放送したお宅
2012年9月14日(金)放送
東京都稲城市・角田邸
− 庭とつながる土間ダイニング −

2011年6月

敷地面積 445平米 (135坪)
建築面積 90平米 (27坪)
延床面積 110平米 (33坪)
在来木造2階建て
建築費:2255万円 坪単価:68万円



両親宅の敷地の一部を分筆して建てた若夫婦の家。元々あった庭木を可能な限り残した計画です。母屋との間には共用の車庫があります。

玄関ドアをくぐるとホームベース形をした24畳大のLDK。小上がりになった居間を除いた大部分はタイル張りの“土間”になっています。

“土間ダイニング”は床を低く設定。庭面の大開口は、木製サッシの引き込み戸とし、敷居も床下に収めて、屋内と庭との連続性を高めています。

アイランド型の台所カウンターはダイニングの形と同じ変形5角形。作業しながら、正面の庭はもちろん、背後の母屋との間の庭も楽しめます。

小上がりになった居間は広さ5畳強。ここで初めて靴を脱ぎます。床座で視線が低くなる事で、傾斜した天井の表情をより楽しめます。

台所に隣接したパントリー。台所側と廊下側と2方向で出入りできます。冷蔵庫を収めLDKをすっきりさせる他、洗濯機も収めて家事動線を短縮します。

1階東端にある約7畳大の客間。専用のデッキがあり、東側の窓を楽しめます。北端に造られた浴室からは坪庭が楽しめます。

2階は、ホールを兼ねたプレイルームと寝室として使っている個室。将来の間取りの変更に備えた空間です。

建築家のプロフィール
向山博
1972年 神奈川県藤沢市生まれ
1995年 東京理科大学工学部建築学科卒業
1995年〜1998年 鹿島建設
1998年〜2001年 シーラカンスK&H
2003年 向山建築設計事務所 設立

向山建築設計事務所
所在地 東京都世田谷区北沢3-15-7-103
電話 03-5454-0892
FAX 03-5454-0892
E-mail mukoyama@mukoyama-architects.com
URL http://www.mukoyama-architects.com

建築家の一言
両親の母屋と隣接し共有の駐車スペースとともに計画しました。新しい住まいに多くの友人を招きたいご主人。時に気を使わず静かなスペースも確保したい奥様。その2つスペースのあり方を模索しました。
落ち着いた2階建の生活スペースを確保し、その南側に大きく庇を広げ、その下に雨宿りするかのように友人が集まれる大きな土間のLDKを設けています。
LDKは敷地の形状に添うように三角形とし、底辺部分の長い部分が南庭に大きく開かれ、庭と一体的に利用できます。この家には玄関が無く、友人を招き入れるLDKはそれ自体が玄関になっています。あまり細かく部屋を仕切らず視線や風が通るようにすることで、 敷地に残された緑を家の中に居ながら楽しめるようになっています。
渡辺篤史の感想
先祖代々の庭を生かす家づくりです。数年では育たない立派な庭木を残し、その庭を存分に楽しむ土間空間です。和洋折衷と言いますか、それぞれの良い所を抽出して形にした生活空間です。ここに身を置いて庭を眺めていると、時間がゆったりと流れていくような、そんな印象を持ちました。