放送したお宅
2012年11月30日(金)放送
神奈川県二宮町・髙橋邸
- 相模湾を望む高台の家 -

2011年1月

敷地面積 823平米 (248坪)
建築面積 122平米 (37坪)
延床面積 163平米 (49坪)
木造(在来工法)
建築費:4000万円(設計料込み) 坪単価:80万円



玄関のみ共有する2世帯住宅。玄関側の壁は白いモルタル仕上げ。照明などアンティークな雰囲気を醸します。玄関ホールから各世帯へのドアにはステンドグラスをはめています。

南北に長い子世帯と東西に長い親世帯を玄関で繋いだL字形平面。両世帯に挟まれた庭は家庭菜園になっています。庭側の外壁は黒い杉板張り。

子世帯の居間・食堂の広さは約18畳。床は無垢の杉板、壁は珪藻土と自然素材にこだわりました。壁は家族総出で塗ったものです。南面の開口には相模湾のパノラマが広がります。

家具には古道具をアレンジして使用。居間の一部を小上がりにしてテーブルに座った人と卓袱台に座った人の目の高さを合わせます。台所はカウンター越しの別室にしています。

台所はメインとお菓子作りなど趣味用の2つ。2階の南端は将来の子供室。将来、ロフトを増設し2分割できるよう考慮されています。

主寝室から親世帯の屋根に張り出す形でベンチを設けました。相模湾の景色を更に高い位置から楽しめます。

親世帯はバリアフリーを意識した平屋。昼間は寝室も障子を開けてワンルームとして使用しています。南面の開口は、掃き出し窓と腰窓を場所に応じて使い分けています。

対面式の台所は、使い勝手を優先し、扉の無い収納を多く設けました。水回りとの間の壁は上部を開けて、気配を感じられるようにしています。

建築家のプロフィール
高橋一総
1975年 東京生まれ
1999年 東京理科大学修士課程卒業
1999年
 
(株)計画・環境建築入所
杉本洋文(現東海大学工学部建築学科教授)に師事
2007年 (株)加賀妻工務店に転籍

株式会社 加賀妻工務店
所在地 神奈川県茅ケ崎市矢畑1395
電話 0467-87-1711
FAX 0467-87-1713
E-mail info@kagatuma.co.jp
URL http://www.kagatuma.co.jp

建築家の一言
アプローチは旗竿状となっており、道路からは建物の少ししか見えない。
アプローチから玄関の屋根が見えるように玄関を平屋としている。
建物は平屋と2階屋を組み合わせたL字型で、眺望を臨める素直な形を考えている。家族構成はロフトのある平屋に親世帯、2階屋に子世帯の2世帯住宅である。南側のデッキは親世帯から子世帯までつなげており、畑を囲み、日々の暮らしを満喫できる。平屋の屋根上に眺望デッキがあり、景色を一段と楽しめる。外壁は板張りと左官仕上げに大屋根を架け、軒を深く出している。内部はシンプルな架構とデザインを心掛け、紀州の山長商店の杉の力強い木組みと、加賀妻工務店の大工・職人の手仕事が融合されるような空間を目指している。
この住まいをとおして、2世帯~4世帯、3~4世代まで暮らして頂ければと願っている。
渡辺篤史の感想
海を望む高台の良い場所にたっています。両親と若夫婦の2世帯住宅ですが、設計の打ち合わせには毎回、姉夫婦を加えた8人で参加していたそうです。壁塗りなど一部施工にも参加しました。完成した建物は自然素材を多用したナチュラルな雰囲気。ここで暮らすご家族の生き方を映したような清々しさを感じます。