放送したお宅
2012年4月27日(金)放送
東京都日野市・大内邸
- 桜並木と川面を愛でる家 -

2009年4月

敷地面積 130平米 (39坪)
建築面積 63平米 (19坪)
延床面積 110平米 (33坪)
在来木造
建築費:2835万円 坪単価:86万円



道路を挟んで桜並木に面した敷地。左官壁と所々の木部が周辺環境とマッチした落ち着いた外観の建物です。眺望を活かすため、2階に広いテラスを設けています。

内開きのドアをくぐると、土間の広い玄関。隣接するワークスペースと共に“通り土間”を形成し、南側の庭へのスムーズな動線を作ります。

2階にあるLDKは約15畳の広さ。放物線を描く天井がテラスまでの一体感を演出。南北の大開口と相まって開放感を生みます。桜の季節には食卓で花見ができます。

対面式のキッチンは造り付け。食器はもちろん、スパイスや生ゴミ処理機まで納める機能的な収納付きです。左右どちらからも入れる回遊動線が確保されています。

桜並木だけでなく、その先に広がる川の景色を楽しめるテラス。一部に天窓を設けた屋根があり、リビングの延長のような内外の曖昧な空間です。

輻射式暖房の放熱フィンを間仕切りにして、LDKから独立させたAVコーナー。一部が吹き抜けになっていて本棚は上部まで広がっています。造り付けソファは収納兼用。

2つの子供室はロフト付き。ロフトはAVコーナーの吹き抜けと繋がっていて、プライバシーを守りつつ気配が感じられます。

洗面・浴室は床・壁がタイル張り、天井はヒノキ張りです。3.3畳大の和室は用途を決めない多目的室。ここからも桜並木を楽しめます。

建築家のプロフィール
増岡徹・陳雅琳(チン ヤリン)
増岡徹 プロフィール
1962年 埼玉県入間市生まれ
1985年 工学院大学工学部建築学科卒業
1987年 工学院大学大学院修士課程修了
1987年~97年 (有)宮脇檀建築研究室
1998年~ 増岡徹設計室
2006年~ 増岡設計室

陳 雅琳(Chen Yalin)プロフィール
1969年 台湾省高雄市生まれ
1989年 台南家政専科学校卒業(現:台南應用科技大学)
1989年 遠鼎建設会社入社(台北市)
1991年 来日
1997年 日本大学生産工学部建築工学科居住デザインコース卒業
1999年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了
1999年~2002年 久米設計
2002年~2005年 レミングハウス
2006年~ 増岡設計室

MAS/AN 一級建築士事務所 増岡設計室
所在地 〒358-0042 入間市上谷ヶ貫589-1
電話 04-2968-5078
FAX 04-2968-5078
E-mail t-mas@ga2.so-net.ne.jp
URL http://www.mas-an.com

建築家の一言
『お花見テラスと、ワークスペースが、内と外をつなぐ家』

『桜並木の家』は、4人家族のためのコンパクトな住まいです。
敷地は北西側が川の土手に面し、とても環境に恵まれています。
川沿いには綺麗な桜並木があり、遠くには奥多摩の山並みや富士山を望めます。この環境を生かすために、主空間を2階に上げ、大きな開口部やテラスを設けて、外の風景と繋がるように考えました。
また1階には、この環境をよりアクティブに生かすために、ワークスペースを設けました。
このワークスペース=通り土間は、川沿いの通りと庭を繋ぎ、洗濯物を干したり、自転車を置いたり、軽作業をしたりと、快適な生活を支えます。
2階は全体的に開放的な造りですが、一部に小さく閉じた、もう一つの居間『AVコーナー』を設け、対照的なスペースとしました。
また、台所を中心とした回遊性のあるプランとし、洗面所から便所、バルコニーを通る、もう一つの回遊性も実現しました。
渡辺篤史の感想
住み始めて3年、ご家族皆さん住み心地が良いとおっしゃっています。設計者は、吉村順三さん~宮脇檀さん~中村好文さんと繋がる系譜の方たち。ディテールまでさりげなく気遣いが生き届いている印象です。 また、家のいたる所に本棚が設えてあり、読書のできる場所が沢山あります。私も本が大好きなので羨ましい限りです。