放送したお宅
2012年11月16日(金)放送
東京都国分寺市・岩佐邸
- 何でもDIYハウス -

2011年5月

敷地面積 83平米 (25坪)
建築面積 33平米 (10坪)
延床面積 66平米 (20坪)
木造2階建て(軸組構造)
建築費:1537万円 坪単価:76万円



片流れ屋根の建坪10坪の家。外壁は白い吹き付けを主体に一部を木張りにしています。木張り部分に設けた扉の取っ手には古い灰掻きを利用しています。

玄関と思いきや屋外空間=前庭です。植栽を始めとする庭造りは建主によるDIY。いわゆる玄関は無く、縁側のようなデッキから室内へ入ります。

1階は16畳のLDK。対角に2つの庭を設け、視覚的な距離と抜けを作り、面積以上の広がりを生んでいます。天井・壁の珪藻土塗り、床の大理石張りもDIYです。

台所(食卓一体のシンク台、壁側のガス台共に)は妻が描いた図面をもとに夫が組み上げました。担当した設計事務所は建主が施工に参加することを勧めています。

ハードな大理石張りの食堂・台所とは打って変わって居間の床はソフトなパイン。テレビ横の小さな地窓から前庭がのぞけます。

西の庭にはウッドデッキを張って室内の延長のように使用しています。ブルーベリーなどを植えて料理にも利用。上階のバルコニーが軒のような役割も果たしています。

2階はプライベート空間。6畳大の子供室は将来2分割する予定。天井の板張りと塗装もDIYです。洗面・脱衣室の床は台所と同じ大理石張り。もちろんDIYです。

バルコニーは家事動線を配慮して水回り近くに。寝室に隣接するウォーク・イン・クローゼットにロフトへ上がる梯子があります。

建築家のプロフィール
小山和子・湧井辰夫
小山和子
1955年生まれ。
女子美術大学芸術学部卒業。
87年に小山一級建築士設計事務所を設立。
95年に湧井と共同でプランボックスを設立。
プランをつくることが三度の食事より好き。
施主の「物語り」が形になる瞬間が至福の喜び。
湧井辰夫
1951年生まれ。
工学院大学専修学校建築科卒業。
80年に(有)湧井建設設計事務所を設立。
95年に小山と共同でプランボックスを設立。
「ものづくり」に徹底してこだわり、施工にあたる職人のかたがたとの一体感、
現場でのアドリブ感を大切にしながら設計活動を続ける。

プランボックス一級建築士事務所
所在地 東京都世田谷区大原1-23-21 SHIMOKITAZAWA WITH'S 303
電話 03-5452-1099
FAX 03-5452-1094
E-mail plan@box.email.ne.jp
URL http://www.mmjp.or.jp/p-box/

建築家の一言
予算も面積も小さな家、でも、家族にちょうど良い大きさです。
無駄を省き、自然素材にこだわり、ていねいに作りました。
だから家中が心地よく、お気に入りの場所になりました。
ローコストのためのDIYも家族の絆を強める大切な思い出になりました。

プラン、素材のポイント

●床面積に参入されない外の玄関。
 面積を小さくするためにそうなったのですが、
 高さのある板塀で囲んだことで室内のような雰囲気。
 屋根が無いため季節感バッチリです。

●建物の斜め角に活用性のある半戸外。
 大きな一つのドンとした庭より、
 斜めに設置した半戸外で距離感がうまれ室内が広く感じます。
 外周壁も増えるので風通しがよいです。

●窓量をおさえて壁量を増やす
 窓を開け過ぎず、壁量をきちんと確保しています。
 テレビ置場や 階段もむき出しにせず、
 穴のような表現にしています。

●お気に入りの素材にこだわる
 すべての素材が身に近くなるので、
 包まれても嫌ではない素材にしました
 自主施工してでも本物にこだわりました。
渡辺篤史の感想
狭小住宅と呼べる規模の住宅です。しかし、対角線を生かし外の空間を上手に室内に取り込む間取りによって実際の面積を超える広がりを生んでいます。家づくりには、ご夫婦そしてお子さんも積極的に参加しました。壁・天井の塗装はもとより床張りや台所を造ることまでやってしまいました。ご家族にとって最高の思い出ですね。そして、これからも家族の成長と共に造り続けられることでしょう。