
医療ミスで重い後遺症が残った吉川俊司さんと母親みどりさん
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吉山俊司さん(28)は、小学校6年生のとき、頭痛と発熱を訴え近くの小児科医院で診察を受けた。アスピリンなどを処方され、帰宅させられたがその後、意識不明となった。小児科医は総合病院に運んだがすでに手遅れだった。急性脳症となり言語能力も失っててしまった。家族は小児科医を訴えた。一審、二審とも敗訴したが、6月15日、大阪高裁の差し戻し審は「原告側が医療ミスを証明しなくても、相当の理由があれば医師の責任は問える」と原告家族側にとって画期的な判断を示した。一人の母親が、重い障害を引きずりながら必死に生きようとするわが子の姿にうたれ起こした訴訟が、今後の医療裁判で「医者の責任」を問いやすくするという状況を導き出したのだった。
(制作:朝日放送)
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