放送したお宅
2011年12月23日(金)放送
東京都目黒区・松尾邸
- すべり台がめぐる家 -

2009年3月

敷地面積 110平米 (33坪)
建築面積 66平米 (20坪)
延床面積 164平米 (50坪)
木造在来工法
建築費:4000万円 坪単価:80万円



建物の隅が丸い"アール"が印象的な外観。玄関は広めを希望しました。

イラストを描くお仕事をしている奥さんの仕事部屋。玄関と道路に面するため、家族の出入りや、外で遊ぶ子供達を感じながら仕事ができます。

建物の、南側にはすべり台。3階から1階まで、屋内を半周しています。日常生活の動線としても大きく貢献しています。

2階は、およそ21畳のLDK。テラスを挟んで、リビング、ダイニングとキッチン。南側にはすべり台の中間地点があります。

キッチンからは、中庭テラスを通してリビングが見渡せます。テラスの上部・床がグレーチングのため、室内に光を落とします。

西側の壁際には全長約7mの造り付けソファを設置。内部は、収納になっています。リビングのAV収納は可動式で、裏側に配線、ハードディスクなどを収納しています。

3階は、16畳の子供部屋。現在は家族全員の寝室でもあります。すべり台は、ここからスタートします。

3階西側に位置するのが水回りとテラス。洗面室の壁も、外観そのままのアール形状です。水回りの奥には洗濯物を干すためのテラスがあります。

建築家のプロフィール
中村 和基+出原 賢一
中村 和基(なかむら かずき)
1973年生まれ
日本大学理工学部建築学科卒業
納谷建築設計事務所を経て、2004年LEVEL Architects設立

出原 賢一(いずはら けんいち)
1974年生まれ
芝浦工業大学大学院工学研究科建設工学専攻修了
納谷建築設計事務所を経て、2004年LEVEL Architects設立

LEVEL Architects
所在地 大井町オフィス:東京都品川区大井1-49-12-305
横浜オフィス:神奈川県横浜市南区永田北1-6-27
電話 大井町オフィス:03-3776-7393
横浜オフィス :045-731-3092
FAX 大井町オフィス:03-6412-9321
横浜オフィス :045-731-3010
E-mail info@level-architects.com
URL http://www.level-architects.com

建築家の一言
「3人の子供達の思い出に残る家を創りたい」という思いから「滑り台のある住宅」というのがオーナーの一番の要望でした。
 そこで、遊び空間を日常空間に如何に組み込んでいけるかを考え、「滑り台」を階段脇にスロープのように沿わせたりして使うような、単なる「遊具」として捉えるのではなく、建物全体の中に組み込むことにより、「滑り台のある住宅」ではなく「滑り台の住宅」となるように考えることにした。
 エントランスから向かって右側へ建物の外周に沿って1F~3Fまで「階段」で上がり、3F~1Fまで「滑り台」で下りてくる。建物の外周全体が、大きな「滑り台」になり、その計画がそのまま全体のデザインになっている。
 建物の4隅がアールであるため、内外部に柔らかい影を落とし、丸みをおびた外形は通りを歩く人が足を止めてしまうような、可愛い住宅である。
 竣工後、この住宅に訪れてみると、滑り台は日常生活の中にとけ込み、逆走している子供たちを見かけた。私達の想像を超えた「滑り台の住宅」になっていた。
渡辺篤史の感想
四隅の丸い建物はやさしい感じがして、そこに住む家族がなんともおおらかです。この建物のテーマは"子供達の思い出に残る家"。そのために建てたと言っても過言ではないでしょう。こういう家で育ったら子供達はラッキー。大成功です。