放送したお宅
2011年6月10日(金)放送
埼玉県さいたま市・多田邸
- 跳ねる!遊ぶ!子供のための家 -

2008年6月

敷地面積 100平米 (30坪)
建築面積 48平米 (14坪)
延床面積 90平米 (27坪)
木造
建築費:2300万円 坪単価:85万円



箱形の外観。外壁はセメント系サイディング張り。白色を基本に東面や切り取られたような造形のポーチ、窓枠に黒色を使いデザイン上のアクセントとしています。

玄関に上がり框は無く、黒色カラーコンクリートで仕上げた土間風の廊下が南北に伸びています。一段上がった和室と相まって縁側のような雰囲気を醸します。土間に蓄熱型床暖房を設置。

約6.5畳の和室は寝室として使用しています。壁の珪藻土は建主自ら塗ったもの。この他、収納なども自主施工の部分が多くなっています。

1階北側の広い洗面室。コンクリートの土間がここまで続いています。浴室の壁は一部を透明ガラスにして階段下のデッドスペースを飾り棚としています。

2階は天井の高いLDK。その大きな空間の中に浮かぶように設置された黒い箱が子供室です。親子間である程度の独立性を保ちつつも互いの気配が感じらる距離感です。

台所の収納が伸びて、そのまま食卓になるデザイン。掘り炬燵になっています。台所と居間の段差には小窓を設けて、台所からほぼ全ての部屋が見えるようになっています。

浮かんだ子供室の下は天井高1.4mの床下空間。居間からも床が下がっていて籠るような雰囲気を持つ、子供たちの勉強室兼遊び場です。

居間に浮かぶ子供室。壁が上に向かって広がる形状とし開放感を高めます。下階とは梯子で昇り降りできます。子供たちの成長に合わせて仕切っていく事も想定されています。

建築家のプロフィール
笹尾徹
1974年 東京武蔵野市生まれ
愛知県春日井市育ち
1993年 愛知県立高蔵寺高等学校卒
1997年 千葉工業大学工業デザイン学科卒
1997年 田村設計
2000年 FUNK associates. 共同設立
2004年 笹尾徹建築デザイン事務所設立

笹尾徹建築デザイン事務所
所在地 東京都港区六本木3-5-8-308
電話 03-6277-7421
FAX 03-6277-7421
E-mail info@sasao-arch.jp
URL http://sasao-arch.jp

建築家の一言
多田邸は子供部屋と家の関係性を重視し、いかに居心地の悪い子供部屋をつくるかという事を考えました。とはいっても居住性の悪い空間ということではなく、子供部屋だけで完結してしまい部屋から出る理由がなくなってしまうような空間を避け、つねに外部の空間との関わりを意識(物理的な面や気持ちの面でも)するような部屋のレイアウトや造りの空間とういうことです。部屋の広さは閉じてしまえばぎりぎりの狭さですし、家族の気配も常に気になると思います。常に閉じて生活するには居心地は悪いでしょう。オープンにする事で外部の空間を自分の部屋の一部にすることもできるし、閉じる事でで必要最小限 のプライバシー確保する事もできます、工夫次第で部屋の性格ががらりと変わります。
渡辺篤史の感想
夫婦と男の子3人の5人家族。そんな家族のための子育てを応援する家です。現在はオープンな間取りで、子供たちにとってはジャングルジムあるいは秘密基地のような遊びの空間。そして将来は成長に合わせてどのようにでも変化させていける柔軟な間取り。これから家族が自らの手で作り上げていく伸びしろの大きな建物です。