放送したお宅
2013年1月18日(金)放送
東京都江戸川区・小島邸
- NY在住建築家 両親の家 -

2012年8月

敷地面積 122平米 (37坪)
建築面積 59平米 (18坪)
延床面積 112平米 (34坪)
RC造
建築費:2666万円 坪単価:79万円



NY在住の日本人建築家が70代の両親のために設計した家。コンクリート内断熱、太陽光発電、雨水利用など環境性能にも配慮しています。

玄関は2階分の吹き抜け。米国製のボリュームのあるペンダント照明と壁に掛けた手のオブジェが迎えます。東面の大きなガラス窓を通して坪庭が見えます。

1階LDKの広さは約25畳。壁・天井・家具を白色で統一した明るい空間です。床にはセラミックタイルを使用。玄関ホールから段差・建具の無いバリアフリー空間です。

円形の食卓を一体化した対面キッチン。シンクは大小ダブル。ベジタブルシャワー付きの水栓は米国からの直輸入品です。

トイレ・浴室はバリアフリーに配慮し、段差が無く、出入り口を幅広にしています。シャワーには様々なパターンを楽しめるパネル型を採用しています。

角度を緩やかに設定した階段。滑り止めの溝に白色の樹脂を流し込んで視覚にも配慮。踊り場に建て替え前の写真を新聞写真風に加工したアートが架けられています。

2階ホールの広さは約6畳。ワークデスクも設置しています。気温差による体調不良を防止する全館空調のコントロール部はここに収納されています。

寝室の広さは約10畳。壁面にお孫さんたちの写真をポップアート風に加工したアートを飾っています。予備室には思い出の品々を飾っています。

建築家のプロフィール
小島龍史(Ryushi C. Kojima)
1963年 東京生まれ
1988年 ニューヨークに移転
1991年 New York School of Interior Design
室内建築・デザイン科卒
1993年 RCK Design Associates Inc.を主宰

RCK Design Associates Inc.
所在地 301 East 79th Street, 31st Floor, New York, NY 10075 USA
電話 1-212-472-5253
E-mail rckdsgn@rcn.com
URL http://www.RCKdesign.com

建築家の一言
限られた敷地にコンパクトでスマートな機能を取り入れた住宅を東京で完成させました。
アメリカの建築仕様と日本の建築仕様の長所を生かし、規模も総工費も庶民的でありながら高級感を出し、昨今の自然災害に強い構造、エコ機能をも考慮した住宅です。
メゾネット方式の低層マンションと戸建てのそれぞれの建物の特徴を引き出し、凝縮し、これまでのマンション派や戸建て派の人の考えの境界線を取り払い、両者にも受けいれられるような機能とデザインにしました。
今回のクライアントはリタイアされたご夫婦です。
そのため、バリアフリーやヒートショック防止のための全館空調、なだらかな階段、全館LED照明や太陽光発電による節電、火災防止のためのオール電化などを重視し、シニアに大変に優しい機能と設備を導入しました。
耐久、耐震、耐火、防水、断熱、 遮蔽、遮音、 防犯、安全、環境、デザイン、資産価値に優れた住宅が、これからの日本に増えていくことを願って止みません。
この作品が、今後の都市型住宅の一つのリファレンスになれば嬉しく思います。
渡辺篤史の感想
70代のご夫婦の終の棲家です。設計はNYを拠点に活躍している建築家である息子さん。設計者と現場が離れていると監理が難しいのではないかと思いますが、そこは施工者と電話やインターネットを駆使してイメージを共有する事で乗り越えたそうです。まさに現代らしいユニークな試みです。
できあがった建物は高齢のご両親に対する配慮があふれています。それでいてデザインは若々しく、明るい未来への希望を感じる建物でした。