放送したお宅
2012年8月17日(金)放送
東京都杉並区・筒井邸
− 多彩な趣味を生かす家 −

2011年3月

敷地面積 93平米 (28坪)
建築面積 53平米 (16坪)
延床面積 124平米 (38坪)
混構造(地下:RC造、地上:木造)
建築費:3900万円 坪単価:103万円



北・東で接道する角地。白い箱に黒い箱が斜めに突き刺さったように見える外観。植栽が緑の多い街並みに調和しています。玄関扉はステンレス鏡面仕上げです。

内部は地上2階・地下1階で5層のスキップフロアになっています。床材には、炭化加熱処理によって生じた割れ目に充填材を入れた製品を使用しています。

2階は約20畳大のワンルームLDK。食堂・台所と居間との間に約50cmの高低差をつけています。多面体の天井が陰影を描き、空間の広がりを感じさせます。

2階上層は居間とご主人の書斎。ワークデスク正面の赤い壁は下階まで繋がっています。地階の坪庭上部の吹き抜けが光の煙突のように各階に光をもたらします。

2階下層は人を招く事が好きな夫婦に合わせた広い食堂・台所。奥様の要望で設置された収納ですが容量は充分。大きなカウンターは2人以上で作業できます。

食堂・台所に隣接するデッキの一部には土を入れてハーブ等を育てています。1階上層は奥様の書斎を兼ねた家事室と水回り。坪庭上部の吹き抜けに面し、吹き抜けで上階とも繋がります。

同じく坪庭上部の吹き抜けに面した浴室は開放的。玄関と同じ1階下層にある寝室は、内部にクローゼットとトイレを備えます。

地階は奥さんのダンス練習室と収納。床材には耐久性の高い竹集成材を使用。ウッドデッキを張ったドライエリアは一部に土を残しヒメシャラを植えています。

建築家のプロフィール
筒井紀博
1972年 茨城県生まれ
1995年 日本大学理工学部海洋建築工学科 卒業
石井和紘建築研究所、平野智司計画工房を経て、
2002年 筒井紀博空間工房 設立

一級建築士事務所 筒井紀博空間工房
所在地 東京都杉並区久我山4-1-9 久我山ビル401
電話 03-3247-8922
FAX 03-6657-8525
E-mail tsutsui@ktts.jp
URL http://www.ktts.jp

建築家の一言
1848年に発見された巨大な小惑星「metis」。
不規則な外観をしていながらも、太陽の回りを3.69年という周期で規則的にまわっています。
相反する不規則性と規則性。
そして静寂の中で浮遊し続ける存在感。
その対比と存在感を建築で表現した住宅です。
敷地は閑静な住宅街の角地に位置し、クライアントは40年連れ添った夫婦二人。様々な要望の中で、大勢が集えるダイニングとダンスを踊ることのできるスタジオ、これら大きめなボリュームを地下と2階に振り分け、スキップフロアの構成からなる5層の床レベルの中に他の空間を配置しました。
平面的なズレ、断面的なズレ、これらを上手く利用しながら、各々の部屋がひとつの空間として繋がっています。
光と影、有機と無機、柔らかさと堅さ、過去と未来、ミクロとマクロ・・・
これらの対比も空間の中に配し、さらに高低差の意識を無くすことによって、全体として軽さとは異なる浮遊感のある空間も試みています。
今まで培われてきた人の持つ固定概念。
この感覚に疑問を持たせ、新たなる住まいの快適性を認識できる空間が生まれました。
渡辺篤史の感想
建築家である息子が両親のためにデザインした建物です。機能的な面を考えて細かい所まで、きっちりと設計されている印象です。そうしたディテールの積み重ねが全体としては大らかな空間になっています。様々な物を受け入れる大らかさ。それは両親への愛情ばかりでなく、創造の神に対する畏敬から生まれた物だと思います。