![]() |
2011年10月14日(金)放送 東京都三鷹市・池田邸 − 崖地に寄り添う“く”の字ハウス − |
||||||||||||||
|
|||||||||||||||
| 森 信人 | ||||||||||||||
|
||||||||||||||
| 株式会社スタジオ・ノア | ||||||||||||||
|
||||||||||||||
| 井の頭の家 〜記憶の形〜 建物が建つ前は崖になっており、巨木が覆って鬱蒼とした場所でした。 この建物は崖のための擁壁を兼ねています。 コンクリートの躯体は杉板の木目が写し取られ、それと呼応するように杉板ルーバーで覆っています。 伐採された木々の魂をRCの型枠やルーバーを使って蘇らせています。 土地の記憶を形にしてみました。 夜には杉板の縦格子からの明かりが不思議な風景を作り出しています。 ここはご夫婦+子供2人の若いご夫婦の住まいです。 ご主人は不動産屋さんの二代目で、この敷地はもともとお持ちの場所でした。 果たして建物が建つかどうか、当初は賃貸として人に貸す予定だったようです。 床下収納付きスキップフロアのこの住宅は変形した敷地形状のためか、狭苦しさは感じないようです。 南側隣地のモウソウチクは建物を覆う高さまで伸び、トップライトや窓越しに自然の表情を見せてくれています。 人工物には変わりないですが、建築というより土木構造物的な雰囲気を感じさせる家になりました。 |
||||||||||||||
| 最も狭い所は幅2mほどの細長い敷地。しかも、背後には崖の迫り、中ほどで“く”の字形に折れています。一見コストのかかりそうな鉄筋コンクリート造ですが、背後の崖の擁璧を兼ねる事で全体のコストを抑える事に成功したそうです。そして、それだけでなく、杉板を映したコンクリート、木部、そして背後の竹林が三位一体となって街に優しい表情を加えています。そこが何よりも素晴らしいと思います。 | ||||||||||||||