放送したお宅
2011年5月20日(金)放送
東京都調布市・鷲巣邸
- 角地の舳先ハウス -

2010年8月

敷地面積 112平米 (34坪)
建築面積 42平米 (13坪)
延床面積 85平米 (26坪)
木造2階建て
建築費:非公開 坪単価:非公開



角地の変形した敷地形に合わせた五角形の平面を持つ建物。東面・南面の特徴的な湾曲した壁は、駐車場と人通りの多い道から距離をとるために生まれたデザインです。

玄関ドアをくぐると正面にもガラス戸。そのまま中庭へと抜けられます。外側の湾曲した壁と居間との間に設けられた中庭は、通りからの緩衝地帯をであり、居住空間の延長でもあります。

玄関からすぐの台所は黒色の床の土間風デザイン、続く居間は杉板張りの小上がり、さらに隣接するワークスペースは再び土間風デザインと床高で空間に変化を付けています。

シンクと一体のステンレス天板の食卓。居間側が小上がりになっているので掘り炬燵のように座れます。シンク、IHの部分は床をさらに下げ炊事中も座った人と目の高さが合うよう考慮されています。

イラストレーターとしても活動するご主人のためのワークスペース。南面の湾曲した壁に接しているため、作り付けのデスクも緩やかな弧を描きます。居間との間には引き戸があります。

ワークスペースに隣接する第1の洗面室。絵筆を洗うのに便利なよう、ここに設置されました。壁は鮮やかな緑色。その奥にあるトイレは茶色で対比が鮮やかです。

浴室は2方向に出入り口があります。入浴時以外は通路として使用し、360度の動線を作っています。階段室の壁は黒板塗料で塗装。

2階南側は将来、子供室となる予定のプレイルーム。壁・天井を空を思わせる鮮やかな青で塗装しました。北側は寝室です。テラスの梁にハンモックを吊って楽しんでいます。

建築家のプロフィール
西久保 毅人
1973年 佐賀県で生まれ、佐賀県で育つ。
1997年 明治大学大学院修士課程修了。
象設計集団、アトリエハルに勤務。
2001年 ニコ設計室を設立。

ニコ設計室
所在地 東京都杉並区上荻1-16-3森谷ビル5階
電話 03-3220-9337
FAX 同上
E-mail nishikubo@niko-arch.com
URL http://www.niko-arch.com/

建築家の一言
ぐにゃりと、とんがった、そんなすがた・かたちに目がいく家ですが、たくさん作った案の中で、鷲巣さんに頂いた言葉や家のイメージを一番実現できそうな、プランでした。
鷲巣さんとの出会いなければ、決して産まれなかったプラン。
工務店さんの理解と協力なければ、決して実現しなかった空間。
本当に、おうちというのは、出会いの中で産まれる結晶のようなものだとつくづく思います。
そして入居後、何度もお邪魔していますが、さらりと服を着こなすように、素敵に住みこなす鷲巣力には、いつも脱帽なのです。。。。
渡辺篤史の感想
設計を依頼する時、ご主人が得意のイラストで「私たちの住みたい家」を建築家にプレゼンしたそうです。これを受けた建築家は、イラストの要素を全て網羅した上でプラスアルファ、曲面の壁が包み込むという予想もしなかった形を提案しました。家族の幸せを包み込んで進んで行く船のような建物です。