放送したお宅
2011年6月3日(金)放送
東京都世田谷区・三瓶邸
- 6.8坪の塔の家 -

2010年3月

敷地面積 31.6平米  ( 9.6坪)
建築面積 22.3平米  ( 6.8坪)
延床面積 67.2平米 (20.4坪)
鉄骨造
建築費:2560万円 坪単価:125万円



商店街の端に位置する9.6坪の三角形の敷地。外壁は亜鉛メッキ鋼板の波板張り。一部にアールを付けて、玄関へと自然に迎え入れるような表情を作り出しています。

1階は建築家であるご主人のアトリエ。土足が前提のコンクリート床です。7.5畳大のコンパクトなスペースですが、上階と空間が繋がっているので狭さは感じません。

2階東側は夫婦共用のミーティングルーム。床高を地上1.8mに抑えたので、上り下りも苦になりません。大開口を公園に面して設け、都心とは思えない景色を楽しみます。

2階西側は奥さんのアトリエ。3角形の平面で広がりを演出します。床はラーチ合板にオイルステインを塗った物。

3階はLDK。2階と同様、公園に面して大開口を設けています。南面の壁はラーチ合板を銀色に塗装し、公園の緑を映し込む事でさらなる広がりを演出します。

居間の壁の“棚”は猫専用の階段です。キッチンはコンパクトな空間に収めるため角を斜めにカット。シンク正面の小窓からも公園の緑が楽しめます。

LDKと同フロアにある浴室。居間との間に窓を設けたり、天井の一部を高くするなどの工夫で開放感を演出します。出入り口のドアは隣の洗濯機収納と共用。

キッチンに隣接して洗面用シンクを設置しています。ロフトからも居間の大窓を通して公園の緑を、また別の角度から楽しめます。

建築家のプロフィール
三瓶満真+いまむらあんな
三瓶満真
1964年   神奈川県生まれ
1990年   明治大学大学院修了
1990年-2001年   シーラカンス、C+A
2001年   インフィールドを設立
明治大学非常勤講師

いまむらあんな
    千葉県出身
    フェリス女学院短期大学卒業後
1988年-1998年   アルフレックスジャパン、野村不動産、日本設計にて、住宅、ホテル、オフィスなどのインテリアを手がける
1999年   インテリアオフィスFORM’Aを開設
2001年   インフィールドを設立

インフィールド
所在地 東京都世田谷区大原2-19-1
電話 03-6379-5682
FAX 03-6379-5681
E-mail sampei@sa3.so-net.ne.jp
URL http://www008.upp.so-net.ne.jp/infield/

建築家の一言
この建物は私たち設計者のアトリエ兼住居です。とにかく小さな建物なので、人の動きや必要な物の寸法など、従来の常識にとらわれずに各部の寸法をぎりぎりまで抑えつつ、開放的で豊かな空間が実現するように工夫しています。たとえば、アトリエは二人の作業スペースとミーティングルームの3つの空間を、床レベルを微妙にずらすことで、分かれていながらもひとつながりの空間としています。リビングダイニングは天井を高くして、視線が抜ける東側に大きな窓を設けることで狭さを感じさせない開放感を実現しています。収納についても不要な物をため込むゆとりはとてもありません。必要な物が必要な分だけ、いつでも取り出せるように機能的な収納を作ることに心掛けました。その結果生活に心地よいリズムが生まれ、とても使いやすく、快適な家となっています。
渡辺篤史の感想
建築家であるご主人とインテリアデザイナーである奥さんのコラボレーションによって生まれた建物です。狭小で3角形の敷地。ここに夫婦それぞれの仕事場と居住スペースを収めなくてはならないという難題を見事クリアして見せました。2人で徹底的に話し合い、時にはぶつかり合いなど生みの苦しみもあったに違いありませんが、それが建物作りに活かされたという印象です。