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2005年9月5日放送
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「つぐない」〜極限の戦場とある軍医の生涯〜 |

戦後57年ぶりに村人たちに謝罪する相野田さん
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今年2月、ひとりの老医師が亡くなった。相野田 啓86歳。戦争中フィリピン、ミンダナオ島で犯した罪を背負って戦後を生きてきた。その罪とは「生き延びるために現地の人を殺し、人肉を喰った」ことだった。人の命を救う医者が、人の命を食ったのである。このおぞましい過去を償うため、彼はフィリピンで無料の医療活動を10年以上続けた。だが罪を犯したその村にはいけなかった。しかし自分の死期を感じ、遂にその村へ贖罪に行く決心をする。涙ながらに謝罪する彼の姿に、険しかった村人たちの表情が少し和らぐ。死の直前、彼は妻に「戦争を語り継いでほしい」という遺書を残した。
1993年から12年間、極限の戦場から生還した軍医の償いの日々を取材した全記録である。戦争を始めるのは常に国家だが、戦争の責任や痛みを背負うのは個人であることを、ひとりの元軍医の苦悩を通じて静かに訴える。
(制作:テレビ朝日)
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