STORYストーリー

2020年12月5日(土)よる9:00~

第1夜

 都内の高級住宅街で、凄惨な殺人事件が発生した。殺害されたのは、大学病院勤務のエリート外科医・加倉井一樹(渡辺謙)の妻・陽子(夏川結衣)。その夜、加倉井は陽子を連れ、大学時代の同期、宮島光彦(杉本哲太)や石森卓(村田雄浩)らと恩師・沢村八郎(山本學)のパーティーに出席したのだが、緊急オペの要請が入ったため、陽子は先に帰宅。執刀を終えた加倉井が深夜、家に戻ったところ、1階で家政婦の女性が、そして2階の寝室で陽子がナイフで胸を刺されて絶命していたのだ…。
 思いもよらぬ出来事にがく然とする加倉井は、現場から逃げる男を発見。階段で格闘となり、頭部を殴打されて気絶してしまった。だが、警視庁捜査一課刑事・浅野和志(篠井英介)らは加倉井が2人を殺害して逃走を図った挙げ句、階段を踏み外して気を失ったものと断定。もみあった際、犯人の左腕が義手であることに気づいた加倉井は「義手の男を見つけてくれ」と訴えるものの、現場には侵入者の痕跡は何ひとつ残されておらず、結局、加倉井の主張はかき消され、逮捕されたのち、死刑判決が下された。
 絶望の底に突き落とされたまま、加倉井は東京から名古屋の拘置所へ移送されることとなった。ところが、同じく移送バスに乗っていた爆弾テロ事件の首謀者・嶋岡正彦(天野慶久)の仲間らが、山中で護送車を襲撃。横転し炎上した車内から危機一髪、逃げ出した加倉井は決断を迫られた。ここに残るか、それとも――!? 陽子の顔が頭に浮かんだ次の瞬間、加倉井は深い森の中へと姿を消していた――。
 まもなく、襲撃現場に結成されたばかりの特別広域捜査班が到着した。班長・保坂正巳(豊川悦司)は、鴨井航(三浦翔平)、柏木弥生(原沙知絵)ら部下を震撼させるほどの強硬手段で嶋岡らテロ集団を制圧。次は加倉井をターゲットに見据え、彼の行方を追いはじめる。そのころ、加倉井は脱走時に負った腹部の傷の痛みに耐えながら、逃亡者として旅をはじめていた…。