2003年8月25日放送
「弟」〜塀に引き裂かれた37年〜

弟のトロフィーを磨く
袴田秀子さん
1966年6月、旧清水市で味噌会社専務一家4人が惨殺される事件が起きた。警察は味噌会社の従業員で元プロボクサーの袴田巌(当時30歳)を逮捕し、裁判では決定的な証拠がないまま死刑が確定した。巌は獄中から一貫して無罪を叫び続け、姉の秀子(70)もきょうまでの37年間、弟の無実を信じ、救援活動を行ってきた。弟が収監されている東京拘置所にも毎月のように通い、励まそうとするが、巌は長年の拘禁でノイローゼになり、最近は面会を拒否することが多い。秀子は「弟を一刻も早く獄中から出し、正常な体に戻したい」と願う。現在、裁判のやり直しを求める再審請求が行われていて、来年の春には東京高裁の判断が出るとみられている。秀子も弟と同様にこの事件に人生を変えられた。事件後結婚もせず、ただひたすら弟の無罪を勝ち取るためだけにこの37年を生きてきた。死刑囚と呼ばれる弟を持つ1人の女性の生き方を追った。

(制作:静岡朝日テレビ)


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