「もみがら石灰の版築壁」
ハチの巣をみて思った。
ハチの巣は、ハチにとって、気持ちがいいのだろう、と…。
では人は人の生活をなにで包むか?
身に纏う衣服と同じで、四季折々、気持ちのいい材料で包まれたいだろう。
気持ちがいい衣服は、「断熱性」「蓄熱性」「調湿性」のバランスのいい材料でできている。
ここでは
「もみがら」に「断熱性能」、「石灰」「土」に「蓄熱性能と調湿性能」をもたせてた。
(もみがらは水に強く、腐りにくい。石灰は、雑菌・カビ・腐食から木材を守る役割もある)
高断熱高気密以外の、選択肢として確立できた事と思う。
「飛び庭」:
日本人の大人が都会で昔から持ち合わせていた世界観とは…。
その世界観の一つが、「坪庭」や「盆栽」など、自然を四角く切り取った世界。
その世界観を現代の立体的な都会に持ち込んだものを「飛び庭」として表出させた。
「飛び庭」を建物から突き出す「出」の奥行きで、道路からの視線を遮る。
また、下階(この家では、1階)の、開口部の「雨除け・日除け」にもなる。
「甘くならない自然素材の使い方」
木の良さの一つは、「優しくて、温かい」、一面である。
ただし、空間全体が「甘すぎる」感じになってしまうのを、避けるよう寸法の決め方に気をつけた。
具体的には、窓枠・家具・飛び庭の「高さ」を食卓の高さに合わせることで対応できた。 |