッセージが伝わればいいな、と思っています」と語るように、理不尽なことや、思い通りにいかないことが多く、何かと我慢を強いられる現在だからこそ、「こんな検事がいてくれたら!」と、観たら絶対にスッキリした気分になること請け合いの、痛快な物語をお届けします!
揺るぎない実力と人気を誇る名優・沢村一樹が演じるのは、東京地検の検事・東丸信助。父親や兄と同じ弁護士になるのが当然の生き方だと思い込んでいたのですが、ある時、“本当に自分は弁護士になりたいのか!?”と疑問を感じたことで司法試験をあっさり断念、スーパーに就職したという一風変わった経歴をもつ検事です。たまたま遭遇したあるできごとをきっかけに検事の道を志した東丸は、毎日元気にあいさつするなど、スーパーで働いていた時に培った“普通の”感覚を忘れない、いわば庶民派検事。そんな東丸の誠実な態度が、かたくなな被疑者の心を解きほぐしていきます。
話が長い、話題がコロコロ変わる、そして捜査に没頭すると人の都合なんてお構いなし!という超マイペースな変わり者・東丸を演じるにあたり、「“愛らしい”イメージは崩さず、ちょっとオタクな感じにしてみました。東丸のオタクっぽく突出した一面は“諦めないところ”。七転び八起きという言葉のように“8回までは失敗してもへこたれない人”というイメージで演じました」と語った沢村。この言葉どおり、東丸は「検察は最後の砦」という信条のもと、決して諦めることなく事件の真相を追い求めます。
検察でのキャリアが自分より浅い“後輩”東丸とコンビを組んで2年の検察事務官・桐野圭太を演じるのは、映画やドラマなど多数の作品で稀有な存在感を発揮する今大注目の若手俳優・矢本悠馬。
矢本は、淡々と仕事をこなすイマドキの若者・桐野を演じるにあたり「一つの事件に対してきちんと向き合っている時もあれば、『めんどくせーな』と感じている時もある、一番“人間っぽい”キャラクターだと思います」と分析。そんな桐野が、マイペースな言動を繰り返す東丸をクールにあしらいつつも、結局は振り回されるはめになる…思わずクスッと笑える2人のやり取りも本作の見どころの一つです。
文句を言いながらも、結局は東丸の熱意に押されて休日返上で働く桐野、そしてそんな桐野に絶大な信頼を置いている東丸…愛すべき凸凹コンビが繰り広げる絶妙な掛け合いにもご注目ください。
沢村が演じる度を超したマイペースぶりを発揮する変わり者検事・東丸と並んで、本作に降臨する強烈なキャラクターが特捜部のエリート検事・三枝浩一。東京地検の花形部署・特捜部のエースで、次期特捜部長の座を狙う三枝を市川猿之助が演じることも決定しました。庶民派検事・東丸と対比する役柄となれば、三枝は“マジメでクールなエリート”というのが定番なのですが、本作ではその予想をいい意味で大きく裏切るクセの強いキャラクターが誕生! 「型にハマッても面白くないので、本来ならクソマジメな人物になるところなんですが、東丸とはちょっと違うお茶目な面も出してみました。僕がやるならお約束には当てはまらないようにしたいと思い、キャラクターがどんどん変わっていった」という猿之助の言葉どおり、撮影現場でどんどん三枝のキャラクターが構築されていったのです。
東丸が担当する事件と、三枝が着手した事件が思わぬ繋がりを見せることで、2人は激しい火花を散らすことになります。しかし、ひょんなことから2人は共通の大きな“敵”に向かっていくことになり…!? そこで生まれる強烈なキャラクターたちの“チーム感”に、ワクワクすること必至です!
“芝居モンスター”が勢揃いしたメインキャスト陣だけでなく、事件の関係者にも個性と実力を兼ね備えた豪華俳優陣が大集結!
被疑者として誠実な検事・東丸と出会ったことで、自供を覆して戦うことを決意する洋食店の経営者・山岡誠二を平岳大、その洋食店の店員で何やら秘密を抱えていそうな田所美香を星野真里が演じます。また、東京高等検察庁の検事長・大川克彦を羽場裕一、特捜部のエース・三枝が着手する贈収賄事件のターゲットとなる衆議院議員の秘書を野間口徹、岡田浩暉が演じることも決定!実力派キャストたちが、事件の真相を追う東丸の前に時に威圧的に、時に怪しく立ちはだかります。
さらに、富田靖子が明るく元気に東丸を支える妻・東丸恭子を演じることも決定。東丸が恭子とのなにげない会話から事件のヒントを得ることもあるなど、家族団らんのシーンも見逃せません!
ニュース
『東京地検の男』に“京都地検の女”名取裕子が参戦!女性初の検事長を目指すクセモノ検察官役で沢村一樹と16年ぶりに共演!!「みんなが閉塞感を抱えている今、このドラマを観てスカッとしてほしい」
沢村一樹主演、検察を舞台にしたドラマスペシャル『東京地検の男』に、京都地検から刺客が…!? 大人気ドラマシリーズ『京都地検の女』で、“主婦の勘”をもとに難事件を解決に導く検事・鶴丸あやを演じた名取裕子が、なんと、『東京地検の男』に出演することが決定!
本作で名取が演じるのは、東京地検の刑事部長・剣崎亮子。庶民派検事・鶴丸あやから一転、“巨大な検察組織で自分の意志を貫くには偉くなるしかない!”という考えのもと、女性初の検事長の座を狙うエリート検察官・剣崎を演じます。
剣崎は、マイペースで変わり者の庶民派検事・東丸信助(沢村一樹)が、絶対に諦めない執念で事件の真相を追い求めるがゆえに、本来の職務範囲を逸脱しないよう戒める一方で、強い正義感をもった彼を応援したい気持ちももち合わせています。しかし、東丸の行動が自身の出世に悪影響を及ぼす可能性をはらんだ時、剣崎の取る行動は…?
東丸の敵か味方か――ひと癖も二癖もある剣崎役で、名取が新たな検事像に挑みます!
沢村とは、ドラマ『年下のひと』(2005年)で恋人役を演じて以来、約16年ぶりの共演となる名取。「その時もいろんな話をして大笑いしていた思い出があるんですが、久しぶりにお会いしても全然変わっていなかったですね」と、クランクイン直後から和気あいあいと撮影が進んだと語ります。
また、本作で沢村が演じる庶民派検事・東丸について「ちょっと“男・鶴丸あや”っぽいですよね、“主夫の勘”みたいな(笑)」と分析。対する沢村は「とても気配りをしてくださる一方で、本当にあっけらかんと『私、天然だから!』と言っちゃうような方なので、実は名取さんご本人と、僕が演じる東丸のキャラクターが少し似ているな、と思っていました」と語るなど、何やらお互いにドラマのキャラクターとの不思議なリンクを感じているようで…。沢村×名取、名優2人の共演に期待が高まります!
「『こんなにやってもらっていいの!?』というくらい、期待を裏切らない面白さでした(笑)」
ドラマのストーリーと合わせて、本作の見どころとなっているのが、名取のアイデアがふんだんに散りばめられた剣崎の執務室。検察庁という巨大組織の中で、男性に混ざってトップを目指す剣崎をイメージするような“女性を象徴する”アイテムがあちこちに登場します。「お花を切ったり、お抹茶を点てたりするのもメタファーになるんじゃない?」という名取の提案で、急きょ特捜部のエリート検事・三枝浩一を演じる市川猿之助がお茶を点てるカットが追加されるなど、遊び心も満載なのです。
さらに、もともと歌舞伎の大ファンだという名取は、「猿之助さんとご一緒できるのをすごく楽しみにしていたんですけど、期待を裏切らない面白さでしたね! 『こんなにやってもらっていいの!?』というくらい、予想をはるかに超えるいろんなことをしてくださいました(笑)」と、猿之助が生み出した強烈なキャラクターを大絶賛!
検察事務官・桐野圭太を演じる矢本悠馬が、「芝居モンスター」と称した沢村、名取、猿之助が、こだわりの散りばめられた執務室で繰り広げる演技バトルは、絶対に見逃せません!
理不尽なことや、思い通りにいかないことが多く、
何かと我慢を強いられる現在の日本に、こんな検事がいてくれたら――!
観たらスカッとすること必至の痛快ドラマ『東京地検の男』を、どうぞお楽しみに!
――名取さんは『京都地検の女』の検事・鶴丸あや役が印象的ですが、本作ではその鶴丸とはひと味違う刑事部長・剣崎亮子を演じられました。演じるうえで意識したことなどはありますか?
私は、『京都地検の女』で鶴丸あやという検事の役をずいぶん長い間やってきました。今回、制作陣が同じということもあって、「主婦の勘」という鶴丸のセリフも脚本に取り入れていただきました(笑)。
剣崎は鶴丸とは随分違って、組織を大元から正したいと思っている人です。最初は、東丸の敵なのか味方なのかわからない感じなので、そのひと癖も二癖もありそうな感じが、鶴丸のように被疑者の視点をもっている正義の人…とはまた違う。たぶん相当痛い目に遭って、「自分の思想を貫くためには偉くならなきゃダメだ」と身に染みて感じた人なんだと思います。政界との繋がりを重視する上司に仕えながら、東丸のような“普通の”視点をもった人を擁護していこうとも考えている、多くの挫折を経験して“力が欲しい”と思った人なんだろうなと思いました。「やりたいことをやるには偉くなるしかない!」という気持ちで、頑張っている人を救おうとする剣崎は、演じていてとても楽しいキャラクターでした。
――名取さんの提案でいろいろなシーンが面白く肉付けされていったとうかがいました。具体的にどのようなアイデアを出されたのか、お聞かせください。
まず、衣装合わせの時から星野(和成)監督とじっくりお話して、口紅の色を濃くする、衣装にも色を使う、そして執務室にも“女性”を感じさせるものを置こうと決めました。「女性の象徴になるようなものがあればいいね」という話から、見る角度によって優しくも怖くも見える小面(こおもて)を飾ってあるんですよ。それも男性たちに混ざって上を目指している剣崎を象徴する仕掛けになっていると思います。
また、私が「お花を切ったり、お抹茶を点てたりするのもメタファーになるんじゃない?」と提案したら、(市川)猿之助さんがお茶を点てたり…本当にいろいろやってくださって、さらに面白くなりました。
本当に楽しい現場に参加させていただいて…名取裕子はご機嫌でした(笑)。
――沢村一樹さん、矢本悠馬さん、市川猿之助さんとの共演はいかがでしたか?
沢村さんとは16年くらい前の『年下のひと』というドラマで恋人役をやらせていただきました。その時もいろんな話をして大笑いしていた思い出があるんですが、久しぶりにお会いしても全然変わっていなかったですね。その後も沢村さんの作品はずっと観ていたんですが、どんどんいい味が出てきたなぁと思っていました。今回の東丸はちょっと“男・鶴丸あや”っぽいですよね、「主夫の勘」みたいな(笑)。キリッとした役もいいですが、のほほんとした沢村さんも面白いなと思いました。矢本さんとは、一緒のシーンが少なかったんですけど、沢村さんと並んだ時の“凸凹コンビ”な感じが面白かったですね。
私は歌舞伎が大好きで、猿之助さんが亀治郎さんの頃からずっと観ていたんです。最近はクイズ番組でもよくお会いするので、今回ご一緒できるのをすごく楽しみにしていたんですけど、期待を裏切らない面白さでした! テストするたびに“本番どれでやるの!?”っていうくらい、毎回違うんですよ。「こんなにやってもらっていいの!?」というくらい、予想をはるかに超えるいろんなことをしてくださいました(笑)。
――放送を楽しみにしている視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
観た方が、「自分たちもこういうことができるんじゃないか…」と思える力をくれる、ドラマって本来そういうものだと思うんです。この作品も、ニュースで話題になっていることや、私たちが実際に憤りを感じていることを上手く取り入れて、「こんな風に解決してくれたらいいな」「こんな検事がいたらいいな」と思えるような、夢や希望を与えてくれるドラマになっていると思います。
コロナだけでなく、いろいろなことでみんなが閉塞感を抱えている今、このドラマを観ている間だけでもスカッとした気分になって、留飲を下げて楽しんでいただければと思います。立場の弱い人たちが報われる…そういう世の中であってほしいという願いも込めて、前向きな気持ちになれる作品だと思いますので、ぜひドラマの醍醐味を味わってください!
名取さんも僕と同じくらい当時のことを鮮明に覚えていらっしゃるようで、お互い久しぶりだったのに、まったくそんな感じがしなかったですね。
とても気配りをしてくださる一方で、本当にあっけらかんと「私、天然だから!」と言っちゃうような方なので、実は名取さんご本人と、僕が演じる東丸のキャラクターが少し似ているな、と思っていました。長年『京都地検の女』で主演を張られた名取さんと、この『東京地検の男』でご一緒できて光栄です!
実は、名取さんとご一緒するシーンで、いきなり「お茶を点てて」と言われて、急きょ点てることになりました。あれが名取さんのアイデアだったとは(笑)! でもそういう風に、現場で出てきたアイデアで脚本が膨らんでいき、監督もそれを取り入れてくださる…その肉付けで面白い作品になったと思います。
主な登場人物
東丸信助(ひがしまる・しんすけ)
東京地検・検事。家族は妻と2人の子ども、そして愛犬。父と兄が弁護士だったため、自分も弁護士になるのが当然と疑わなかったが、ある時、それは思い込みだと気づき、スーパーに就職した。しかし、顔見知りの客が詐欺に遭った際、検事がまったく親身になってくれなかったことを知って熱い気持ちが沸き上がり、「こういう人を救いたい!」と一念発起、司法試験を経て検事になったという過去をもつ。忖度が苦手で超マイペース。検事が起訴すれば有罪率は99%という現状で、「検察は最後の砦」を信条に、先入観をもたずフラットに被疑者と向き合う。あいさつを大切にする、割引や特売に目がないなど、スーパーで働いていた頃に身につけた“庶民目線の”感覚と、決して諦めない強い正義感で“真実”を見つめる。
桐野圭太(きりの・けいた)
東京地検・検察事務官。検事としてのキャリアが短い年上の東丸を2年間サポートしている。突然話題をコロコロ変える、話し始めたら止まらない…そんなマイペースな東丸の扱いもすっかりお手のもの。職場の人間関係も淡泊、やる気があるのかないのかわからない、というイマドキの若者らしく淡々と仕事をこなしている。しかし、自分では気づかないうちに東丸の熱意に影響を受けている部分も…。
剣崎亮子(けんざき・りょうこ)
東京地検の刑事部部長。東京高等検察庁の検事長の覚えめでたいエリート検察官。「自分の意志を貫くためには偉くなるしかない!」という強い思いを胸に、女性初の検事長の座を狙っている。検察庁という巨大組織において、かじ取りの一角を担っていると自負しているため、検察の本来の職務から逸脱してでも真相を追い求める庶民派検事・東丸が暴走してしまわないか危惧している。
三枝浩一(さえぐさ・こういち)
東京地検 特捜部・検事。検察の花形部署で職務にまい進するエリートで、次の特捜部長の座を狙っている。庶民派の東丸とは真逆のタイプだが、嫌みで高圧的な言動の裏に、決して悪を許さない熱い正義感を秘めた検事。着手した大物議員の贈収賄事件の関係者が、東丸の手掛ける殺人事件のカギを握っていると知り、2人は激しくぶつかり合う。しかしやがて共同戦線を張ることになり…!?
◆
山岡誠二(やまおか・せいじ)
オープン5周年を迎える洋食店のオーナー。経営状態が悪化したため、家賃のことでもめていた不動産会社の経営者を殺害したと自供し、東丸のもとに送検されてきた。すべてを諦めたような態度だったが、東丸の真摯な問い掛けに打たれて自供を撤回。無実を訴え始める。
田所美香(たどころ・みか)
山岡が営む洋食店の店員。山岡は無実だと信じている。その一方、何かを隠しているようで…?
倉田昭夫(くらた・あきお)
特捜部が着手した贈収賄事件のターゲットとなる衆議院議員・村井修三の秘書で、三枝から取り調べを受ける。また、東丸が担当している事件の被疑者・山岡が、犯行時刻にすれ違ったと断言している人物で、アリバイ成立のカギを握っている。
田中和也(たなか・かずや)
衆議院議員・村井修三の秘書。殺人事件の捜査で東丸が倉田に話を聞きに来たことを知り、“マスコミにかぎつけられたらマズイ”と危惧している。
大川克彦(おおかわ・かつひこ)
東京高等検察庁のトップに君臨する検事長。政界との繋がりが深く、大物議員相手でも忖度なしに話を聞きに行く東丸を疎ましく思っている。
東丸恭子(ひがしまる・きょうこ)
東丸の妻。スーパーで働いていた東丸の「検事になりたい」という意志を尊重し、「3回落ちたら諦める」という約束で司法試験に挑む彼を応援してきた。無事に検事となった今も、明るく東丸を支えている。仕事帰りの東丸にスーパーでお使いを頼むのがお約束。
あらすじ
不動産会社の経営者・大橋妙子(小柳友貴美)が、刺殺された。容疑者として東京地検の検事・東丸信助(沢村一樹)のもとに送検されてきたのは、妙子から物件を借りて洋食店を営む山岡誠二(平岳大)。経営が悪化し、滞納している家賃のことで口論になった挙句、妙子を殺害したと警察で自供したという。
先入観をもたずに被疑者と向き合うことをモットーにしている東丸は、検察事務官・桐野圭太(矢本悠馬)と、逃走する山岡を目撃したという警備員会社役員・石森良雄(渡辺正行)に聞き込みを開始。続いて訪れた山岡の洋食店では、何かを隠している様子の従業員・田所美香(星野真里)が気になって…?
真犯人は別にいる…と考えた東丸の真摯な問い掛けに心を打たれた山岡は、ついに真実を語り始める。絶対に妙子を殺していないということ、自分が妙子と会っていた時間と目撃証言が食い違っていたため、警察から自白を強要されたこと、弁護士からもアリバイを証明することは不可能と言われてしまったこと…。憤りを感じた東丸は、真相を明らかにすることを誓う!
そんな中、ふと新聞を目にした山岡は、妙子と会った後、掲載されている写真の男とすれ違ったと東丸に告げる。その人物は、贈収賄事件で特捜部がマークしている大物議員・村井修三(螢雪次朗)の秘書・倉田昭夫(野間口徹)だった。東丸と桐野は、倉田に会うため、村井の事務所を訪ねるのだが…?
翌日、東丸は刑事部 部長・剣崎亮子(名取裕子)の執務室に呼び出される。するとそこにいた特捜部のエース・三枝浩一(市川猿之助)が、贈収賄事件の関係者に東丸が接触したことで、相手に警戒され捜査が行き詰ったと激怒! そんなことはまったく意に介さない東丸は、ひたすら妙子殺しの真相を追い始めるのだが、とんでもないところから横やりが入り…?
検察は最後の砦――弱きを救うため決して諦めず、強い正義感で捜査を続ける東丸を待ち受ける衝撃の真相とは…!?
コメント
――本作で検事・東丸信助を演じるにあたり、意識したことなどがあればお聞かせください。
今回、検事の役をやるにあたって、「推定無罪」を意識していました。僕が演じる東丸は、取り調べをする時、「この人を何年の刑にしてやろう」ではなく、「本当に有罪なのか? 無罪ではないのか?」と考えて、被疑者に関わる人だと思ったので、つねに「推定無罪」ということを考えながら演じました。
僕はこういった“事件もの”にたくさん出演させていただいているので、東丸を演じる際、キャラクターを差別化したいな、という個人的な欲みたいなものが出てしまって(笑)。台本を読んだ時に感じた“愛らしい”イメージは崩さず、ちょっとオタクな感じにしてみました。そういう人って、得意分野のスペックがすごく高かったりしますが、そこはあまり高くし過ぎず、一生懸命さで能力をカバーしている人、観た人が応援したくなるキャラクターにしたいな、と。突出したオタクっぽい一面は“諦めないところ”。七転び八起きという言葉のように“8回までは失敗してもへこたれない人”というイメージでやりました。
――相棒となる矢本悠馬さん、エリート検事を演じる市川猿之助さんと共演していかがでしたか?
東丸のキャラクターができ上がっていたので、三枝役の(市川)猿之助さんと一緒のシーンでは、三枝の面白おかしいキャラクターが生きればいいなと思っていました。三枝のキャラクターが前面に出てきた時には、グッと沈んだ動きをするよう意識していましたね。三枝のテンションに寄って行きすぎると大変なことになるので(笑)、少し気配を消すなど…その瞬間ごとにシーンとして面白くなるように考えていました。人間の脳ってすごいんですよ、瞬時にいろんなことが考えられるんです(笑)。
猿之助さんとは久々にご一緒しました。『サラリーマンNEO』の“セクスィー部長”ぶりでしたね。本当にいい具合にはっちゃけていて、三枝もとても面白い人物になっています。
東丸の相棒・桐野を演じる矢本(悠馬)くんは、ヤンチャ感がにじみ出ていて、すごく男気がある。そして負けん気の強さみたいなものが芝居にも出ていて、すごく面白かった! 東丸の方が年は上だけどキャリア的には桐野が先輩という関係と、僕ら自身のキャリアや性格の違いなど、いろんなものが絡み合うことで、2人の関係にすごく立体感が出ていて、面白いバランスが生まれたと思います。
――本作の見どころを含め、放送を楽しみにしている視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
劇中に、「検察は最後の砦」という東丸のセリフがあるんですが、このドラマには“この国の司法や正義はきちんと守られているはず”という期待と、“そうあるべきでしょ?”と問い掛けるメッセージが込められています。視聴者の皆さんに“正義”というものを感じていただき、さらにコロナの影響が続く中でも「諦めないで頑張ろう」「夢をもって生きていこう」というメッセージが伝わればいいな、と思っています。
――検察事務官・桐野圭太を演じるにあたり、意識したことなどがあればお聞かせください。
僕が演じる桐野はわりとイマドキの若者なのかな、と思いました。土日は休み、というのが当たり前の生活を送り、職場では上司との関係にも入り込み過ぎないタイプなのかな、と。東丸のように一つの事件を追うために自分のプライベートな時間を費やすタイプではないと思うんです。でも、一緒にいるうちに、自分にはないものをもっている東丸からいろいろな刺激を受けて、尊敬もしているんだと思います。
感情やモチベーションで仕事をしていて、やる気のあるなしがその都度変わったりする、そういう桐野が一番“人間っぽい”のかなと感じました。きっと桐野は、一つの事件に対してきちんと向き合っている時もあれば、「めんどくせーな」って思っている時もあるんですよね。僕もそういうタイプなので(笑)、珍しく自分に似た役なのかもしれません。
――主演の沢村一樹さん、エリート検事を演じる市川猿之助さんと共演していかがでしたか?
脚本を読んだ時、東丸のキャラクターが「テレビで拝見している沢村(一樹)さんぽいなぁ」と思いました。実際にお会いした時もイメージ通りで…僕が言うのは失礼なんですが、とてもかわいらしい方でした(笑)。沢村さんとはお互い素のまま本番に入っている感じでした。居心地のいい雰囲気を作ってくださる方なので、リラックスしてやれましたね。芝居をしているという感じがあまりなく、いい意味で、肩の力をバリバリ抜いてやっていました(笑)。
(市川)猿之助さんには、勝手にワイルドなイメージをもっていたんですが、凛と座ってらっしゃったり、本番まで扇子をお持ちになっていたりする、知的で品のある方でした。本当に礼儀正しく上品で…自分とは階級の違う、貴族みたいな方でした(笑)。でも、芝居は猿之助さんだけ…(笑)。驚きの芝居です! 最初はテンションを合わせた方がいいのか、どうチューニングすべきか迷ったんですが、沢村さんがいつもの東丸だったので、「合わせなくていいんだ!」と安心しました(笑)。
――本作の見どころを含め、放送を楽しみにしている視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
“検察もの”は、硬派なイメージをもたれがちなんですが、今回は東丸が相当ユニークで不思議なキャラクターなので、それを見ているだけでも面白いと思います。さらに、沢村さんや猿之助さんをはじめ、“芝居モンスター”たちの強烈な個性がバチバチしています!
捜査や聞き込みなどマジメなシーンでも、東丸と桐野に意外と緊張感がなかったり…かと思うと、急に東丸にスイッチ入ったりと、ユニークなキャラクターを見ているだけでも本当に面白い! 肩に力を入れず観ていただける作品だと思いますので、楽しみにしていてください。
――エリート検事・三枝浩一を演じるにあたり、意識したことなどがあればお聞かせください。
検事を演じるにあたり特に意識したことはないんですが、沢村(一樹)さんとかぶらないようにしようとか、俳優としての“彩り”については考えていました。脚本では、沢村さんの東丸と僕の三枝はまったくタイプが違う…対比する人物として描かれていたので、ドラマの中での“在り方”を意識していました。
東丸が庶民派で三枝がエリートとなると、エリートの三枝は高圧的で笑いの要素がない、というのがお約束ですよね? でも、そういう型にハマッても面白くないので、実は東丸とキャラが少しかぶるようにやってみた部分もあるんです。本来ならクソマジメになるところなんですが、東丸とはちょっと違うお茶目な面も出してみました。僕がやるならお約束には当てはまらないようにしたいと思い、キャラクターがどんどん変わっていきました。三枝には怖い面もあるんですが、おちゃらけた一面もある。キャラクターのどこかに“素”が見えないと面白さが出ないのかな…と思って、三枝と僕には似ている部分がないんですが、なるべく自分に近づけたいなと思って演じました。
――沢村一樹さんとお芝居で共演するのは初めてとのことですが、ご一緒していかがでしたか?
沢村さんとは『サラリーマンNEO』の“セクスィー部長”で、ふざけたコントをやっていたので、そのイメージが強すぎて…(笑)。がっつり芝居でご一緒するのは今回が初めてなんですが、マジメにお芝居してらっしゃると、それだけで面白かったです(笑)。雰囲気をよくしてくださる方なので、とても和気あいあいとした現場でした。
――現在、ドラマやバラエティーなど幅広いジャンルでご活躍中ですが、歌舞伎との切り替えなどで、意識していることはありますか?
よく歌舞伎とドラマ、バラエティーの現場では切り替えが大変そうと言われるんですが、僕自身苦に感じることはないですね。僕にとって歌舞伎は“日常”なので、特に切り替えもしていない…まったく世界が違うからいいんでしょうね。むしろ、警察と検察の役など設定が似ている作品をやり続けている人の方が大変だと思いますよ。
――本作の見どころを含め、放送を楽しみにしている視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
この作品は、2時間ものの伝統をきちんと受け継ぎつつ、東丸と三枝がイヤイヤながらも手を組むことになって生まれるチーム感というような、視聴者の皆さんに楽しんでいただけるイマドキのドラマのテイストも入っています。幅広い年齢層の方に観ていただける作品だと思いますので、ぜひご覧ください。
スタッフ
脚本
尾崎将也
ゼネラルプロデューサー
横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー
川島誠史(テレビ朝日)
島田薫(東映)
監督
星野和成
制作著作
テレビ朝日
東映