放送したお宅
2013年2月1日(金)放送
千葉県四街道市・森岡邸
− 弓道場のある古材の家 −

2007年3月

敷地面積 1259平米 (380坪)
建築面積 161平米 (49坪)
延床面積 184平米 (56坪)
木造
建築費:非公開 坪単価:非公開



新潟にあった古民家の木材を利用した新築住宅。射位から的まで28mという公式規格の弓道場を設けるため、それに合わせた敷地探しから始まりました。

玄関扉や照明などに使用される古物は施主がインターネットなどを駆使して集めた物。沓脱ぎ石や畳が武家屋敷を思わせます。鴨居には道場の看板が掛かっています。

弓道場は広さ28畳。弓を引く前に持ち上げる動作に合わせて天井高も4m以上あります。この広さでも2人用サイズだそうです。

弓道場に隣接する和室。広さは4.5畳+床の間。客間などに使用します。上部はロフトになっていて“酒蔵”として利用されています。

約19畳大の居間。中心に階段を置き、南が掘り炬燵のある茶の間、北が囲炉裏の間となっています。天井を張らず古材の木組みを見せる空間です。

囲炉裏の間に隣接する和室は和服を着る機会の多い建主のための衣装部屋。広い裏庭に張り出した月見台は建主によるDIYです。

台所は土間。機器は建主がインターネットで手に入れた業務用です。水屋箪笥や火棚風の格子など収納にも古物を採り入れています。

浴室は、床が十和田石、壁はヒノキ、天井はスギ張りです。石庭となったバスコートはやはりDIYです。2階からは古材の木組みをより近くから楽しめる空間です。

建築家のプロフィール
岩熊 宏
1971年 千葉県生まれ
ICSインテリアデザイン科卒業
(現在、ICSカレッジオブアーツ)
1995年 独立
2001年 設計事務所設立
現在、熊家
設計事務所と工務店として活動

熊家民家再生
岩熊宏二級建築士事務所
所在地 〒297-0026千葉県茂原茂原117-1
電話 0475-22-8898
FAX 0475-22-8919
E-mail info@kuma-ya.com
URL http://kuma-ya.com/

建築家の一言
「自宅で弓を引きたい」というご夫婦の要望により、
まずは、長い土地(射場〜的(安土)間28m)探しから
お手伝いをしました。1年がかりで現在の土地に決定。
その間、候補地が見つかると、現地調査、図面(プラン)作成と何度かくりかえす。
「ビルトイン車庫」「住宅」「弓道場」この3つの要素をどう組み合わすか・・・。
古民家移築や現地再生では、この条件を満たすことがむずかしく、
古材を織りまぜた新築となった。
設計するにあたり、弓道(作法も含め)を学ぶことから始まり、
思い出深い建物となった。
現在はご夫婦で三味線をやったり、月見台(デッキ)を造り直したりと、
バイタリティーのある生活をしています。
渡辺篤史の感想
凛とした空気が流れる空間です。心安まる懐かしい佇まい。思い立ったらすぐ練習できる弓道場。日本の文化を継いで行くような思い・魂を感じます。皆がこうした気持ちを持って生きて行く事が必要なのではないかと思います。