放送したお宅
2012年4月13日(金)放送
神奈川県藤沢市・吉邑邸
− 小学校のような懐かしい家 −

2011年3月

敷地面積 118平米 (36坪)
建築面積 46平米 (14坪)
延床面積 93平米 (28坪)
木造
建築費:2100万円 坪単価:75万円



家型にシンプルな形の窓の開いた正面外観。外壁は敢えてムラを出したモルタル仕上げ。テラスと駐車場の間に目隠しの塀を設けています。

柱を中心に平面を4等分した現代版田の字プラン。玄関を入ると1階の1/4を占める土間が広がります。天井=2階の床の一部をグレーチングにして明かりを落とします。

インテリアのモチーフは古い小学校の木造校舎。パーケット張りの床や黒板塗装した台所カウンターがレトロな雰囲気を醸します。

古い小学校をモチーフにしたのは、以前から愛用しているユーズド家具に合わせるため。新たに購入したスイッチプレートもレトロ・イメージの製品を選んでいます。

対面式の台所。吊り棚を作らないシンプルな造作。IHを採用する事で、天井に防火材を張らず梁を露出した木の質感を強調した仕上げが可能になりました。

洗面室のシンクは理科実験室用のシンプルな物。トイレの壁には映画のチラシ等を張って楽しんでいます。

2階も1階同様、柱を中心に4等分した間取り。オープンな書斎兼趣味室を除く3部屋は、入口がどこかわからない遊び心のあるデザイン。

3つの個室は同じ広さ。卍形に配置された収納の扉は色を各部屋ごとに違えています。

建築家のプロフィール
白子秀隆
1976年 神奈川県川崎市生まれ。
1998年 東海大学工学部建築学科卒業
2000年 東海大学大学院工学研究科修了
2000年 インターデザインアソシエイツ
2003年 若松均建築設計事務所
2008年 白子秀隆建築設計事務所設立
2011年 東海大学非常勤講師

白子秀隆建築設計事務所
所在地 東京都目黒区八雲3-30-1 サクラテラスE
電話 03-3723-8775
FAX 03-3723-8775
E-mail shirako@shaa.jp
URL http://www.shaa.jp

建築家の一言
「田の字プランによる、どこか懐かしい居場所」
お施主様に最初にお会いした時、好みの家具や雑貨などの断片的なシーンを集めた写真をお持ちでした。あえてポラロイド風に変換した、どこか懐かしい質感が印象的で、その写真から「どこにでも座れるような自由な空間」「昔の小学校のような雰囲気」「パーケットフロア」をキーワードとして、設計が始まりました。建物の構成は、正方形の平面を単純に4つの部屋に分けた田の字プランとしていますが、天井の梁の向きが違ったり、土間の床の部屋があったり、それぞれの部屋の素材を微妙に違えています。一枚一枚、味わいの異なるポラロイド写真のように、どこか不揃いでゆるい空間は、住み手の感性が自由に発揮でき、居心地のよい場所になるのではないかと考えました。
渡辺篤史の感想
若い夫婦の新築住宅ですが、懐かしさを感じます。昔の小学校をモチーフにされたそうですが、正に建物全体が家族を育むやさしさに満ちている感じが致します。建築家は建主と同年代だそうで、設計の途中も共に夢を語り合ったりと話が弾んだに違いありませんね。