放送したお宅
2011年9月23日(金)放送
東京都小平市・田村邸
- テントに包まれた家 -

2010年1月

敷地面積 117平米 (35坪)
建築面積 51平米 (15坪)
延床面積 93平米 (28坪)
木造
建築費:3000万円
(床暖房設備込み)
坪単価:107万円



家の半分にテントを張った斬新な外観。テントの一部は風が通りやすいメッシュ。内側からは透けて見え、外側からは、見えにくい素材です。

玄関を入ると、約34畳のワンルーム。階段と、リビングの上部の2箇所のトップライトが、室内に光を落とします。

玄関の横にある水回り。浴室がガラス張りのため室内が見渡せます。浴室、水回りはカーテンで隠すことができます。

壁側にコンロ、シンクと作業台を部屋の中央に配置。まるで家具のような木貼りの収納が美しいキッチンです。

キッチン、ダイニングから約45cm下がるとリビング。北東を臨む窓は、すべて引き込めます。テントが、外部空間である庭をまるで室内のように感じさせてくれます。

2階は、天井から下がる垂れ壁で個室を区切る空間。その絶妙な高さで、トップライトからの光を調節し、各部屋のプライバシーを守ります。

2階の西側は、書斎。カーテンを取り付けた南側の10mの壁一面は、クローゼットとして使われています。

子供用の寝室と、夫婦の寝室。吹き抜けが寝室と1階のリビングを緩やかにつなぎます。

建築家のプロフィール
谷尻誠
1974年 広島県生まれ
1994年 穴吹デザイン専門学校卒業
1994年~1999年 本兼建築設計事務所
1999年~2000年 HAL建築工房
2000年 建築設計事務所Suppose design office 設立
現在 穴吹デザイン専門学校非常勤講師
2011年~ 広島女学院大学客員教授

suppose design office
所在地 〒730-0843 広島市中区舟入本町15-1 725ビル
電話 082-961-3000
FAX 082-961-3001
E-mail info@suppose.jp
URL http://www.suppose.jp

建築家の一言
キャンプにでかけて、テントやタープをはると、さっきまで外だったところがなんだか、室内のように使われる気持ち良さ。
そんな心地よさを設計したいと思いました。
内部を設計するだけではなく外部も同様に設計することによって、内部に部屋が生まれるように、外部にも部屋をつくることを、ここでは考えました。

屋根のような壁のような、塀のような外構のような、室内のような屋外のような、そんなテントによって囲まれた外部屋は、内部をより広く感じさせる役割を果たしながら、同時に生活の場が内部だけに留まることなく、外部までもが積極的に使われる状況を導いてくれています。
庭という場所が、ほんの少し室内に近い状態として設計されることで、いままで以上に使われる庭になってほしいと考えました。

天候や季節の影響に逆らわず、自然を受け入れる外部屋が、生活の場としての 豊かさに出会うための新しい可能性を持っていけるのではないかと考えています。
渡辺篤史の感想
モダンでかっこいい建物ですが、かっこいいばかりじゃなくて非常に生活しやすいということが、子供達の動き見てればわかりますよね。よくよくこの建物を見ると本当にディティールにこだわり、細心の注意が払われて見事な構成になっていますよね。奥さんもご主人も、建物が完成して住み始めてからが楽しい住宅だってことを言っていましたけど、私も実感致します。