2005年5月9日放送
「ジャピンドわれアジアに死す」〜インドネシア残留日本兵悔恨の生涯〜

ジャカルタのカリバタ英雄墓地に眠る残留日本人兵の墓参りをする    宮原永治さん(85歳)
2005年2月20日、インドネシア残留日本兵伊丹秀夫さん(83歳)が亡くなり、ジャカルタの英雄墓地に葬られた。第二次大戦の終戦後独立戦争に参加した日本兵は約1千人、半分が戦死し、残り400人が日本国籍を捨ててインドネシア人として生きた。現在残るのは10人。その一人志田安雄さん(84歳)は、1964年から取材してきた人だ。田中幸年さん(97歳)と一緒に独立戦争で戦死した仲間の墓を探してきた。鬼籍に入った仲間の中には、妻子を捨てた者もいる。41年前、帰国して老父母と涙の対面をした故吉永速雄は、のちに日本で死にたいと語った。その子供や孫は、今日本に出稼ぎにきている。残留日本兵は今、「人生の選択は正解だった」と語る。しかし、胸の奥には、深い悔恨と罪の意識が埋もれている。独立戦争で戦死した友のことを日本の遺族へ伝えなかったこと、日本にいる妻子を捨てたことだ。41年にわたる取材によって、戦争が個人に沈潜している姿を浮き彫りにする。

(制作:朝日放送)


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