
白屋地区の斜面に発生した亀裂を調べる国交省の調査団
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奈良県の山間部、川上村に完成した大滝ダムで、2003年3月、試験的に貯水が始まったが、1ケ月後、ダム上流に位置する地区の家屋や道路に多数の亀裂が発生。調査の結果、貯水が原因で上流の地盤バランスが崩れ、地滑りが発生したことが明らかになった。住民77人は、いま不便な避難生活を強いられているが、その後は、慣れ親しんだふるさとを捨て、他の地域へ永住移転しなければならない。
また、ダム補修、地滑り対策や住民の移転費用などとして、新たに270億円の税金が投入されることにもなった。計画段階で住民は今日の事態を指摘していたが、42年後、それが、現実となった形だ。見通しの甘いダム行政がもたらした混乱を描く。
(制作:朝日放送)
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