![]() |
2012年11月9日(金)放送 埼玉県上尾市・内田邸 − 外壁が3°傾いた家 − |
||||||||||||||
|
|||||||||||||||
| 宮澤 豪 | ||||||||||||
|
||||||||||||
| 株式会社 宮澤建築設計室 一級建築士事務所 | ||||||||||||
|
||||||||||||
| 「目の字プランの住宅」 敷地は北側に幅員4m未満の道路(2項道路)、そして周囲は築30年以上の古い住宅と、新築住宅が混在する住宅地であり、西側の住宅超しには大きな梅の木が存在するという周辺環境でした。 施主からの要望は「ゆとりがありながらもコンパクトである」、「周囲からの視線を遮りながらも自然光を取り入れられる」という条件がありました。 それは都内の狭小住宅にみられるような極度な「コンパクトさ」ではなく、最低限のゆとりを持てるほどよい床面積を保ちながらも、廊下などのスペースを削ぎ落とすことによる「コンパクトさ」を求められました。 そこで本計画は日本の伝統的な農家の間取りにあるような、各室が隣接することにより床面積を最大に確保できる「田の字プラン」をヒントに、1階はダイニングキッチン・リビング・階段室・和室を並列に配置した「目の字プラン」とする計画にたどり着き、ここでいう「コンパクトさ」のある計画にたどり着きました。 2階はワークスペースと洗面スペースが主寝室から予備室までのつなぎの空間となることで各空間が隣接し、1階同様に無駄を削ぎ落とした計画としています。 また、周囲からの視線を遮るためには、閉鎖的な外観とするというストレートな解決方法をとりました。 2階の中心にある中庭的なバルコニーと吹抜け、随所にあるトップライトが閉鎖的な外観でありながらも自然光を取り入れるような計画としています。 各室には部分的に斜めの壁や天井、アクセントカラーを採用することで均一ではない広がりのある空間となるよう配慮をしています。 斜めに張り出した外観は、その内部に空調ダクトや縦樋を設け、意匠性と設備機能の更新性に配慮した計画としています。木造通気工法を採用しているため、通気層に雨水が侵入した場合でも、居室側の壁面には雨水が触れないよう配慮し、外壁保護に対する観点からの機能的な美しさを目指したデザインとしています。 |
||||||||||||
| ご夫婦共に設計の仕事をされているプロですが、自宅の設計に際して敢えて知人の建築家に依頼されました。文字通り施主と建築家のコラボレーションによって生まれた住宅です。壁が傾いた外観のインパクトに目を奪われがちですが、室内は至る所に心使いが感じられます。大胆にして繊細な建物です。 | ||||||||||||